今日は奥多摩峰の廃村。
私は川苔山や本仁田山に登る時は、鳩ノ巣駅から大根ノ山ノ神を経由する事が多い。
20年以上前だろうか、大根ノ山ノ神を貫く林道が出来て、大根ノ山ノ神の場所が狭くなり、様子が変わった。
スケッチするつもりだったが、静かな幽玄な場所という印象がかわってしまい、仕方なく、林道に停めてあったショベルカーをスケッチした記憶がある。
その時に、新しい林道に惑わされて、林道を歩いてしまい、廃村らしい峰の集落跡にきてしまい、道を間違えたことに気づいた。
少し戻ると、川苔山への分岐があった。
峰は1972(昭和47)年に最後の住人が山を下りて、完全に廃村になった。
この村の歴史はかなり古く、今から600年ほど前に秩父から山を越えて逃げてきた武士の集団が住みついたのが始まりといわれる。
そういう事情でもなければ、こういう不便な高い所に集落などできないだろう。
20年前は、家は倒壊していたが屋根の形は残っていた。
今回は、たぶん、誰かが危なくないように、完全に解体したようだ。
木片などが、まとめられていた。
しかし、所々に一升瓶、鍋、人形などが転がっている。
ジッと立っていると何かの気配を感じて不気味である。
村の鎮守の神社だけ残っていた。
大根ノ山ノ神でスケッチ。
鳩ノ巣駅に向かう急な坂道をスケッチ。
私は坂のある風景は好きだ。
奥武蔵の大持山からの帰り、鳥首峠を下りていて、白岩の廃村があった。
石灰工場で働いていた人達の集落で、工場の廃止とともに、ここの住民たちも山を下りたらしい。
まだ屋根もしっかりしていて、ホームレスになったら、ここに住みついてもいいなと思った。
あの時はバンビちゃんと山の会の会長さんと一緒だった。
もう20年以上前だ。
今度はアラレちゃんと白岩の廃村にスケッチに行ってみるか。
アラレちゃんが一緒なら、村の静けさも怖くない。