その薬が許可されなかったのはなぜ? 末期がん患者死去する | ジム・ハンブルの大ファンのブログ

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その薬が許可されなかったのはなぜ? 末期がん患者死去する
2014年2月10日 International Business Times


 アンドレア・スローン(Andrea Sloan)さんは、テキサス州オースティンで活動していた人道主義的な弁護士であった。7年間半、卵巣がんと闘病し、化学療法を2回受け、手術を5回受け、幹細胞移植を受けたこともあった。体への負担は限界であり、スローンさんが伝統的な治療法を試みるのをやめたとき、彼女の骨髄はすでに破壊されていた。ヒューストンにある「MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson Cancer Center)」の治療チームによれば、彼女を救う可能性がある実験的な薬はひとつしか残されていなかった。

 その薬は、BMN673と呼ばれるもので、PARP阻害剤として知られている。正常な組織への損害を最小化した状態で、癌細胞に照準を合わせ、細胞死を起こさせると考えられるものだ。スローンさんのように特定のタイプのがん治療を目的としたもので、卵巣がん、乳がんなど、BRCA1遺伝子での遺伝子の変異を起こすものに対して使われる。

 同薬はまだ米食品医薬品局(the Food and Drug Administration)に認可されていないが、もし製薬会社が許可すれば「コンパッショネート・ユース(Compassionate Use)」と呼ばれる特例の形で利用できる。しかし、同薬を製造しているバイオマリン(BioMarin Pharmaceutical Inc.)社は、彼女の使用を拒んだ。

 元日、スローンは肺炎の合併症で亡くなった。享年45歳だった。

 彼女の親友のテキサス州の弁護士、ミッシェル・ウィッテンバーグ(Michelle Wittenburg)さんは「アンドレアはとても生きたがっていました。けれども、彼女は、とても気分を害してました。製薬会社がカルテをみることもなく、重要性を検討することもなく、『NO』と言ったからです」と説明する。

 コンパッショネート・ユース(Compassionate Use)は、FDAが製薬会社に、臨床試験のほかに、実験的な薬の使用を許可する仕組みである。2009年10月~2012年12月まで、FDAは、3,170の試薬のうち3,149のコンパッショネート・ユースを承認した。(この数の中には、製薬会社が使用を拒んだリクエストは含まれていない。)

 スローンさんの医師も、FDAも、彼女がコンパッショネート・ユースの基準を満たしていると結論づけた。彼女は生命の危機にあり、彼女と彼女の医師団両方が納得し、従来の治療法では良くなる見込みはなかった。しかし、バイオマリン社は、彼女の使用を拒んだ。

 スローンさんは、友人の助けを得て、同社に対して、嘆願運動をおこなった。バイオマス社のCEOであるジャン・ジャック・ビーネイメ(Jean-Jaques Bienaime)氏にビデオメッセージで呼びかけたりもした。そのビデオはまだネットで公開されている。

 バイオマリン社のスポークスマンであるデブラ・チャールズワース(Debra Charlesworth)氏は、IBTimesに、「FDAは、その薬のコンパッショネート・ユースに同意していません」とコメントした。同氏は、同社が同薬のコンパショネット・ユースを当局に申請したか明らかにするのを拒んだ。

 スローンさんの友人のウィッテンバーグさんは、「会社が申請しなければ、FDAは承認できません」と指摘する。

 スローンさんとバイオマリン社の争いは、製薬会社と消費者の関係の変化を示す好例である。従来、患者と製薬会社のやりとりは間接的であり、両者が直接連絡を取ることは稀であった。患者は、医者や薬剤師とやり取りをしていた。意図的に分離されていた側面もある。FDAは、製薬会社が患者と直接コンタクトをとることによって利益を拡大することを好ましく思っていなかった。

 しかし、今日では、患者は、製薬会社の幹部に直接声を届けることができる。ソーシャルメディアなどインターネットの影響も大きい。

 ちなみに、スローンさんの友人たちは、すべての製薬会社が非情なわけではないと説明する。スローンさんは、他の製薬会社(匿名希望)から、BMN673に似た薬の提供を受けることができた。

 バイオマリン社はIBTimesの質問には答えなかったが、同社のスポークスマンであるチャールズワース氏は、下記の声明を発表した。

 「私たちは、アンドレア・スローンさんを失って悲しんでいるご家族やご友人に深い同情を感じています。私たちは、末期の病気に苦しんでいるすべての患者に共感します。遺伝子の病気のための治療を開発している会社として、私たちの処方薬ができる限り多くの患者の助けとなることを熱望しています。」

 同声明によると、同社は「安全性と効果の両方において科学的な証拠があった場合のみ、当局に申請を出す」という。

 チャールズワース氏は、メールで、「BMN673については、臨床試験以外の目的で、末期の卵巣がん患者に提供するのは不適当でしょう。私たちはまだデータを30人以下しか持っていません。まずは、安全性と効果をしっかりと検証するのが私たちの方針です。申請フォームはただいま進行中であり、FDAはまだその薬を認可していません」と説明した。

 しかし、FDAはスローンさんのコンパッショネート・ユースに同意している。バイオマリン社は、なぜ同薬の提供を拒むのであろうか。

 スローンさんの友人のウィッテンバーグさんは、バイオマリン社のIBTimesへのコメントについて、「イライラするような言い方ですね。FDAはその薬の安全性に懸念を示していません。バイオマリン社は薬が安全であると知っているはずですし、投資家たちにはそう言っています」とコメントした。

 バイオマリン社は、昨年9月に安全性と効果を宣伝している。

 バイオ企業「iBio」の社長であるボブ・アーウィン(Bob Erwin)氏は、実験的ながん治療薬がコンパッショネート・ユースとして利用できるように運動を展開する「マルティL.ネルソンがん財団(the Marti L. Nelson Cancer Foundation)」の共同設立者である。同氏は、バイオマリン社の対応は、全体的に大きく間違っていると考えている。同氏は、「(同社は)家族やメディアに対して、効果的なコミュニケーションをとることに失敗しています。患者に大きな敬意を払う製薬会社もありますが、このケースはそうではありませんね」と述べた。