天カス学園に体験入学する事になったかすかべ防衛隊
エリートに憧れる風間くんは自分の優秀さを必死にアピール
だが、マイペースのしんのすけに苛立ち始めていた
鑑賞日 2021年8月18日
映画館 セントラル
嵐を呼ぶ園児、野原しんのすけを主人公にした漫画「クレヨンしんちゃん」。
早々にアニメ化されましたが、元々青年誌で掲載されていただけに下品なネタも多く、子供に見せたくない番組の常連となっていました。
今だとどいった番組が上位に来るんだろう。
笑点とか?
ともあれ、アニメの放送開始から30年経つ現在でも絶賛放送中です。
そして、毎年劇場アニメが公開されているのですが、今回は初のミステリーという事で話題になりました。
まあ、実のところ、今までクレヨンしんちゃんの映画は「黄金スパイ大作戦」と「モーレツ!大人帝国の逆襲」、「アッパレ!戦国大合戦」くらいで何時もはスルーしていたのですが、
なにやら偉く絶賛されていますぞ!?
この間ゲームも買ったことなので、久しぶりに見に行った次第です。
そして、噂に違わぬケツ作でしたよ、ええ。
本作のポイントは求める未来。
風間くんの伝手でエリート学校である小中一貫校天下統一カスカベ学園、通称天カス学園に1週間の体験入学する事となったかすかべ防衛隊。
天カス学園は勉強を始め生徒指導まで全てAIが担っており、また体験入学での成績が良ければ優先的に入学できるとして風間くんはやる気を見せていた。
ところが、事ある毎にしんのすけに邪魔され、思うようにポイントが稼げない風間くんはしんのすけと衝突してしまう。
その夜、姿を消した風間くんが古い時計台で発見、しかも、何故かおバカになってしまっていた。
学校で噂になっている吸ケツ鬼の仕業と睨んだしんのすけ達は探偵倶楽部を結成、学校で面倒をみてくれていた生徒会長のちしおと共に吸ケツ鬼を探す事になる。
ひと癖もふた癖もある学園の人物たち、果たしてしんのすけは犯人にたどり着くことが出来るのか?
話は大きく訳で、学園生活を満喫するスクールライフの前半、吸ケツ鬼を追うサスペンスの中盤、しんのすけ達が勝負に挑むアクション重視の後半に分かれています。
本作の特徴としてはしんのすけと風間くんとの関係が大きく、上昇志向のある風間くんと比べマイペースなしんのすけ、今までもいざこざはありましたが、今回は双方の考えがぶつかり合う事になります。
なお、サスペンスは様々なミスリードを誘う内容となっており、ミステリーの醍醐味を楽しむことができます。
見どころはクライマックスの勝負のシーンもあるのですが、個人的には前半、みさえの行動。
かすかべ防衛隊が中心のため野原家のシーンは少ないのですが、送り出すしんのすけにみさえが取った行動は大人だと涙腺に来るシーンとなっています。
気になった点は謎解きは勢い任せになっている事。
まあ、一応子供も見るコメディ映画なのでそこまでの謎解きは求められていない感もありますが、雑になってしまっているのは残念かと。
もっと捻って欲しかったところです。
基本的に楽しいコメディ映画なのですが、学校内の格差や学力一辺倒の怖さも含んでいる本作。
そして終盤にあるフレーズが繰り返し流れるのですが、非常に熱い展開を見せてくれます。
親の言いつけでクレヨンしんちゃんが見れない人以外は非常にオススメです。
オトナ帝国の逆襲とアッパレ戦国大合戦の監督だった原恵一監督の作品。
クレしんを引退した声優さんが登場していたのも特徴です。



