CPリクエスト1「小林×渡邉」慢性胃炎です。
『これは作者本人の経験が元になっています。暗い(重い)とは思いますが、それは作者の心配性によるものです。ご了承ください。』

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一日目

小林said

けやかけの収録が終わり、次の収録が始まる前に皆で昼食の弁当を食べている。

小林「ごちそうさま…」

佐藤「え、ゆいぽんもういいの?」

しーちゃんが声をあげた。

手元のお弁当を見ると、まだ半分も減っていない。

小林「うん…お腹空いてないんだよね」

長沢「え、じゃあこの玉子焼きもらっていい?」

小林「いいよ」

長沢「やった!」

お腹が空いてないわけではない。

ただ最近、食欲がない。

守屋「体調悪いの?」

小林「悪いって言うか…胃が気持ち悪いんだよね」

守屋「胃が気持ち悪い?」

数週間前から感じる胃の不快感。

痛いわけでも、苦しいわけでもない。

小林「なったことない?」

守屋「ごめん、なったことない」

小林「そっか…」

どのメンバーに聞いてみても反応は皆同じだった。

他の人には伝わらない…



三日目(午前中オフ)

メンバーのすすめで病院に行くことにした。

医師1「特に血液検査にもレントゲンにも異常はないしいたって健康体です、疲れてるんだと思いますよ」

小林「そう、ですか」

異常はなかった。

疲れてる、とだけ。

確かに最近沢山仕事をもらってる。

でも今までどんなに休みがなくてもこんなことにならなかった。

一向に症状は治まらない。

小林「うぅ…」

菅井「ゆいぽんどうしたの?」

小林「っ…え、何が?」

レッスンの休憩中、隅に座っていると、ゆっかーが来た。

菅井「今お腹押さえてたよね?痛いの?」

小林「痛くないよ」

菅井「もしかして、まだ治らないの?」

小林「…」

図星を突かれて黙り込んでしまった。

これじゃ肯定してるようなものじゃないか。

心配させたくないなら、なんでもないよって言えばいいだけなのに…

菅井「もう一回、病院に行ってきたら?」

小林「でも…」

菅井「スタッフさんには私から言っておくからさ、ね?」

小林「…うん」

ゆっかーの説得もあり、もう一度病院に行ってみることにした。



六日目

医師2「異常は…ないですね、大丈夫です」

小林「はい…」

やはり、異常は無かった。

小林「なんで…何もないの…?」

身体は明らかにしんどいのに。

これならいっそのこと「異常が見つかりました」って言われた方が楽。

処方された薬を飲んでみても効果は無かった。

今までは気持ち悪くてもご飯を食べればどうにかなっていたのに、気持ちの問題かもうそれさえも出来なくなった。

食べなきゃいけないと分かっているのに、食べ物がなかなか喉を通らない。



九日目

グラッ…

小林「うあ…」

菅井「ゆいぽん!」

渡邉「由依!」

症状が悪化したのかそれとも満足に食事を取っていないからか、レッスン中や収録のスタンバイの時にふらつくことが多くなった。

菅井「大丈夫!?」

小林「う、うん…大丈夫…」

倒れたわけではなかったが、一瞬足に力が入らなくなって座り込んでしまった。

菅井「マネージャーさん呼ぼうか」

小林「大丈夫…できる…」

渡邉「ダメ、もう休もう」

立ち上がろうとした私を理佐が制止した。

小林「でもっ…」

渡邉「もう一回病院に連れていってもらおうか」

菅井「マネージャーさんに頼んでみる」

渡邉「いい?由依」

小林「うん…」

申し訳ないと思う反面、少し嬉しかった。

嬉しかったって言うか、ホッとした。

もしかしたら、これで原因が分かるかもしれない。

菅井「今日中に受診できるところあるかな?」

渡邉「駅の近くの総合病院の内科は午後やってないよね」

菅井「えー…」

渡邉「あそこは?公園の近くの」

菅井「あー、内科医院?そこでお願いしてみようか」



仕事が早めに終わったマネージャーさんが車で送迎してくれることになった。

マネージャー1「小林、体調悪いの前からだったよな?」

小林「はい…」

マネージャー1「前行ったときは何て言われた?」

小林「異常は無いとだけ…」

マネージャー1「そうか…心当たりはないのか?」

小林「無いです…皆も分からないって…」

マネージャー1「検査で異常が無いなら何とも言えないが、顔色がな…」

小林「え…」

マネージャーさん曰く、顔色が青白いらしい。



看護師「小林さーん、どうぞー」

小林「はい」

平日だからか、早めに見てもらうことが出来た。

医師3「どうされました?」

小林「一週間前くらいから胃が気持ち悪くて…」

医師3「お腹の上の辺りですね、お薬手帳あります?」

小林「はい」

すると医師3はお薬手帳を開き一通り目を通した後、すぐに閉じてしまった。

一瞬、原因が分かったんじゃないかと期待した。

そうでなくても、検査を_

医師3「大丈夫、すぐ治りますよ、では待合室でお待ちくださ_」

もしかしたら、忙しかったのかもしれない。

他にすることがあったのかもしれない。

でも、話くらいは聞いてほしかった…



マネージャー1「小林、早かったな」

小林「…」

マネージャー1「小林?」

小林「っ、はい…」

マネージャー1「何て言われた?」

小林「何も言われませんでした…」

マネージャー1「…小林、大丈夫か?」

小林「…はい」

「やっぱりな」という思いと「なんで」という思い。

もしかしたら医師にさえも仮病だと思われているんじゃないか、なんて考えてしまう。



マネージャー1「小林?」

小林「…は、はい…?」

マネージャー1「着いたぞ」

ボーッとしている間に、事務所に着いていたらしい。

小林「あ…ありがとうございました」

マネージャー1「いいよいいよ、あ、今日レッスン早めに終わったらしいんだ、寮まで送るから準備して事務室まで来てくれる?」

小林「はい」

レッスン室に向かうと当たり前に私一人で、急いで荷物をまとめて事務室に向かった。

ドアをノックしようとして、やめた。

中から、マネージャーさんとスタッフさんの会話が聞こえてきたから。



スタッフ『そうだ、小林はどうだった?』

マネージャー1『異常は無かったみたいですね』

スタッフ『三回受診して全部異常が無いとなると…』

マネージャー1『これからしばらく小林休み無いですよね?何日か休みをとらせたらどうでしょう?』

スタッフ『今までだって忙しかったんだ、それはメンバー全員同じだろ、もしかしたら仮病かじゃないのか?』


小林「え_」


マネージャー1『小林が嘘ついてるって言うんですか!?ありえません!』

スタッフ『じゃあ検査で異常が何も見つからないことをどう説明するんだ!?』

マネージャー1『そ、れは…か、顔色も悪いですし!』

スタッフ『元々持ってる低血圧かただの寝不足だろ、とにかくしばらく様子を見るんだ、大丈夫そうなら仕事をさせろ、いいな』

マネージャー1『…っ、はい…』



小林「…うっ」

急に吐き気がして、急いで近くのトイレに駆け込んだ。

最近何も食べていなかったからか、吐き気がするだけだった。

…スタッフさん、私が嘘ついてると思ってることを否定しなかった…


…もしかしたら、この症状もただの思い込みなのかもしれない。

スタッフさんが言ったように…




…もう、皆にもスタッフさんたちにもメンバーにも迷惑はかけられない。

私が我慢すればいいこと。

私だけが耐えれば_











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いつも読んでくださってありがとうございます!
    やっと、CPリクエスト小説です。
遅くて申し訳ないです。
後編も早めに出せるように頑張ります。
    表現がくどいとは思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
詳細は後編のあとがきでお話ししようと思います。
それでは、次回も是非で読んでください!
これからもよろしくお願いします!