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Soulmate

汝、愛されたければこそ、愛せよ。

$Soulmate



山崎ハコの「歌いたいの」を聴きながら、

描いた作品。


歌詞を読むと、


歌を聞いてほしい。 でも、眠っていいよ。

ちゃんと聞いて。


踊りたいの、目をつむってていいよ。

見てないで一緒に踊って。


いったい、どっち? とおもいますね。

でも、女性ならではの、甘えがリアルに表現されていると思います。


女性に癒やしを求める男にとっては、

さけたいタイプかもしれませんね。


私は、こういう感じは好きです。

甘えられるほうが、癒される人だから。


気まぐれな天使、好きです。




山崎ハコ 「歌いたいの」


仏像が上下にかまえている姿がある。

与願印(よがいん)というそうです。

人々の願いを聞き入れ望むものを与えようとする身振りで、

深い慈悲を表わしています。


世の中、殺伐としています。

生きるのに精一杯の人、

病に苦しみながらも懸命に闘っている人、

他人に思いやりのなくなってしまっている人など

テレビのニュースや身近な話や存在にふれるうちに、

自分の無力さを感じます。


趣味の神社仏閣めぐりで

各地を訪れ、様々な願をかけるようにしています。


そんな中、仏像の慈悲深い様子に触れるうちに

自分自身、気持ちが癒されます。


ときおり、自分で仏像を彫ってみたいという気持ちになります。

思うものの、技術があるわけではない。


そこで、絵で表現できないかと思い、

今回の絵となりました。


仏像をベースとしていますが、

菩薩様であり、マリア様でもあり

自分の中の慈悲のイメージで描きました。


私のつたない画力で、

伝わるものが大したものではありませんが、

心ををこめて描きました。


観ていただいた方の感じ方は様々だとおもいます。

少しでも、心を和ませていただければ

幸いです。






「秋風」


みぞおちのあたりに

冷たい風がキュンと流れてくる。

キミののこり香であればええのに。







「Everything」


月夜は、逢瀬な夜。

MisiaのEverythingな夜。








「待ち合わせ」


女との街わせは+20分。

こいつ、違うやん。

惚れてもうた。







「ラーメン屋にて」


長い髪を指で耳にかきあげる。

ラーメンをすするキミ。

残り毛を唇ではむ。








「五感」


つまむ。

ふくむ。

はじけ、

口の中が満たされる。

葡萄のキミ。






「朝」


白んだ朝の繁華街は、

濁った夜を洗い流したようや。





「あとがき」

続けての変な詩集はいかがでしたか?

秋は人恋しく感じる季節。

短い文でドラマを書くのが

今の私にはしっくりきます。


イッショカミ大戦のラストは、

構想中です。

長らくお待たせしています。

次回をお楽しみに。




「右手か? 左手か?」


今度つなぐ手は、

右手がええやろか? 左手がええやろか?

右手でつなぐと、笑くぼがかわいい。

左手だつなぐと、うなじが色っぽい。

おもいきって、両手はどうやろか?

そしたら、そのままチューやな。







「かなわんな」


ギュッと抱きよせ、天を仰ぐ。

何でこの子は泣いているんや?

ワシの恋人でもないのになぁ。






「フレンチ キッス」


改札口で、抱きしめて、

チュっと一発やからした。

ここはパリやねん。







「しあわせ」


ふいに背中に体温を感じる。

卒業アルバムの、この子の笑顔は背中の君。

「無精髭が、痛いやろ?」って言うたら

よけいに頬をすりつけてきよった。







「痛いやん」


ブリブリ怒りながら、前を歩くキミ。

ワシの影の頭を蹴飛ばしよった。








「何カップ?」


彼女のおっぱいFカップ。

ワシのおっぱいBカップ。

スポーツブラは必要ですか?




<あとがき>

ひさしぶりに、変な詩集を書いてみました。

いかがでしたか?

日常にちょっとありそうな、男と女シーン。

幸せな瞬間は、なにげない所にあるかな?って思います。

実体験? それは秘密です。

次回をおたのしみ。




Type A


Type B



ファッションとしてのTattooが定着している。

衣服から見えるものが主流だが、

普段見せない身体の部分に彫ることも、見えないファッションとして魅力かもしれない。


見せないという点で、エロスも共通する部分もある。

Tattooとエロスの共有。

私は面白さを感じる。


普段、淑女としてエロスを感じない女性が、

意外にも見えない所にTattooを彫っていると、

自分にしか知ることのできない特別な想いを、感じることができるだろう。


文化的に拒否する空気もあるが、

いずれ、永遠に消えることのないファッションとして

歴史に残るかもしれない。







世の中、行き詰まり始めている。

世界同時不況、勝ち組負け組といわれる格差社会。

競いあって生き残ったものが、優れているという新自由主義というものに基づいた結果だ。


勝ち抜くためには何でもする、

無駄なものはカットして、効率よく物事を進めていく。

すべてがライバルだから、息を抜けない。

勝ち組と言われている人々も安心はできない、隙さえあれば足元を救おうと狙っているものがいる。

そういった社会にいると、人間関係も疲弊してしまう。 


教育現場もその影響が大きい。

いじめの問題も、単純にいじめる側といじめられる側と分けることができない。

昨日まで、いじめる側にいたものがいじめられる側へと入れ替わることもあるのだ。


こういう社会が進めば、最終的には何も残らない荒野が残るだけ。


現在はおそらく荒野の一歩手前だと思っている。

勝つか負けるかの二極化。


さて、どうすれば良いか?


ヒントになる言葉がある。

日本人宇宙飛行士 野口総一さんが

宇宙開発は無駄ではないのか? 続ける意味があるのか? という問いにこう応えている。


簡略してさせていただくが、わかりやすい例えになっている。


<3次元のアリ>

まっすぐに延びる線の上を、前後しか進めないアリが歩いていく。

1次元のアリ。

ある日、線の上に石が置かれ前へ進めなくなってしまった。

行き詰まって立ち往生。

このままでは、生きれなくなってしまう。

そこに前後左右に歩ける2次元のアリが現れる。


「石をよけてあるけばいい」

と2次元のアリが言った。

「今までのルールをやぶるわけにはいけない」

と1次元アリが言う。


「そんなこと誰が決めたの?」

といって2次元アリは石をよけて歩きだした。

「・・・・・」

1次元アリは2次元アリのあとに従って歩いた。

しばらくすると、

左右に永遠に延びる高い壁が前をふさいでしまった。

これには、2次元のアリも困ってしまう。

またもや危機が。


そこに壁をよじ登って声をかける3次元アリが現れた。

「よじ登ればいい」



これについて野口飛行士は言っている。

現在、地球上で起きている諸問題。

地球の上から見下し、別の視点で見ることで解決方法が見つかるかもしれない。


右か左かの2極から、

既成概念にとらわれない柔軟な3つ目の道が、必要だと感じる。


そのためには、人それぞれの幸せのあり方とは?という

ポリシーをもたないといけない。

ものすごいスピードで流れていく世の中、

流されない心。

意外と簡単な所から始まる。


<あとがき>

新しいシリーズ 「この世のカタチ」を始めることにしました。

私の作品作りには、今社会に起きていることや人の心の問題を織り込んでいます。

その中でいろいろ考えていることを

ストレートに書きたいと思いました。

あまり面白くないとは思いますが、お付き合いください。


他の作品も構想進行中です。

しばしお待ちください。







ある程度の年齢になると涙もろくなるという話。

私も例外ではなさそうだ。


先日、なにげなく観ていた名作アニメで、

子犬がオオカミに殺されてしまうシーンがあった。

その子犬が、昔つきあっていた女性に似ていたためか(本人に言うと怒られそうですが^^:)

そのシーンを観て、

胸が熱くなり涙があふれてしまったのだ。


たしかにかわいそうなシーンであるが、

その子犬というよりも、元彼女がそうなってしまったように感じて泣いた。

自分でも意外におもえる涙。


はた、と思い出した。

そういえば、彼女と別れる話が進んでいたときに聴いて泣いた曲があったっけ?


その歌が山崎ハコの「今日からは」。


この曲には泣かされた。

まるで彼女が当時の私に語りかけてくれてるような歌詞だったから。


私は歌詞にある「風をきる熱い胸 だけど木枯らしの背中」だったし

「いつだって笑ってくれる 悲しみは自分で押しやって」いた。


そして

「今日からうしろから 私がほほえむわ」で

涙がでてしまう。


あれからずいぶん経ったけれど、

今聴いても、泣いてしまった。




ご紹介した曲
山崎ハコ 「今日からは」

興味のある方はクリックして聴いてみてください。





 この Soulmate をはじめて1年が過ぎました。


1年前、様々なことで足を止めていた私。

何もかも失ってしまって何も残っていない感じていた私。


気がつきました。

私自身は残っている。

そんな時、Soulmate が生まれました。


小説、詩集、絵、コラム、

エロス、ギャグ、音楽といった、ジャンルたち。

これは、すべて私そのものです。


そして、小さいブログですが、

読者の皆様は私にとっての魂友です。


広い宇宙にあるたくさんの星々の中の一番星。

輝きを失わず、輝き続けます。


感謝とともに、

これからもご愛読よろしくお願いします。


ナル☆G


頼まれてもないのに、

いらぬおせっかいをする者を大阪弁で“イッチョカミ”という。

<あらすじ>

オカンとオトンの住む町に、謎の集団ビリケン団が現れた。

家族を救うべく、大阪万博公園のドーム施設にむかった

オカンとひょうたん橋商店街の口こみネットワークの6名。

ドームに潜入したが、ビリケン団に発見され

オカンたちは窮地にたった。

危機一髪。


<エピソード3 ビバ! ルナパーク>


AM2:27


大阪万博公園内にある日本庭園の竹林。

横たわる3名。


「かーさん、かーさん」

「んん、なんや。生ゴミは月曜や」


埃だらけのオカンが目をさました。


「あ・あんた」


なぜか、オトンがいる。


「はい、ヤクルト。便秘ぎみやろ?」


渡されたヤクルトを呑みほしたオカン。

「ペコッ」

いっきに呑みすぎために、へこんだヤクルトの容器が戻った。


「はっ。マコトはどないした?」

「マコトは心配いらん、部下が救出にむかった」

「部下って? 飲んべえの林はんか?」

「ああ、いや。警察の皆さんが助けにいってくれはった」


心配そうに口こみネットワークの連中が、顔を寄せ合っている。


「あとは、ワシにまかせて神戸の病院に行ってや」

「いやや」

「なんで? 行ってもらわな困る・・」


「ビリケンなんとかって連中、ゆるせんもんがある

大阪はアホやないとあかん。カシコ(かしこい人)になったらあかんのや」

口こみネットワークの連中も、口々に賛同している。


「大阪はウチらが取り戻す。イッチョカミや」

「おう!」



AM 2:32


日本国、テロ対策室。

野間首相を筆頭に、防衛大臣や警視総監などそうそうたるメンバーが詰め寄っていた。

モニターを凝視している。


「ビリケン団。彼らはふざけた名前をしておりますが、

実は、結成も古く近代に日本において多大な影響を与えていた集団です。」


公安特殊テロ対策室長が説明をはじめた。


「彼らの結成した時期は、明治36年にさかのぼります」

「明治?」


場内がざわめく。


「大阪の浪花区にある新世界。通天閣で有名ですが

明治36年、内国勧業博覧会という当時の技術の水位をあつめた博覧会が開かれました」


「明治45年 初代通天閣が建てられ、遊園地や動物園が設けられ

ルナパークという名の娯楽施設が開園しました」


当時の様子を再現した模型が映し出されている。

通天閣に似たタワーを中心に、万国の旗が吊るされ賑やかな様子。


「それが、何か関係あるのかね?」

「はい、ビリケン団の組織にいる人物は、

博覧会の時に集まった当時の日本科学者の一部です」


場内がふたたびざわめく。


「そして、彼らを裏で操っている首謀者が

明治維新のあと、首都を大阪にと勧めていた財界や政治家たちのようです」


野間総理は、ペンを口元で揺らしながら眉間にしわをよせて聞いている。


「大阪を首都へという執念のもと、

裏世界へと移行し、

独自の科学研究をひそかに行っていたと思われます。

日本の経済も裏で操り、景気動向にも影響をあたえていたと言われています。

大正時代に「大大阪」といわれ、

首都東京を上回る都市となったのも、彼らの尽力によるもののようです」


野間総理が口を開く。


「なるほど、ビリケン団。

経緯はどうであれ、テロ行為には間違いありません。

すみやかに鎮圧に力を注いでいただきたい」


「はい、すでに公安の内偵と警察、自衛隊が行動をはじめております

アメリカ軍への協力も要請済みです」


守山防衛大臣が応えた。



AM 3;08


大阪上空。オスプレイ機内。


「この乗り物が、噂のレスプレイかいな」

「ウチ、そっちの趣味あらへんわん。やらしー」

オカンと徹子はんがおちゃらける。

「アホ、こんなときに下ネタやめとき!」


とリーダー森田部長がツッコミを入れる。

落下傘装備をした、自衛隊員に抱きかかえられている口コミネットワーク達。

民間人が最前線へ出るというのは、

異例なことだが万博公園の活躍と、

がんとして言うことをきかないオカン達に根負けしたためだ。


「通天閣上空に到達しました」


緊張感がはしる。


「出ます」


オスプレイから、次々とオカンたちをかかえた自衛隊員が落ちていく。

パラシュートが開き、通天閣上空の飛行物体に降り立った。

地上には、通天閣を中心に光り輝く街がいつのまにかできていた。

「真ルナパーク」という文字が、通天閣に輝いている。

パラシュート舞台が静かに飛行物体の上部に降り立つ。


通天閣の鉄骨に、黒い人影がひとつふたつ。

外部点検ドアが開き、人影が消えた。


通天閣の展望室。

首領の部屋となっていた。

たくさんのモニターに、大阪府内の各拠点の様子が映し出されていた。

周りにくいだおれ人形風メタルロボに警備されている。

ビリケンマスクの首領が、椅子に座り満足そうに部下に話じかける。

立ち上がり、ビリケン人形の足をさすりだす。


「現在のビリケン人形は三代目。

初代のビリケンさんが行方不明だと言われているらしいが、

こんな所にあるとは、誰も思うまい

ビバ! ルナパーク わはは」

「大大阪国。長年の願いが叶いましたね」

「うむ。いずれ世界の中心国としてお披露目することになるだろう」


柱から黒い影が動く。

「カタッ」

小さい音がした。

メタルロボが一斉に戦闘モードに変形した。

音がしたほうに、オレンジのビームが光る。

「シャッ、シャッ」

転がり出た人影が、数人。

すばやくレーザーをよけながら、首領へと近づいてきた。

人影にスポットがあたった。


すくっと立った男が、紙を広げて首領へ向けた。

オトンである。


「公安だ。国家侵略及び破壊により逮捕する」

「ほう、意外と早い到着ですな。

公安の皆様。大大阪国の国家法により、極刑といたします」


オトンと数人の特殊部隊へ、メタルロボたちが攻撃しはじめた。

ゴロンと動きを早めながら、オトンたちは闘う。

「ドッ、ドッ」

オトンがロボにむけて、特殊金属を貫通させる銃を打つ。

ロボの急所を狙って打ち込んでいるので

一発で停止させてしまう。


「ビリケン団首領。おとなしくお縄につきなさい」

「わはは、面白い見世物ですね。がんばってくださいね」

メタルロボが、次から次へとオトンたちを襲いかかる。

じりじりと囲まれていく。

防弾チョッキから、何かを取り出した。

「ピカッ」

カメラのフラッシュの数倍の光が、展望室全体を覆った。

展望室のガラスが割れ、次から次へと戦闘服の連中がなだれ込む。

すばやく首領のいた場所へ走りこむオトン。

首領が消えていた。


「むっ、どこへ逃げた?」


サングラスの奥の目が鋭くなった。

<エピソード4 大阪はウチらのもん>へつづく


<あとがき>

少しハードな展開、いかがでしたでしょうか。

ビリケン団設立に出てきたルナパークや大大阪の話は、

事実です。

裏組織や法律名は、適当に作りましたので

当然、フィクションです。

いよいよラスト、オカンと口こみネットワーク達も大暴れします。

お楽しみに。
$ソウルメイト


頼まれてもないのに、

いらぬおせっかいをする者を大阪弁で“イッチョカミ”という。


<あらすじ>

オカンとオトンの住む町に、謎の集団ビリケン団が現れた。

大阪府民を拉致しだした。真大阪人に生まれかわらせるという。

オカンとオトンの息子も拉致された。

オカンはひとり息子を救出すべく、チャリンコで滑走しはじめた。



<エピソード1>はこちら


<エピソード2 口コミネットワーク集結>


PM.21:45


大阪中之島。


市庁舎は、ビリケン団に占拠されていた。


上空には、謎の飛行物体が浮いている。



「拉致した大阪府民は、人口は何パーセントだ?」


テレビに映っていた首領らしき男が、部下に聞いた。


「はっ、30%超というところでしょうか」


「うむ、あとは逃亡者や隠れているものは洗脳ビーム処理だ」


「わかりました。首領」


筋肉男のホノボノした拉致活動から、事態は一変した。


くいだおれ人形に似たメタルロボの頭部から、洗脳ビームが発射される。


ビームを浴びた人々は、


次々と呆然と立ち尽くしたまま、ノロノロと同じ方向へ歩きだした。



そんな中でも、川べりには野次馬とそれを見越した祭りの屋台が並んでいる。


「おー、今度はビームかいな。わはは」


他人事のように言った男もビームを浴び歩きだした。


賑やかな大阪の主要な場所は、夢遊病のように歩く人々で埋めつくされた。



PM.21:50



ひょうたん橋商店街。


シャッターの閉まった商店街を、オカンがチャリンコで滑走している。


ここにも、ゆらゆら歩く人々がいる。


洗脳ビームが、緑色の閃光を放ちながらあちこちを照らす。


オカンは、チャリンコでかわしながら走る。


「ピヨロロロー」


オカンの携帯の音。


斜めに倒しながら、魚屋の路地に滑り込んだ。


「もしもし、あー徹子はん。無事でしたんか」


壁に手をつきながらしゃべりだす。


「特売日、いつでしたかいな? うんうん、きゅうりが半額!

行かなあきまへんな。ん? それどころやない?

あーそうやった。息子が拉致られましてな」


緊張感のない会話。


「ほー、おたくの旦那も拉致されたんか。

どっかの茶店で落ち合いましょか?

閉まってる? そらそうですな」


オカンは身体を動かしながら

緑の洗脳ビームを微妙によけている。


「拉致られた連中は、万博公園におる?

口こみ情報かいな」


こんな時も、オカンたちの口コミ情報網が活用されている。



「よっこらしょ。こんなに走るの特売日のハシゴした以来やな」



ふたたび、ちゃりんこで滑走しはじめた。


「マコトー! まっときー」



PM.23:15


大阪万博公園。

夜空に太陽の塔のシルエットが浮かび上がっている。


公園内にある民俗学博物館にライトがあたり、

まわりには、筋肉質のスキンヘッドたちが警備している。


元あった民博の建物にドーム状の施設。


自衛隊の兵器が並んでいるものの、人気がない。

うるさいほど飛んでいたヘリコプターや戦闘機の音もない。


ドーム内部には、たくさんの奇妙な椅子が並び人々が座る。

頭には、三角帽子がかぶせられている。

内部は白で統一され、シュールな光景。


巨大スクリーンに首領が映し出された。


「まいど! 真大阪人の皆様。あなた方はエリートとして生まれ変わりました。」


拍手の渦。

その中に、オカンの息子マコトもいる。


「エリートの諸君! 今後あなた方は真大阪人国家「大大阪国」の枢軸として

働いていただきます」


ふたたび、拍手の渦。


「あなた方には、合理的かつ無駄のない仕事を行えるよう

一般人の100倍の計算力と、24時間働いても疲れない処理をほどこしました。

不眠不休でも平気な身体です」


スクリーンに、両足をなげだしつり目の独特な顔の像、ビリケンさんが映し出された。


「大大阪国、開国です」


長くつづく拍手がドーム内に響きわたった。



PM.23:27



太陽の塔のふもと。


7つの影が並んでいる。


ナンバー001 身長が一番低い、玉ねぎヘアーの女 バーゲン情報屋「徹子はん」

ナンバー002 くびれのない寸胴、中華鍋におたまを持つ女 中華マイスター「オリバー」

ナンバー003 自称ひょうたん橋商店街の美魔女 オシャレ番長「お蝶」

ナンバー004 柔道4段、国体優勝経験を持つ 怪力コロッケ販売員「岩田はん」

ナンバー005 和服にたすきがけおだやかな笑顔だが全国暗算優勝経験者 着付講師「お玉」

ナンバー006 ひょうたん橋商店街販売推進本部長 紅一点リーダー「森田のおっさん」

ナンバー007 我ヒロイン、豹柄ワンピース ちゃりんこスピードスター「さゆり」


太陽の塔をバックに、横並びに並んでいる。

ひょうたん橋商店街の口コミネットワーク達だ。


「ほな、行こうか」


Gメン`75のように、横並びでゆっくりドームへ歩きだした。


気がついたマッチョ軍団が拉致しようと駆け寄ってくる。

口コミネットワークは、四方に散った。


早速、怪力自慢の岩田はんがマッチョの男と組み合っている。


「にーちゃん、こんなもんやないで」


筋肉男がひとりふたりと、投げ飛ばされ、ねじ伏せられていく。


事前に用意していたのか中華鍋で、チャーハンを大量に炒めている。

中華マイスターオリバーだ。

おたまですくい上げると、ひょいとチャーハンを飛ばす。

マッチョ達のスキンヘッドに直撃。


「あちちち」


熱さでのたうちまわっている。

オリバーは、おもむろに近づくと

スキンヘッドの赤くなった頭にウスターソースをかけた。


「あちちちち、しみるー」

「チャーハンにはソース。これが大阪流や」


和服のお玉は、薙刀(なぎなた)を静かに構えている。

拉致しようとするマッチョ男数人がにじり寄る。


「シャキン」


薙刀が、大きく一閃。

それぞれのすねが切れた。


マッチョ達がひっくり返る。

すかさず縄で縛り上げた。さすが着付けのお師匠さん。


「ほほほ、うちをなめたらあけまへんで」


和服には、金刺繍で縫い込まれた昇龍が輝いていた。



場違いの女。

深紅のボディコンスタイル、羽根センスを持ちしゃなりしゃなりと歩いている。

バブルの時代を彷彿させる。


マッチョ男達が、手をこまねいて周りを囲んでいる。

チラリ、スカートをたくし上げた。

マッチョ達の目線が一点に。

女の動きが舞うように足をあげる。

股間にハイヒールが食い込む。


「ぐほっ」


次から次へとじゃがみこむマッチョ達。

股間をおさえながらピョンピョン飛んでる者もいる。


「はー、血がたぎるわぁー集会以来やわ」


オシャレ番長 お蝶、元ヤンキーレディースの総長である。



メンバーの活躍により、ドームへ道が出来た。

そこに、うなりをあげるよに走るチャリンコ2台。


「徹子はん、どこから入れる?」

「そやな、口コミによると日本庭園側からやと侵入可能や」

「ほな、フルスピードで行くでー」


我ヒロイン オカンが先頭できってぶっちぎる。


「さゆりはーん、ちょっと待ってや。老体にはこたえるわ」

「森田部長、しっかりしなはれ」


チャリンコの後ろに座ってる徹子はんが、背中をたたく。

リーダーの森田のおっちゃんも必死にチャリンコをこいでいた。

滝のような汗をかいている。


日本庭園は目の前だ。



AM.1:12



「何? わけのわらない連中がドームにむかっている?」


通天閣上空の飛行物体にいる首領が言った。


「はい、洗脳ビームからのがれた連中のようです」

「マッチョの連中は何をしとるんだ?」

「はぁ、次から次へと倒されているようです」


椅子に座り、組んだ足が小刻みに動く。


「日本国の特殊部隊かもしれんな。ロボを戦闘モードに切り替え駆除しろ」

「はっ、わかりました」


万博公園のドーム内にある格納庫。

くいだおれ人形に似たメタルロボットがある。


「ギュイーン、ギュイーン」


三角頭から2つの光がはなたれ、

両足両手がニョキリと出てきた。


腹部の窓が開き筒のようなものが伸びる。

戦車の砲塔に見える。


ものすごいスピードで動き出した。




ドーム内の天井にある空気ダストの中に3人が潜り込んでいた。


「ここ、ホンマ狭いなー。ダイエットせな通られへん」

「ちょっと、部長はん。急に止まらんどいてください。

お尻が顔面に直撃ですやん」

「徹子はん。一番小さいんやから先頭にしたらええやん」

「シーッ、静かにしなはれ。見つかりまっせ

ほんまダイハードも辛いわ」

「あんたが一番うるさいわ」


ツッコミが入る。


「バリバリバリ」


空気ダクトから墜落してしまった。


「イタタタタ」


何もない柱だらけの広間だった。


「静かやな、こんなんやったらあんな狭いとこ行かんでもよかった」

「シーッ、なんか音がしてきた」


バッバッバッと壁が開いていく。

戦闘モードに囲まれていた。


「吉長さゆりさん、黒山木徹子さん、森田一郎さん ようこそ」


ビリケンマスクをかぶった小柄な男が立っていた。


「ご家族を探しにこられたのでしょ?

早くおっしゃっていただければ、会わせてあげますのに」


3人の家族が前に出された。

家族たちの顔は、普段とは違っている。

うすら笑いで、目が一点方向にしか見ていない。


「マコト。帰るで」

「お母さん。私は大大阪国の国民です。ここが私の家」

「なんやマコト。いつのまにカシコ(かしこい人)になったんや?」


オカンは、懐から取り出し息子に渡そうと前に出た。


「マコト、飴ちゃん食べ、ミルキーや」


その瞬間、オカンの足元に弾がはじけた。

オカンは回転レシーブのように転げて

柱へ隠れた。

昔、バレーボールで鍛えたことが今活きたのだ。


残りの2人も、すかさず柱に移動した。


ダダダダダ。

ロボから銃弾が大量に放たれた。

柱が崩れ、埃が舞って真っ白になった。


「ギャー」


天井が崩れた。


キラリ、メガネが光る。

崩れそうになった瞬間、柱に走り始めた人影。


オカンたち危機一髪。


<エピソード3 ビバ! ルナパークへつづく>




<あとがき>

大変お待たせしました。

楽しんでいただけたでしょうか?


やや、ギャグ少なめですが

アラフォー世代にはニヤリとしていただけたと思います。


オカンたちの行く末は?

ビリケン団の正体は? 次回、明らかになります。

お楽しみに。




<うちのオカンとオカンシリーズ>

$ソウルメイト<うちのオカンとオトン 一話>