こんにちは。

東京 埼玉 カフェカウンセリング・訪問心理療法・オンライン相談の

えむ心理研究室です。

 

2014年に話題となった事件のニュース記事を参照しながら、親子関係・家族関係を考えていきたいと思います。

 

ニュース記事だけではわからない、個々の家庭の親子関係・家族関係の機微が当然あると思います。

推測が先走らないよう気をつけてまいります。

 

今回は、北海道の親子殺害事件から、しつけと虐待の問題について考えます。

 


20141004北海道
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141001/k10015030661000.html

 

*****

 

虐待から解放されるための殺人?

 

 ○親子殺害事件 孫の女子高校生逮捕 北海道(NHKオンライン)

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141001/k10015030661000.html

 

北海道で、女子高校生によって祖母と母親が殺されるという非常にショッキングな事件でした。

 

 

 ○北海道祖母と母殺害:高2女子「しつけ厳しく逃れたく…」(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/select/news/20141002k0000e040226000c.html

 

続報では、女子高生が幼稚園児のときに、児童相談所が介入する虐待があったとあります。

 

虐待に対する恨みがあり、

「しつけが厳しく、今の状況から逃れたかった」 

 http://mainichi.jp/select/news/20141002k0000e040226000c.html

と女子高生は言っています。

 

 

 

しつけか?虐待か?

 

言うことを聞かせるために子をぶったり、

決まりを守らなかったために子どもにごはんをあげなかったり、

子どもに過度な労働を強いたり、

子どもを困らせるような言動をしたり・・・

 

親が「これは『しつけ』だ」と言っても、

客観的に見れば『虐待』だ、ということは頻繁にあります。

 

子どもにとっては、非常に過酷な状況です。

 

しつけという言葉に隠れた虐待が続けられれば、

常識的な判断が出来なくなって凶行に及ぶこともあるでしょう。

 

親が、「これは『しつけ』。うちではこれが当たり前」と言っている場合、

子どもが小さいうちは、自分の家以外のことなどわからないことが多いので

「そういうものなのか」と思って仕方なく従います。

しかし、大きくなって、学校などで外部の人との接点が増えるにつれ、

「うちはおかしいのではないか」と気付いてきます。

かといって、親にあらがえばまた暴力を振るわれたり心ないことをされたり、

まだ中学生高校生でお金を得るすべもなく逃げ道がなければ、

どうするでしょうか。

 

親が客観性を持つことが大切です。

家では『しつけ』で通っていても、はたから見れば『虐待』ではないのか、と

問い続けなければいけません。

 

しつけと虐待の違いは?

 

しつけと虐待は、どう違うのでしょうか。

 

わたしは、ふたつの点でしつけと虐待の違いを見極められると思っています。

 

ひとつは、傷が残るか残らないか。

身体的な傷、精神的な傷、どちらも含めてです。

あざができるまで何度もぶつ、などは論外です。

 

もうひとつは、子どもが納得しているかしていないか。

言葉が通じる年齢になったら、しつけの内容をしっかり話し合うべきだと思います。

なぜ叱られるのか、なぜダメと言われるのか、

子どもが納得していなければ、平行線のままです。

もちろん、子どもに反社会的傾向がなく、かつ親も良識を持っていて、

お互いが素直に話し合いができる場合に限定されますが。。

親子が良識に基づいてしっかり向き合うならば、

子どもが納得しているかしていないか、という指針は、十分しつけと虐待の判断になると思います。

 


虐待かも?と思ったら・・・

 

「虐待かな?」と思ったら、通告する義務があるのをご存知ですか。

 

例えば、

隣の家で子どもがずっと泣いているけれどまさか虐待・・・?

近所で大きなどなり声が頻繁に聞こえる。「やめてー」という子どもの声も・・・?

うちの子の同級生が家に遊びに来たけど、いつも身体のどこかしらにあざがある、「どうしたの」とその子に聞いてもはぐらかされる・・・?

ママ友から聞くしつけの内容が、暴力や無視・・・どう聞いても虐待だと思うんだけど・・・?

 

 

虐待が疑われるとき子どもに気付いたときは、通告義務があります。

 

 ○児童虐待を発見したら通報する義務はある?(ほ~納得)

 http://www.hou-nattoku.com/quiz/0276.php

 

 ○児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)(厚生労働省)

 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv22/01.html

  ↑第6条が通告義務についてです

 

都道府県および市区町村の児童相談所や福祉事務所に、一報を入れましょう。

 ○全国児童相談所一覧

 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv30/h23.html


 

どうすれば防げるか

 

 

虐待から逃れるための方法が保護者の殺人・・・

なんとしても防ぎたかった事件です。

 

どうしたら、防げたのでしょうか。

いくつか思い浮かぶことをあげてみます。

 

学校や地域の相談機関の充実、

一度でも介入したことのある家庭への児童相談所の継続介入、

小学校・中学校・高校で、虐待について理解する時間を作る、

虐待に関するパンフレットや相談機関のお知らせの定期的な配布、

いくつか考えられますが、

人的資源を考えると即刻の制度変更は難しい側面もあるかもしれません。

 

身近な人との連携が、まずは重要視されると思います。

虐待を受けている人も、虐待をしてしまった人も、

誰でもいいから、信頼できる、話が出来る人を作ってください。

 

なんとか、悲しい事件を防ぐために、

虐待についての知識を深め、子育てや親子関係について理解し、協力していこう・・・

 

という気持ちが大切だと思います。

 

 

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加筆修正しました 2016/10/20