ザンビ2 | あやっちのブログ(AKB48&欅坂・櫻坂46&乃木坂46妄想小説)

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夢小説書いてます‼︎
投稿は不定期なので気長に待って頂けたらと思います^ ^






ガシャン!!




実乃梨「ウゥ…」



楓「実乃梨…!!…実乃梨…!」


摩耶「楓…!これはどういうことなの!こんなの…聞いてないよ…!実乃梨がザンビだっただなんて…!!」



楓「違うの…実乃梨は…実乃梨は…」



ゆずき「楓!!実乃梨!!」



上から駆けつけたゆずきは楓の元へ駆け寄った。


ゆずき「楓!大丈夫⁉︎」


楓「ゆずき…!…実乃梨が…実乃梨が…!」


実乃梨「ウゥ…」


ゆずき「ッ…」




この状況…少しまずいな…




摩耶の手には刀が握られており、


その刀は実乃梨に向けられていた。



それを楓は必死に摩耶を止めようとしていたのがわかる。


だが、取り乱した摩耶は誰にも止められずにいた



このままでは実乃梨が殺されてしまう…。


一つ安心だったのは昨日の夜、


実乃梨が寝た後に念のため、実乃梨の足首に紐を縛っていた。


そのおかげか実乃梨はその場から動けずにいた為、誰も噛まれずに済んだんだ。



摩耶「やっぱり楓達は…私達を騙そうとしたんだね…」


楓「違う!!」


摩耶「友達になれると思ってたのに…ウソつき!!」



楓「摩耶を騙そうだなんて思ってない!…確かに実乃梨の事は言ってなかった……」



本当は言うべきか迷った。

だが、摩耶に言うことで実乃梨は殺される恐れがあると思ったから言えなかった。


怖かったんだ…言うのが…


摩耶「楓達のこと…信じてたんだよ…?」


なのに…なんで…


私のこと信用してなかったってことだよね…?





楓「違うの…!言わなかった事は謝る…お願いだからその手を降ろして…!」


摩耶「もう信じられないよ!!…楓達のこと…」



ゆずき「摩耶!楓の言う通り、摩耶を騙そうなんて…」


摩耶「嘘言わないでよ!!」



ゆずき「…⁉︎…嘘なんて…!」


摩耶「…じゃ…なんでゆずきの目、ザンビと同じ目をしてるの!!」


摩耶はゆずきの目に指をさした


ゆずき「え……」


ゆずきは布で隠していた左目に触れた


隠していた布がない…


なんで…


ゆずきは目に覆っていた布が取れていたことに気づいてなかった



ゆずきの目はザンビのように瞳が白く、頬や目の周りには紫色に血管が浮き出ていた


どんなに自分がザンビではないと主張しようが今のゆずきの姿を見て信じる者はいない…。





摩耶「…みんな…酷いよ………」



楓「摩耶!お願いだから刀を降ろして…。とにかく今は話し合おう?」


だけど今は摩耶を説得するしか方法はない。





摩耶「……安心して。話し合うつもりはないから。」


楓「え?」




摩耶「ここにいる全員、痛くないように…楽に死なせてあげるから。」



そう言っていた摩耶の手は震えていた。




摩耶は自分で止めるきっかけを無くしてしまったんだ…


本当は殺したくないはず。


けれど、ここでザンビの侵入を止めなければ杏奈との約束が叶えられなくなってしまう。


そう思っているのだろう…。




摩耶「まずは実乃梨…あんたからだよ。」




楓「摩耶ッ⁉︎」



摩耶は震えている手で実乃梨に向かって刀を振り上げた




摩耶「ウァァ…!!」






振り落とそうとしたその時、摩耶を呼ぶ声がした




みこ「…摩耶。」



摩耶「ッ……みこ」



上の階からゆっくり降りてくるみこ


摩耶はゆっくりと振り上げた手を降ろした



みこ「摩耶はここにいる全員を殺すつもり?」


摩耶「ッ…そうだよ…ザンビなんか生かしておけない…じゃなきゃ私達だってザンビになる…」


あんな悲劇…もう2度と起こしてはならない…




みこ「なら、先に私を殺してよ。」


ゆずき「みこ…⁉︎」

楓「え…?」


みこ「私、半分ザンビみたい。」


驚いた楓はゆずきの方を見る。


ゆずき「……」


だが、ゆずきの顔を見る限り本当にみこはザンビらしい…。



摩耶「…は…?なに言ってるの…?」



摩耶はみこの言葉に耳を疑った。




みこ「摩耶にずっと騙してた。私、摩耶に会う前からザンビに噛まれてたの」


摩耶「そんな冗談…やめてよ…」


みこ「私が上に引きこもってたのもザンビである事を隠すため…」



摩耶「嘘だよ!!…」


みこ「…。嘘じゃないよ。」


摩耶「……」


摩耶は楓やゆずき、みこの顔を見るが皆同じ顔をしていた




摩耶「なんなの…みんなして…」


楓「摩耶…あのね。私達は摩耶を騙そうとは思ってないよ。これは本当だから。」


摩耶「……」


楓「確かに黙ってたのは悪かったと思ってる。摩耶の事、信用しているからこそ言えなかったの…。」


摩耶「…」


楓「怖かったの…友達が失うのが…それが一番怖かった…」



ともだちを失う…か…



摩耶「ッ…」




スゥ…ガシャン…



摩耶は手に持っていた刀を離した。


その刀はゆっくりと地面へと落ちていった。






摩耶「私も…怖かった…」


楓「え?」


摩耶「もしも…杏奈に本当の事を離したら私の前からいなくなるんじゃないのかなって…」


杏奈の双子の姉を殺した事…

それを知った杏奈は私の事を恨むはず…

そしてきっと杏奈は私の前からいなくなると思った。



それくらい杏奈は姉のことが大好きだったから…


私も杏奈の事が大切だった…。




摩耶「楓達も…同じ気持ちだったんだね…ごめん」



摩耶はみんなの前で頭を下げた。


楓「摩耶…探そう?杏奈さんの事。きっとどこかにいるはず。会ってもう一度話そうよ?」


摩耶「…うん…」


けど、杏奈を探す手掛かりは一つもない




こんな状況でどうやって…









みこ「…それなら当てがあるよ?」


摩耶「えっ⁉︎」


みこ「摩耶が言ってる…杏奈?はたぶん私、見たことがある。」


摩耶「どこで⁉︎…杏奈は生きてるの⁉︎」


みこ「それはわからない。だって最後に会ったの摩耶をあの爆撃から助ける時だから」


ゆずき「爆撃…?じゃ…みこは杏奈とそこで会ってたの?」


みこ「いや、会ったというよりか見かけただけ。杏奈が外に出て軍事服を着た人達に保護されているのを見ただけ。」



みこは杏奈が学校から出た時、杏奈が学校を何度も見ていた


名残惜しいような…そんな顔をしていた



だから私は気になって学校の中へと入った



倒れていた警官が小さな声で「逃げろ…」と言った




その時、知った。



もうすぐここは爆撃されると…。



だけど、私は導かれるように走った。



辿り着いた先には倒れていた摩耶の姿があった




私は下の地下通路まで摩耶を担いだ。



今、学校の外へ出ても爆撃に直撃するだけ。



なら、学校の地下深くまで行けば生き残れる確率がある。…そう考えたんだ。



それに、これは偶然なんかじゃなかったんだね。



杏奈を見かけた時、杏奈は軍事服を着た人達に「摩耶を助けて…!!」と叫んでいた。

そして摩耶は気を失いながらも「…杏奈…」と言っていた。






摩耶「じゃ…杏奈は…生きてるかもしれないんだね…はぁ…よかった…」



だが、みこの顔は険しい


ゆずき「みこ?」


みこ「ううん…何んでもない。杏奈を探そう。安全なルートなら調べてあるから。」



みこがずっと引きこもっていたのも杏奈を助ける為でもあった。



みこ「それにはい。」


みこはゆずきや楓に銃を渡した。



ゆずき「こんなものどこで…」

楓「これって…本物なの?」


みこ「本物だよ。摩耶を助けた時に警備の人が持っていた物だよ。これは今後必要になると思うから。」




ゆずき「それってザンビに?」




みこ「違うよ。これから私達が戦うのは…政府や軍事組織だよ。」





この場にいる全員がみこの言葉を聞いて息を呑んだ。




私達が相手にしようとしているのはザンビよりも卑怯で愚か者な人間。






ザンビよりも厄介になるであろう…。



















         ー第3章完結ー