ヒトの形をした人形 | あやっちのブログ(AKB48&欅坂・櫻坂46&乃木坂46妄想小説)

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夢小説書いてます‼︎
投稿は不定期なので気長に待って頂けたらと思います^ ^



短編です!!



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これは、、、


私が小学生で丁度、春休みだった頃の話…



春休みだというのにまだ冬のよう寒い日が続いていた。






私の地域では春休みになると子供達が集まり山のゴミ拾いを兼ねたキャンプが行われていた。



もちろん、そのキャンプは親と同伴でなければならない。




友香「えぇー…お母さんは行かないの?」


母「ごめんねぇ…お母さん、その日用事があって行けないのよ〜」


友香「じゃ…キャンプどうするの?お父さんかお母さんが来ないと行けないんだよ?」


母「そうね〜…お父さんは今海外に出張だし…あっ‼︎お姉ちゃんと行ったらどう?」


友香「えぇ…お姉ちゃんと?」


お姉ちゃんかぁ…イヤじゃないんだけど…



お姉ちゃんは私と真逆と言っていいほど活発な性格だった。

その活発さが空回りしないか心配だった。


母「ほら〜お姉ちゃんも来年でもう高校生になるんだし大丈夫よ!他の親御さんにも話しておくからさ!」


友香「うぅ…」


話を聞きつけたお姉ちゃんがニコニコしながら友香とお母さんの間に入る。


茜「なになに?どうしたの?」


母「あっ‼︎いいところに!ねぇ茜、友香のキャンプ一緒に行ってくれない?お母さん用事があってその日いけないのよ〜」


茜「キャンプ?いいよ!!なんか楽しそうだし笑」


お姉ちゃんの即決によって結局、お姉ちゃんと一緒に行くことになった。


友香「もぉ…お姉ちゃんみんなの前で変なことしないでよ?」


茜「変なことなんかしないよ〜笑それより私もキャンプの準備しなきゃ!!」


そう言って颯爽と自分の部屋へと行ってしまった

まだ幼気ある茜に心配になる友香だった。


友香「本当に大丈夫かなぁ…」


でも、お姉ちゃんがいたら頼もしいのは頼もしい為、キャンプが少し楽しみでもあった。




そして…楽しい…楽しいキャンプが始まった。




茜「友香〜ご飯出来たって〜!」

友香「うん!今行くー!」


姉のもとに行こうと走り出すが耳や頭の中が突然響くように痛み出した




キィーン……!!!





友香「うっ…イッたぃ…」


蹲る友香に直ぐさま気付く茜


茜「友香⁉︎どうしたの⁉︎」

友香のもとに近寄り今まで見た事がないような焦りを見せる茜。



友香「ッ…ちょっと……ってあれ?」

茜「へ?」


友香の変わりように驚く茜


驚いた事に、さっきの痛みが突如として無かったように痛みが無くなったのだ。



友香「なんか…痛くなくなった?」

茜「はぃ⁉︎…もぉ心配かけさせないでよぉ…」

友香「うん…ごめんなさい…」


茜「いいよ。それよりご飯食べに行こ?午後からの自由時間無くなっちゃうよ?」


友香「ハッ⁉︎そうだった‼︎お姉ちゃん早く行こっ!」



そう言って茜の腕を引く友香


茜「もぉ…待ってってば笑」




痛みのことなんか忘れて私はご飯をたらふく食べた。




友香「お姉ちゃん!遊びに行こ〜!!」

茜「はいはい笑」


私達はキャンプ近くを探索する事にした。


茜「ん〜やっぱ山っていいね〜」

友香「うん!都会の空気とは違うよね!」

茜「友香流石だね〜笑わかってんじゃん笑」

友香「へへっ!笑」


今日は晴天。

上を見上げれば雲一つない空

心地よい風にほんのり暖かく包み込んでくれる太陽…


キャンプに来れてよかった。



友香「スゥ…ハァ…気持ち〜」


気分が良くなった私達はキャンプから離れ、どんどん道を進んでいく


調子に乗った私は戸惑うお姉ちゃんをお構い無しに引き連れ回した


友香「お姉ちゃん‼︎こっち行こー?」

茜「え?う、うんいいけど。」



この時の私は…

無意識だが、何かに惹きつけられるように山道を進んでいた…。




茜「はぁ…もぉ友香キャンプに戻るよ?遅くなると怒られるよ?」

友香「もうちょっとだけ!!ね!ね!」


茜「わ、わかったよ…もうちょっとだけだよ」


そう言って私の後をついて来る茜



私は進むたびに足早が速くなる




茜「ちょっと友香!一体どこまで…」


ザッ!!!



友香「え……」


突然、立ち止まる友香


茜「って急に止まらないでよ!!お姉ちゃん怒るよ!!」




友香「お姉ちゃん…これ…」

茜「もぉ…なに?」


友香はあるものに指をさす


指をさす先には……



茜「はぁ…驚かさないでよ。ただの人形じゃん」

友香「いやでも…」


友香が戸惑うのも無理はない。

その人形は『ヒトの形をした人形』であったから

その人形の姿はまだ寒い春だというのに夏物の服を着ていた。



それだけじゃない…


その人形には首がなかった…。



友香「もしかして…人なんじゃないの…?」

茜「はぃ?笑こんなのが人のわけないじゃん〜?」

そう言って人形を蹴飛ばした


バゴッ!!!


その人形はいとも簡単にひっくり返った。


茜「ほら?簡単にひっくり返ったよ?笑」


友香「ちょっと⁉︎お姉ちゃん‼︎やめなよ‼︎…仮に人形だとしても君味悪いし…ねぇお姉ちゃんもう戻ろ…」


茜「ここまで連れて来たの友香じゃん。もうちょっとこの人形見てこうよ!!ホラ、友香も見てみ?首がないけど結構リアルに出来てるよ!」


好奇心旺盛な茜だが今すぐにこの場から離れたい友香


この人形を見たらなんだか嫌な予感がしてならない



私はお姉ちゃんを無理やりキャンプへ連れて帰った。


なんであんな所に行ったのだろうか…

キャンプに着いてもまだ胸が騒がしい…



私は咄嗟にあの人形は誰かに言わねばならないといけないと思った。

友香は近くにいた大人に全てを話た。


友香「あの‼︎……」

茜「ちょっと友香!」

おじさん「ん?おぉ友香ちゃんと茜ちゃんじゃない?どうかした?」

茜「ど、どうも…笑」

友香「おじさん‼︎話を聞いて欲しいの‼︎」


おじさん「ん?」


友香「実は…」


そのおじさんに事情を話したら心良く着いて来てくれた



辿り着くとおじさんの顔が険しくなった。






おじさん「こりゃ………自殺だね」





友香「え…」
茜「え…」



2人して言葉だけでなく身体が固まった。


確かによく見ると首無しの身体の近くには大きな木があった。

その木には…ほつれかけた首吊り用の縄があった

だが、それだけで自殺とは考えにくい。

誰かが自殺と見せかけ、殺した可能性だってある。

それなのに何故、おじさんは自殺だと断定したのか…。


その理由は近くにあった。


おじさんはゆっくりとソレに指をさした。


友香「ッ⁉︎…キャャー!!」

茜「……。…友香…見ちゃ…ダメだよ…」


茜の震える手で友香にソレに見せないように目を隠した

だが、ソレを見てしまった私は泣き叫び続けた。



『ソレ』…とは、、



首無し身体と元々くっついていた…





いや…引きちぎれた『 首 』が…






その木の枝にバランスよく乗っていたのだ…。


その首の顔は目玉が飛び出たのか…
それとも腐ったのか…

とにかく目玉がなかった。

それだけじゃない。


その顔は、苦しそうな…ニヤッと笑っているような…

とても不気味な顔をしてこちらを見ているような気がした。


早く気づくべきだった。


いや…このまま人形だと思い続けていた方が楽だったのに違いない…


だって…あの日から毎晩、目を瞑るとあの顔が思い浮かんで来て、中々寝付けない日が多くなったからだ…



おじさん「こりゃ凄いね…偶然にしても、首と身体がちぎれた反動で木の枝に首が乗っかる事なんてそうないよ?」


死体に見慣れているのか平気な顔をしながらおじさんは話し続けた。



茜「おじさん…‼︎」

おじさん「ん?」


茜はおじさんを止めようと声を張り上げた。


するとおじさんは2人の姿を見て、事の重大さに気がつき私達に謝った。



茜はこの場から離れようと友香の手を引いた。


私はその手に引かれるまま茜の跡を追った。




小学生だった私はわからなかったが、今思い返すとあの人形…


いや…あの死体は何年か前に自殺し、


身体が腐敗した事で首と首より下の身体が重さに耐え切れず、そのまま引きちぎれたんだと思う。



そして時が流れ…


私は大人になった。


茜「あの時の友香、何かに取り憑かれたように山道を進んでたよね?」

友香「うん。あの時、確かに嫌な予感は感じてたんだよね。でもあの人に呼ばれているような気がして…。」


偶然なのか、必然なのか、、そのどちらかはわからない。

けど無意識ではあるが、何か目的があってあの自殺現場に向かったんだと思う。


あの人は気づいて欲しかったのか…

それとも苦しさを知って欲しかったのか…


今となっては定かではない。







友香「どうか…どうか成仏して下さい…。」




大人になった私は再びその木に手を合わせた。


そこには小さい頃見た死体はない。


ここへ来たのも過去の恐怖を断ち切る為に来たのだ。


そう…。大人になってようやく克服出来たのだ。


もちろん姉と同伴だが。



茜「友香、もう帰ろ?」

友香「うん。」


私は立ち上がり、最後にその木に触れようと手を伸ばした。



すると、茜が突然慌てた様子で私を呼び付けた。





茜「友香…!!!…ダメッ!!!」

友香「え…?」


一度茜の方に振り返り、再び木を見ると…



友香「なわ…?」




私が触れようとしていたのは木ではなく首吊り用の縄だった。



友香「なんで…」


さっきまで縄なんてなかった。

なのに何で急に…





私はまだ克服出来ないみたいだ……。























         ーおわりー







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突然のホラーのようなミステリーのようなよくわからぬ物語でした笑


半分は作り話で半分は知り合いに聞いた本当の話です笑


その知り合いの方は霊感が強いのか、よくそういった事が起こるらしいです…Σ(꒪ȏ꒪)