死者が生者を走らせる ソロモンの偽証 前篇・事件 | Mの国より愛を込めて

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終業式の朝、中学校で学生の飛び降り死体が発見される
自殺とされたものの、学生は殺されたという告発書が届く
何故か告白書を受取った涼子は両親や学校に相談するが?








公式サイト

観賞日 H27.3.7
映画館 セントラル

裁判と言えば大人のドロドロとして馬競り合い。
それぞれの主張がぶつかり合う、憎しみと憎しみの連鎖しか産まない場所です。
(やや誇張アリ)

家庭裁判所でも簡易裁判所でもお世話にならないことに越したことが無いような~
そんな裁判を学校で計画、実施するってよ?

原作は人気作家、宮部みゆきの小説。
結構前に発売されたと思うのですが、当時はネタが沢山あったのかな?

本作のポイントは謎の死。
クリスマスイブの夜に大雪が降った翌日の終業式、飼育員として登校が早かった涼子はクラスメイトである柏木の死体を発見。
警察は自殺として処理したが、3学期が始まる前に涼子の下に柏木は不良グループに殺されたという告発書が届く。
警察を交え告発書を調査した結果、差出人は不良グループにいじめられていた女子生徒の二人が出したものと断定。
しかし、学校はそこで捜査を打ち切り穏便に済ませようとするが、事件をかぎつけたマスコミにより騒ぎが大きくなってしまう。
結果涼子達の担任は追い詰めれ退職、告発書を送ったと見られる生徒の一人も事故死してしまう。
それから数ヵ月後、柏木の言葉が突き刺さったままだった涼子は柏木の知り合いという神原と出会う。
やはり柏木の死に納得していなかった神原、そして涼子は事件をはっきりさせるため裁判を思いつく。

果たして柏木の死は裁判として成立するのか?それとも・・?

本作は前後篇となっており、前篇は事件の発生から裁判の段取りを行うまで。
美味しいところは後篇までお預けとなっていますが、話の持って行き方が実に上手い!

見所は後半、裁判への直談判。
生徒が行う裁判なんて前代未聞、当然学校としても反対の立場なのですが涼子の覚悟はそう簡単に折れない!
そして、ある種の奇跡が・・!?
本来ならば不祥事として扱われるものが、交渉材料にするとは色々えげつないぞ!

気になった点は被告となる不良が後半まで殆ど登場しないこと。
一応当事者なのですから、もっと出番が有っても良かったのかも。
あと、いじめのシーンが繰り返し流れてしまうのは見ている方にとっては痛いです。
涼子と柏木の関係を表すシーンにもなっていますが、だったら音声をなくしても良かったんじゃね?

ツッコミどころは・・

(以下作品の雰囲気をぶち壊してしまうネタバレのため、未視聴の人、作品を大切にしたい人は注意!)



コンビニの前でスマブラ3DSののぼりが立っていた事。
劇中の時代設定は91年の夏、このシーンだけ時間が23年ぶっ飛んでいます。
コレを見つけてしまった瞬間、大爆笑してしまったのはナイショです。
(撮影したのが昨年の夏というのがモロバレです)




前篇の引きも絶妙なため、後篇が待ち遠しい本作。
後篇では様々な事実のウソが押し寄せてくるようで~
どのような結末を迎えるのか非常に楽しみです。



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