今日は出演者にしか分からない部分について書こうと思います。

かなり突っ込んだ内容です。

ですが、ここ何日間か数百人規模でこのブログの閲覧者が増えているのですが、おそらく、そういった部分を知りたい人も多いのではないでしょうか。

まず、今回僕は風見しんごさんの功績や魅力やエピソードについてをしんごさんご本人を前にして語らせていただくという役で出演させていただいたわけですが、この番組に重要な役割を常に果たしているお二人、MCの今田耕司さんとアシスタントの指原莉乃さんに関する話を抜きにして、この「風見しんごさんと夢の共演」シリーズを終わらせるわけにはいきません。

そういうわけで、今回の記事ではMCの今田耕司さんにスポットライトを当てて語らせていただきます。

テレビでは見えない、現場でしか知り得ない部分について話します。

 

オンエアーはされていませんが、収録が開始すると、トークの冒頭から今田さんはしんごさんのエピソードを語られました。

まだ吉本で新人だった頃、たまたま、しんごさんと番組で共演することになり、しんごさんが新人の今田さんに対して深々と頭を下げて挨拶に来られたそうです。しんごさんの方から。

既に大スターだったしんごさんが新人だった今田さんに深々と頭を下げるものですから、当然今田さんは慌てました。

「やめてくださいよ~そんな~!」と。

すると、しんごさんは「自分は芸人の方々を尊敬していますから!自分には芸がありませんから。」と言って、常に低姿勢で謙虚な姿勢を崩さなかったそうです。

爆笑問題の太田さんも同様の経験をされたようで、今でも太田さんは風見しんごさんを尊敬している芸能人としても有名ですよね。

しんごさんが多くの同業者の方から尊敬の眼差しを受けているのは、僕もテレビを観ていても分かります。

それは芸能人に限らずテレビ局や番組制作スタッフの方々も同じで、やはり、しんごさんに良い印象を抱いていると思います。

しんごさんが出演されると視聴率が上がるそうですが、それも同じで、老若男女誰からも良い印象を持たれているのではないでしょうか。

我が家でも独裁者のような親父がリモコンを片手にテレビのチャンネルを落ち着きなくパチクリ変えていると、偶然しんごさんが出ているのを目にして、「お!風見しんごだ!」と持っていたリモコンを置き、その番組を観ている、といった場面をたびたび目にしました。

 

今田耕司さんも風見しんごさんを尊敬するファンであろうことはトークの冒頭からも容易に想像がつきました。

かつて別番組でも共演されていましたし。しんごさんは先輩であり、当時ブレイクダンスで一世風靡した大スターですから。

今田さんもここぞとばかりに、しんごさんに関する知識やエピソードを出してくるだろう。

でも、それはそれで面白いだろうと思いました。

これまで何度も共演したからこそ知りえる㊙エピソードだってあるでしょうし、視聴者も知りたいはず。

脱線による流れの修正は指原姉さんが何とかしてくれることを信じて。

たしかに番組のコンセプトはファンが芸能人の魅力を伝えることですが、レギュラーMCの今田さんが偶然その芸能人のファンであるというイレギュラーな展開も十分考えられるわけだし、となれば面白おかしく喋るのが仕事の方ですから当然喋りまくるはず。

でも、それはそれで僕らが臨機応変に合わせれば面白くなるんじゃないかな、とも思いました。

番組製作側にしてみたら、この本番までに情報収集やその日の番組の構成等を時間をかけて準備したわけですから、30分という短い枠の中で出来る限り準備したネタを詰め込みたいという思いもあることでしょう。

ただ事前に準備したことの何パーセントしか出せない、という場面はモノづくりに限らず、人生のあらゆる場面で当たり前のように起きます。

僕らは「練習で125%、本番で75%出せれば御の字」とよく言います。

これはステージに限らず、人生のあらゆる場面で共通することだと思っています。

製作側のプロとしての拘りもあるでしょうし、今田耕司さんも喋りのプロとしての拘りがあるでしょう。

お互い譲り合いながら、共通目標を設定し、ベストを目指すのが1番だと思います。

そのためには事前によく話し合ってお互いが妥協ではなく、お互いの意見を尊重しつつ、譲り合う形で合意しなければいけません。

そして、よく段取りを話し合い、確認しながら最終的な構成、台本、カンペ等を作成する必要があると思います。

ですが、そのためには時間が必要です。

 

本番中、現場にいる全員から真剣さが伝わってきました。

みんなが一生懸命であることをあの場にいるとビシビシ感じるのです。

番組制作スタッフの気持ち

カメラマンたちの気持ち

演者の気持ち

みんなが真剣勝負しているのです。

今田さんの隣にいて、凄く感じた事ですが、今田さんは面白おかしく機関銃のように喋っていますけど、その今田さんから放たれる本気オーラと言うかパワーには圧倒されるものがあります。

よく「笑われるのではなく、笑わせろ」というフレーズを聞きますが、まさに言葉の通りです。

真剣に面白おかしく話しているのです。

もちろん僕らは今田さんに完全に圧倒されてしまっては、言うべきネタは出せなくなってしまうので、常に言い出すタイミングは見計らっているわけですが。

今田さんの隣にいると、そういうプロ意識がもろに感じられるのです。

 

カンペを構えるスタッフは二人いて、僕ら出演者の左前方(今田さんの手前)には僕ら用のカンペがあり、間にモニターを挟んで右前方(指原さんの手前)には、今田さんのカンペがあります。

台本に詰め込んだ内容を出来る限り順序良く話題に出してもらうようにカンペでトークを誘導しようとしているわけですが、今田さんは喋りに夢中でカンペを見ません。

敢えて見ないと言ったほうがよいかもしれません。

まあ、当たり前と言ったら当たり前なわけですが、カンペばかり気にする司会進行だったら視聴者からの印象も評価も下がります。

すぐバレますので。(アイツ、仕事真面目にやってるのか?準備してないのか?カンペ見なきゃトークも司会進行もできないのか?)と思われてしまいます。

これは僕ら教員の仕事も同じです。

公開授業の時や管理職による授業観察などの時は指導案(この番組で言う台本みたいなもの。さらに細かくしたバージョン)を作成して、授業観察者に渡しますが、それを気にして計画通り進めるなんてことはしません。

生徒と生のコミュニケーションを取りながら臨機応変に進めていくのです。

指導予定時間10分の箇所を15分になったり、生徒の理解状態や知識によっては指導案に書かれていない学習内容、たとえば中学校の時に習った単元をもう一度教えたり。

そうやってライブで臨機応変に対応するからこそ、まともな授業になるのです。

これを(管理職が見てるから指導案に記載された通り、今日教えるべき内容はなんとか終わらせなきゃ、時間配分に気を付けなきゃ、そうそう時計を手元に置こう、あ!タイマー機能使えばいっか!)といった感じで若い先生方はやりがちです。予定通りに進まないと不安に陥るのでしょう。ですが、それでは生徒の理解能力、学習内容の定着度がおざなりになってしまいます。

指導案に書かれたコンテンツをなんとかこなそうと必死になるあまり、目の前の生徒が見えていないのです。

これでは生徒は置き去りです。

教員の自己満足でしかありません。

僕は今田さんを見ながら、今田さんを「教師」に、そしてカンペや台本を「指導案」に、さらに視聴者を「生徒」に置き換えて観察していました。

そうすると今田さんはどういう教員像になるのか?

おそらく、授業は面白くて、でも脱線が多く、テスト前にテスト範囲を終わらせられない結果、テスト範囲を狭くする事態となり、生徒は大喜び、でも授業進度を他クラスと比較して不満を感じる生徒もいたり、でも基本的には大人気の先生、といった感じでしょうか?

各先生方が放課後に自由選択の補習を開くとすれば、今田先生のところに多くの生徒が集まるでしょう。

そして今田先生を司会、生徒を視聴者に戻すと、講座に集まる生徒の数は視聴率といったところでしょうか。(この番組の場合、今田さんだけでなく、指原さん、ゲストの方、そのゲストの方に関するエピソード、を目当てに視聴者は集まるわけですが。)

そんなことを思いました。

ただ、授業と異なるのは、授業の場合、その日やろうとした範囲が終わらなくても次があります。

しかし、番組の場合、マンガやドラマと違って「つづく」がありません。

30分1本勝負なのです。

「風見しんご特集」はこの1本しかないのです。

しかも30分という50分授業より短い時間だからこそ、目一杯ネタを詰め込んで充実した内容の物を視聴者に届けたい。

これはスタッフも僕らも同じ気持ちでした。

 

僕のやるべき仕事、

それは、しんごさんの魅力やエピソードを伝える事。

この準備にかなりの時間をかけてきたわけです。

僕らもFさんたちも。

しかし、不自然な形で話を遮るのだけは避けたい。

話しの流れでカンペに書かれた話題に近づいたところで、話を切り出す。

何だか子供の頃、自然の川に生息する魚を手づかみで捕まえていた時の感覚に似ていますね。

(静かに!ほらきたきたきた!今だ!)みたいな。

絶妙なタイミングで瞬時に獲物を捕まえる感覚。

でも今田さんは喩えるなら流れの速い急流の川です。

川の流れが、つまりトークですね。

絶え間なく流れる急流の川の流れなんです。

ここですばしっこいニジマスを捕まえるのは容易ではありません。

カンペを構えるスタッフはバケツを持って「父ちゃん、早く捕まえてよお!」と魚をとってもらうのを待っている息子

そして、僕は獲物を捕まえようと泳ぎまわる魚に対し、必死に狙いを定めるお父さん。

「待ってろよ~。今捕まえてやるからな~。獲ったら塩焼きにして喰おうな~。」と言いながら焦っている。

 

カンペを構える製作スタッフの困った顔。

カンペを一切見ず、機関銃のように喋り続ける今田さん。

カンペを見ることを忘れているわけでもないでしょう。

敢えて見ないのかもしれません。

僕らが指導案に捉われないのと同じように。

今田さんは今田さんなりに喋りのプロとしての拘りがあるのでしょう。

製作側のプロ意識と今田さんのプロ意識の戦いを観ているようでした。

お互い仲良くベストを目指したチームプレーが理想の形ではあるのでしょうけども。

僕は収録後Fさんから「話題に出して欲しい内容を入れられなかった。やっぱり圧倒されちゃいました?」と言われました。

今田さんのトークはたしかに圧倒するものがありますが、圧倒されて言い出すタイミングを逸したわけではないのです。

いくら「素人が主役です」と謳う番組であっても、その道何十年のベテランの司会者のトークを遮るわけにはいかなかったのです。

もし、途中で話を遮って別の話題を切り出したら、おそらく僕が切り出す話を自然に入れるためにそれまで今田さんが話していたトークの大部分がカットされてしまうでしょう。

それを幾度となく繰り返せば、おしゃべりな今田さんが黙り込んで妙な空気になると思います。

ファンが出しゃばりすぎてしまうと、同じファンが見れば痛快かもしれませんが、そうでない視聴者が見たら「あれはちょっとやり過ぎじゃない?」とひんしゅくを買ってしまいます。

今回の番組のオンエアー後の視聴者の反応を見ると、ファンではない人も「私も風見しんごのファンになった!」といった声もたくさんありました。高校生ぐらいの若い層からもしんごさんの支持率が上がっているぐらいです。

番組そのものに対する反響も良い物ばかりで「見ていて温かい気持ちになる」「誰も傷つかない良番組」「毎回泣いてしまう」といった高い評価がたくさんありました。

僕は出したい内容は70%しか出せなかったとしても、あれはあれで大成功だったと思います。

更に放送翌日にはギャラクシー賞受賞で大、大、大万歳じゃないですか。

 

トーク番組に限らず、どんなトークイベントでもそうですが、出演者の話がダラダラと長引いた時に話を遮ったり、話が脱線した時に修正したり、本題を切り出すのは本来、司会者やMCの役目だと思うのです。

僕は僕らファンにしか知りえないような、しんごさんの魅力であったり、エピソードを語るのが仕事であって、トークを生業として生きて来たプロのMCのトークを遮る権限は無いと考えています。

敢えてトークの流れに乗りながら、出来る限り自然な感じで切り出せる話題は出してきたつもりです。

常に今田さんの目線と二つのカンペに目を配りながら。

もし、カンペで今田さんを誘導しようとしてもできないのなら、アシスタントで入っている指原さんにしか直接声に出して誘導することはできないのです。

ファンが強気に出しゃばりすぎてMCの今田さんの存在が小さくなってしまうような事は避けたかったのです。

やっぱり自然なトークの流れこそが、目に見える良好なコミュニケーションであり、それが成立しているからこそ視聴者は安心して観ていられると思うのです。この番組はそういう安心感も一つの売りだと思うのです。

純粋にファンと芸能人の垣根を超えた絆を見られる番組。

誰も傷つかない温かい気持ちになれる番組。

それが僕の中での「いまだにファンです!」なのです。