混んでる駅なんかで電車を待っていると、横を通る人はどこかに割り込まないと通れない。


 こういった横を通る人たちは、絶対にヌレネズミのの前を割り込んで抜けてゆく気がする。いや、絶対そうだ。

誰かを犠牲にしなければならないとき、ヌレネズミは真っ先に犠牲にされるのではないかと日々感じて怒りに震えている。


 ヌレネズミならば割り込んでもいいと奴らは思っているのだ!


 これを挑戦状と受けとるヌレネズミは割り込ませまいと前の人すれすれに並ぶと、奴らは後ろを通り抜ける。後ろに下がれば前を通り抜ける。中間を見極めてそこにたつと前からも後ろからもドンッドンッ。

 そしてヌレネズミは群衆に敗北する。


 しかしヌレネズミは電車を利用する限り、この戦いを避けることはできない。