ストロングスタイル②⑧-15 | ひとつ前のかどはさよならサヨナラ
僕は、その数年の内に悪党へと完全に姿を変えた

『金と暴力』の人が倒れたと聞き、都内を見渡せる、あのビルに向かった

その人のチカラの加護の下、僕はやりたい放題だった

戦っているふりをして生きていた

真面目に生きようとする考え方を耳にするだけで嫌悪感が走った

懐は、他人の涙で濡れた金が溢れていた

やはり目に映らない物には見向きもしない様になっていた

その人は、布団から天井を見る顔は、何か考えている様だった

横に中学生になったばかりの娘が座っていた

お父さん、食べないと元気にならないよ
何か食べたい物があったら言ってみて

僕は何気なく聞いていた

するとその人は
言ったんだ




スイカ… 大きなスイカが食べたい


真冬の事だった…


スイカ…なんて

僕は、横から無理だと言おうとした

真冬にスイカを探すなんて、馬鹿げてる
でも、少女は

分かった

なんて言い笑ったんだ

少し嬉しそうに部屋を出て行った
それを見送り僕は思ったんだ
この人が真冬の中で母の病院を探す様にあの子は歩き回るのかと

もう一度その人を見ると

やはり天井を見続けていた

続く