今回紹介するのは、今朝(25日)に家を出るときにたまたま選んだ車内BGMのCDの中にあったアルバムです。バンド名は「 DOKKEN 」で、アルバム名は『 UNDER LOCK AND KEY 』(1985年作品)です。
「 ドッケン 」と言うバンド名は、ドイツ語検定試験の略から取ったものではないです(当たり前)。ノルウェー系アメリカ人のヴォーカリスト/ドン・ドッケンのファミリーネームです。
中心人物はそのヴォーカリストのドン・ドッケン(上の画像で左から2番目)で、他のメンバーはジョージ・リンチ(g. 右から2番目)、ジェフ・ピルソン(b. 一番左)、ミック・ブラウン(ds. 一番右)。典型的な「LAメタル」の音を出すバンドで、1984年にリリースされた『 TOOTH AND NAIL 』アルバムでブレイクしました。
職人タイプだったリズム隊(ベースとドラムを合わせた呼称)はともかく、上手いが故にやたら前面に出たがるギタリスト/ジョージとドンの仲は悪かったそうです。曲を作るとき、意見の違いからなぐり合う事もあったのだとか。そんな仲が悪かったのに1981年(ジョージ加入)から1989年(バンドの最初の解散)までの間続いたのは、ミュージシャンとして認めてはいたのでしょうね。
本作は評価は決して低くないものの、ファンの間では他の作品に比べると「ソフト」だとか「メロウ」とか言われていました。確かにドンのヴォーカルを前面に押し出した曲の数々は、攻撃性ではなくメロディアスさに重点を置いた印象があります。
一番「作りこまれた」感じがするのと日本人好みのマイナーコードでメロディアスな曲が多いので、個人的には同バンドの最高傑作だと思っています。
以下、全曲紹介です。
① UNCHAIN THE NIGHT ・・・ アルバムのオープニングは、アルペジオのギターから静かに始まり段々盛り上がっていく展開が心地よい力強いミドルテンポのロック曲です。哀愁があるヴォーカルと、意外にバリバリ(死語)かき鳴っているギターのバランスが良いです。
② THE HUNTER ・・・ スローテンポですがギターがバリバリ(死語)のヘヴィーな曲。初めはプロモーションヴィデオ(以下PV)も含めてあまり好きな曲ではありませんでしたが、時が経つにつれて段々と好きになっていきました。もちろんPVを見ていないからです(笑)。聴きこんでいくと良さがわかる、言ってみれば「するめ」みたいな曲です。
③ IN MY DREAM ・・・ いやぁ、初めてこの曲を聴いた時(若く多感な高校2年生の頃です)、魂が揺さぶられました。間違いなく超名曲です。アカペラ風のイントロで始まり、哀愁漂うヴォーカルと意外にハードなギターリフのバランスが秀逸な、ミドルテンポのロック曲です。リズム隊も良い仕事をしていますが、圧巻は緩急ついたギターソロ。アルバムを聴いて絶対にライトハンド奏法だろうと思ったところがPV見て違っていたのには、マジでビックリでした。
http://www.youtube.com/watch?v=6OiMboi7wgE
④ SLIPPIN' AWAY ・・・ 超名曲の余韻を良い意味で冷ます、曲順も素晴らしいパワーバラード曲です。イントロのアルペジオとドンの語りかける様なヴォーカルが限りなく優しいです。ジョージにしてはメロウなギターソロが良いですが、個人的に好きな部分はその後にアルペジオだけになる所です。
⑤ LIGHTNIN' STRIKES AGAIN ・・・ バラードの次は、お待たせしました疾走系ロック曲。ハードなギターのイントロ/スリリングな曲調/段々盛り上がっていく展開等と、聴きどころは満載です。曲の終わりにはドンのシャウトも聴けます。
⑥ IT'S NOT LOVE ・・・ 後半一発目はオーディエンス(観客)との掛け合いを意識したであろう、スローテンポですがハードな曲です。行きずりの人を巻き込んだであろう(笑)PVは傑作でした。大学の頃の音楽仲間は、この曲のPVが史上最高のPVだと言っていましたが、わかるなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=J2sxyBMHtMM&feature=related
⑦ JADED HEART ・・・ これも静かに始まって段々盛り上がる、パワーバラード曲です。曲の終わりはイントロの曲調に戻ります。
⑧ DON'T LIE TO ME ・・・ ③に似てると言えば似てる、ミドルテンポのロック曲。メロディが秀逸。個人的に、この曲からアルバムラストまでが本作のハイライトだと思っています。
⑨ WILL THE SUN RISE ・・・ 泣いているギターのイントロからもう名曲に認定できる(笑)、ミドルテンポのメディアスなロック曲です。ジョージも弾きまくりたいお年頃だったでしょうに(笑)、楽曲重視に徹しています。
⑩ TIL THE LIVIN' END ・・・ アルバムのラストは、前作のタイトル曲「 TOOTH AND NAIL 」に似た疾走曲。ここぞとばかりに弾きまくるギターソロやその後のシャウトも良いですが、この曲の最大の疑問(笑)は曲の直後のハウリングみたいな音です。聴きこんだ今は慣れてしまいましたが、初めて聴いた頃は「この音(ハウリング音)さえなければスッキリ終わるのになぁ」と思いました。
久し振りにアルバムを通して聴きましたが、やはり個人的にDOKKENと言えばこのアルバムです。全くと言っていいほど、穴がありませんから。