Vocal.Review IKUKO Jun.K「なぜ」

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Jun.K(2PM)アルバム「NO TIME」初回生産版B収録曲

 

残念ながら今のところ音源はない。ファンの方が、どなたか上げてくれるのを待つばかり、というところだろうか。

iTunesにアルバム「NO TIME」の第6曲目として僅かに視聴出来る。

 

Jun.Kの歌声は、艷やかな中音域が広がる。

僅かにハスキーな部分があるが、それほど気にならない。

この曲は、女性ヴォーカリストとのデュエット曲である。

デュエットしている女性歌手は、IKUKO。

今まで、数多くの歌手やグループのバックヴォーカルを担当してきた人である。

彼女の透明で明朗な響きの歌声が、Jun.kの歌声の艷やかさを引き立たせ、彼女の透明さと、彼の艷やかさとの対比によって、この曲が軽妙で、リズミカルに展開されていく。

彼女が歌うフレーズは、同じ響きで見事に統一されてリフレインされていく。

その為に、Jun.kは、自分の歌を自由に歌うことが出来る。即ち、彼女の安定した歌声によって、彼は自由自在にリズムを操ることが出来るのである。

 

デュエット曲というものは、デュエットする歌手の力量が非常に重要なものになる。

概して陥りやすいのは、デュエットする歌手が、あくまでも主になる歌手の歌に合わせようとする歌い方だ。その場合、調和、統一、という音楽が優先され、あくまでもデュエットする側の歌声は、添え物の域を脱しない場合が多い。

しかし、反対に、全く違ったタイプの歌声がデュエットする場合は、音楽の主張がそれぞれに生かされ、楽曲の広がりを感じる。

この曲が、そうであると言えるだろう。

Jun.kの歌、音楽に対して、IKUKOの歌、音楽は、単に沿った音楽を披露するのではなく、彼女の音楽と歌を主張することによって、相乗効果を生み出し、お互いの歌声、音楽を一層引き立てたものにしている。

 

Jun.kは、言わずもがな、2PMのアイドルであり、現在入隊中である。

かたや、IKUKOという人は、今まで、名前が大々的に出てはいない。今回の曲が、初の抜擢ということになるかもしれない。

しかし、実は、彼女は、業界的には、非常に有名なヴォーカリストでもある。

彼女の経歴は、以下の部分にある。

 

 

IKUKO TSUTSUMI

 
経歴を見ればわかるが、TWICE、E-girls、嵐、Luce Twinkle Winkなど、業界的には、絶大な信頼を得ているバックヴォーカリストである。
その彼女の初めてのデュエット曲と言えるのである。
 
バックヴォーカリストという職業は、目立たない職業であって、実は非常に重要な職業でもある。
楽曲の多くには、ソロの部分だけでなく、必ずコーラス部分が存在する。
そのコーラス部分を担うのがバックヴォーカリストという職業である。
これは、CDだけでなく、コンサートでも重要な役割を担う。
有名なアーティストは、大概、お気に入りのバックヴォーカリストを持っていて、楽曲の制作時、また、ライブツアーなどでは必ず使用する。
なぜ、彼らが、バックヴォーカリストを重用するかと言えば、楽曲の出来の善し悪しの鍵をバックヴォーカリストが握っていると言っても過言ではないからだ。
現代のように音の重なりをコンポーズされた楽曲が主流の流れの中では、とくに何層にも重ねられたヴォーカルサウンズを使用する場合が多い。それは、デジタルで作られた歌声を使用する場合もあるが、生身の歌声に叶うものではない。
その為、上手いヴォーカリストにコラボしてもらえるかどうかが、楽曲の運命を握るとも言える。
上手いバックヴォーカリストは、主になる歌声の長所を引き立て、短所をカバーする。安定したバックサウンドを奏でられることで、歌手は、非常に音楽を自由自在に扱いやすくなり、自分の音楽の世界を十分に表現出来ることになる。
 
優秀なバックヴォーカリストの条件は、音程、発音の正確さは、もちろんのこと、歌手によって、使用する歌声を変えることができるテクニック。即ち、多色な歌声を自由に操れるだけのテクニックを必要とされる。
自分のオリジナルの歌声はもちろんのこと、主となる歌声を引き立てる歌声を瞬時に判断してマッチさせていく感覚や、主のなる歌声のどのような変化やアレンジにもついていけるだけの歌手としての勘の良さを要求される。
 
そういう点で、彼女の場合は、数多くのバックヴォーカルで積み上げてきた経験に基づいた歌声と音楽の勘の良さを披露している。
 
細く非常に透明的な綺麗な響きの歌声は、ソロとして十分に魅力的な歌声であるということを今回の楽曲で認知されることになったのではないだろうか。
 
 

 

 

Ikuko Tsutsumi プロフィール 

熊本出身。火の国の女です。アーティストのコーラスや、フィーチャリングボーカル、ツアーコーラス、作詞などで活動中。

 

歌手を目指していた両親の影響で、幼少期より歌謡曲、演歌、洋楽が流れる環境であったものの、子供には音楽の仕事に就いてほしくないという両親の思いの下、音楽に関する習い事など一切無く、なるべく音楽に興味をもたないように育てられる。 そのせいか、人前で歌う事や演奏など、ものすごく苦手な幼少期を過ごす。

 

小学校を卒業するにあたり、音楽大好きな担任教師の鶴の一声で、自由曲で音楽の発表会が開催。それに伴い、当時流行っていた楽曲のピアノ演奏を独学で必死に練習し、音楽に興味を持ち始める。 中学では友達の影響で吹奏楽に入部し、トロンボーンを担当。 また、当時大好きだったアーティストのコンサートへ行った際、大きい会場で歌う姿に憧れを抱き、いつかは自分も誰かの前で歌を歌いたいと思うようになる。 そこからさまざまな音楽を聴くようになり、マライアキャリーの歌唱力に衝撃を受け、どっぷりハマる。

 

両親を説得し、福岡にある音楽の専門学校へ。 卒業後は地元熊本に戻り、ライブBarで毎月のアコースティックライブや、イベント、ラジオ出演などで活動した後、またも両親を説得し東京へ上京。 CMや、着うた、コーラス、コンピレーションCDなどでのメインヴォーカルで活動。

 

2010年には、YUKIコンサートツアーにBacking Vocalとして参加。その年のROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010にも、YUKIバックバンドメンバーで出演。 その後、アーティストへの歌詞提供、ボーカルレッスンなどを始め、現在も進行中。