今冬、来夏の電力不安拭えず 原発供給力 上積み難しく | pooh-blog

pooh-blog

日々の出来事等を書いていきたいと思います。

今冬、来夏の電力不安拭えず
原発供給力上積み難しく
 電力使用制限令の前倒し解除も決まり、心配された夏の電力不足はとりあえず回避できた。猛暑だった昨年ほどに気温が上昇しなかったことや、政府が東京電力・東北電力管内で出した電力使用制限令による節電効果によるものだ。ただ、原発の再稼働など供給力の上積みは難しくこの冬、来夏の電力不安は本質的には消えていない。
 東電の西沢俊夫社長と東北電の海輪誠社長は30日、「引き続き節電へのご理解ご協力をお願いします」とそれぞれコメント
を発表した。これまでの節電の協力に対しても、「感謝の言葉を重ねた。東電管内では今夏、昨年並みの猛暑になれば最大電力需要は5999万キロワット、暑さが昨年よりも和らいだとしても、5500万キロワットにのぼるとみられていた。これに対し、東電の供給力はガスタービン増設などで対応しても最大で5570万キロワットだった。
結果的に深刻な電力不足が心配された今夏の最大需要は4922万キロワット(8月18日)にとどまった。気象庁によると昨年7~8月、東京で最高気温が30度以上の真夏日は52日間で、今年7~8月は39日間。こうした「天候」にも支えられたが、政府・東電は、需要が抑制された900万1千万キロワットのうち、電力使用制限令の効果が400
万キロワット程度あったとみる。自動車業界は木、金曜日に休んで土、日曜日に操業し、月~水曜日も15%の節電に取り組んだ。JR東日本は、正午午後3時の運転本数を削減し、路線によって通常運行の60~95%にした。東京メトロも日中、各線とも通常運行の約8割に削減した。
 しかし、冬の不安は払拭されていない。冬は夏に次いで需要が伸びる季節で、昨冬の東電管内の最大需要は5150万キロワット(2月14日)、東北は1470万キロワット(1月20日)。いずれも今夏の最大需要を上回る。
 東電管内では、柏崎刈羽原発1~7号機のうち稼働しているのは2基で、来年1月には1基が定期検査入りする。定期検査が進んでいるものもあるが、地元新潟県は再稼働に否定的だ。また、東北電は7月の豪雨で新潟・福島両県の水力発電所計100万キロワットが停止し、年内に復旧するのは7割。一方で、被災地の復興とともに需要は増加する。全国的に火力発電所のトラブルも相次いでおり、企業や家庭は、引き続き節電努力を強いられそうだ。