僕は、その数年の内に悪党へと完全に姿を変えた
『金と暴力』の人が倒れたと聞き、都内を見渡せる、あのビルに向かった
その人のチカラの加護の下、僕はやりたい放題だった
戦っているふりをして生きていた
真面目に生きようとする考え方を耳にするだけで嫌悪感が走った
懐は、他人の涙で濡れた金が溢れていた
やはり目に映らない物には見向きもしない様になっていた
その人は、布団から天井を見る顔は、何か考えている様だった
横に中学生になったばかりの娘が座っていた
お父さん、食べないと元気にならないよ
何か食べたい物があったら言ってみて
僕は何気なく聞いていた
するとその人は
言ったんだ
スイカ… 大きなスイカが食べたい
真冬の事だった…
スイカ…なんて
僕は、横から無理だと言おうとした
真冬にスイカを探すなんて、馬鹿げてる
でも、少女は
分かった
なんて言い笑ったんだ
少し嬉しそうに部屋を出て行った
それを見送り僕は思ったんだ
この人が真冬の中で母の病院を探す様にあの子は歩き回るのかと
もう一度その人を見ると
やはり天井を見続けていた
続く