研究員に給与のキックバックを要求していたとされる大阪大学大学院医学系研究科・医学部の元教授(64)の研究室で、今度は「カラ出張」が恒常的に行われていた疑いが浮上した。ありもしない出張をでっち上げ、公金である出張費をプールするという悪質な手口。背景には、出張費が事実上、研究室からの“言い値”で支出される大学側のずさんな管理システムも浮かび上がった。

 「来月出張費が振り込まれるからよろしく」

 カラ出張に協力させられたという中国籍の元特任研究員の20代男性によると、毎回、研究室の事務担当者などから事前に告げられた上で、昨年12月に1回、今年1月と2月に各2回、出張費の振り込みがあった。男性は入金のたびに銀行などで現金を引き出し、研究室で事務担当者に直接手渡したという。

 阪大によると、出張費を精算する際は通常、各研究室の申請を受けて、出張した教授ら教員や研究員らの口座に大学側が直接振り込むシステムになっている。精算方法は、大学が支出する予算の種類によって、出張を証明するために出張先で買い物をした領収証などの添付が必要な場合と、証明が一切不要なケースの2種類がある。

 だが、どちらの方法で申請するかは、教授や研究室がそれぞれ予算の範囲内で選択できるという。阪大の関係者は「まさに言い値がそのまままかり通る甘い仕組みだ」と指摘する。

 この点について、阪大は「申請する側の良識に基づいた制度といわれても仕方ない」と釈明。「不正申請は今まで聞いたことがない。今回の件が事実とすれば、新たな仕組みを作る必要がある」としている。

 一方、男性は高い医療技術や知識を学ぼうと、5年前に来日。日中、研究室で勉強した後、夜間は阪大に近い食品加工工場でアルバイトをしながら、母国より物価の高い日本での生活をやりくりしていた。

 もともと肝炎を患っており、来日後に病状が悪化。日本では薬が高額であるため購入できず、中国の実家から送ってもらって投薬治療を続ける日々だったという。だが今年4月、悔いを残しつつ帰国。「日本でもう少し勉強したかったけれど、日本での生活は苦しい」ことが理由だった。

 カラ出張や給与のキックバックについて「事務担当者に言われたので仕方なくやった」と男性。「まだ振り込まれていないのに、早く渡すように要求されたこともあった。そのときは、自分の金で立て替えたこともあった」と、沈んだ声で証言した。

【関連記事】
阪大キックバック受け 研究生「悩み続けた」
大阪大学医学部 研究室で給与をキックバック
佐賀県職員カラ出張・飲食費3億円、全額返還へ
JR西労組、自浄作用の役割どこへ
175万円出金の受領証発見 全精社協、政界工作常態化か

中四国、近畿、東海で梅雨入り=気象庁(時事通信)
口蹄疫、非常に危険な状態=農水相(時事通信)
口蹄疫 宮崎、日向も感染疑い 都城の牛3頭は「陽性」(産経新聞)
スズメが減っているって本当? (産経新聞)
<琵琶湖>生態系に変化 過去100年分、生物の遺骸を分析(毎日新聞)
 真っ白の砂浜に広がるエメラルドグリーンの海。青く晴れ渡った空からは、燦々(さんさん)と太陽の光が降り注ぐ。日本から南東へはるか5千キロ余り、太平洋の中心に位置するキリバス共和国。思わず息をのむ美しい海岸だが、よく見ると黒い“落とし物”が点々としていた。

  [フォト]小さな小さな環礁島に住んでみた キリバスから

 犬や猫のものではなかった。

 島の自動車整備士、タナシ・ワアドさん(27)は「海ですればそのまま流れていく。天然の水洗トイレのようなものさ。草むらでするより衛生的だよ」。なぜ、こんなことになっているのか。

 キリバスは、33の島がすべてサンゴ礁でできた島国。面積は日本の対馬とほぼ同じ800平方キロ、人口わずか10万人の小国だが、世界で唯一、東、西、南、北半球すべてにまたがっており、200カイリ排他的経済水域(EEZ)は3550平方キロと世界第3位。

 日本からの直行便はなく、成田からソウル、ナンディ(フィジー)と乗り継いで、首都タラワに着いたのは3日目だった。

 日本と同じ太平洋に位置しながら、なじみのない国だが、隣国ツバルとほぼ同じ状況にある島国といえばピンとくるかもしれない。そう、キリバスはツバルとともに地球温暖化、海面上昇による「沈む島」といわれているのだ。

 キリバスなど環礁島が沈むと言われ始めて20年がたつ。しかし、海岸線の浸食は温暖化だけが影響しているのか。

 太平洋諸島地域研究所の理事で大阪学院大学の小林泉教授は「さまざまな研究結果が出ていますが、あの海域で目立った海面の上昇はない、というのが多くの専門家の判断です。面積が減っているのは事実ですが、そもそも環礁島は脆弱(ぜいじゃく)で、多くの原因が複雑に絡み合っている」とし、こう続けた。

 「島の消失の原因は、温暖化による海岸浸食に加え、実は社会的な環境破壊も影響しているのです」

 太平洋の“田舎国”といわれるキリバスも近代化が進み、魚とイモ類が中心だった食生活は米や缶詰などの輸入品へ変わった。人口は都市に集中し、核家族化が進んだ。一方で、若くて優秀な人材は豪州やフィジーといった近隣国へ流出している。

 人口が増え、衣食のほとんどを外国産でまかなうようになると、ラグーンと呼ばれる環礁の内側の海域に輸入品の空き缶やペットボトルが山をつくるようになった。社会の激変で、あちこちにさまざまな矛盾が出てきている。

 海岸で見かけた“落とし物”も、以前なら人々は海に突き出た小屋で用を足していたため見られなかったものだ。外国から来た宣教師らから「不衛生だ」と指摘され、小屋は撤去されたという。

 日本から遠く離れた「沈む島」で今、何が起きているのだろう。小さな島国にしばらく住み込んで、人々の暮らしをのぞいてみる。(キリバス 今泉有美子)

【用語解説】キリバス

 1979年に英国から独立した。公用語はキリバス語と英語。主な宗教はキリスト教。日本との関係は良好で、タラワにある漁船員養成所では日本船で働くため日本語の授業が行われている。

【関連記事】
【地球人間模様】@キリバス 南の島の日本人
世界で最初に一日を迎える島が水没危機
世界初!iPhoneに皆既日食ライブ配信
子午線移して2兆円効果? 「早起きニッポン研究会」が提案へ
「はやぶさ」帰還へ

クールビズ閣議 批判の中「かりゆし」(毎日新聞)
不正請求などで訪問介護など2事業所の指定取り消し―三重(医療介護CBニュース)
<環境白書>閣議決定 環境技術で新たな成長(毎日新聞)
菅政権でも外交変わらぬ=北沢防衛相(時事通信)
赤松農水相の動画に非難殺到 にやけた表情で「早く殺せって言ってる」(J-CASTニュース)
 福岡県は27日、外郭団体などへの職員再就職に関する透明性を高めるため、再就職者の氏名や団体名などをホームページで公表すると発表した。28日に平成21年度分を掲載する。

 公表するのは(1)氏名(2)退職時職名(3)退職日(4)再就職先団体名、役職名(5)再就職日。20年度以前のデータは掲載されないが、22年度以降の分は来年度から順次公表していくという。県人事課は「個人情報保護審議会の答申を踏まえて公表を決めた」と説明している。

 福岡県では、県町村会職員による県幹部への接待問題で戒告処分を受け、3月末に退職した前商工部長(59)が県の斡旋(あっせん)で、県が出資する財団法人の専務理事に再就職していたことが発覚している。

【関連記事】
公益法人仕分け 省庁との癒着構造ただせ
事業仕分け 「廃止」連発 ギャラリー意識?
「宝くじ発売中止」を撤回 「廃止」は82事業中39事業
内田裕也さん、蓮舫氏に花束 仕分けを傍聴
庶民の夢は?仕分け人「天下り解決まで宝くじ販売停止を」
虐待が子供に与える「傷」とは?

県酒連が「泡盛百科」公開 銘柄情報を網羅
<障害者支援>つなぎ法案、議員立法で今国会成立へ(毎日新聞)
<著作権法違反容疑>福井新聞記者を逮捕 DVD複製販売(毎日新聞)
県酒連が「泡盛百科」公開 銘柄情報を網羅
日焼けするため?全裸で外出 公然わいせつ容疑で26歳男逮捕(産経新聞)