いつも読んでいるサイトで知り、これはぜひ見に行かねばと思っていた映画「ファイアバード」。
仕事に振られてしまったので見てきました!
物語の舞台は、ソ連の支配下にあった1970年代のエストニアの空軍基地。
役者を夢見るセルゲイは間もなく兵役を終えようとしていた。
そこに新たに赴任してきた将校のローマン。ふたりは写真という共通の趣味をもとに次第に親しくなっていくが、当時のソ連では同性愛はタブーだった・・・。
この映画の素敵さ。
①登場人物たちがそろいもそろって美しい!
セルゲイ役のトム・プライヤーもローマン役のオレグ・ザゴロドニーも、そりゃお互い惚れるよね、と納得の美男だった。あと筋肉も麗しかったな。
セルゲイの友人であり、のちにローマンの妻となるルイーザも綺麗なひとだったし、
演劇学校のセルゲイの仲間で、よく彼のことを目で追っているひとがいたんだけど、彼も美形だった
②町並みとインテリア
無機質な共同住宅の外観が何とも言えない風情で素敵だった。
特にエレガントでもスタイリッシュでもなくむしろ寒々しいのだが、「らしさ」があって良かったなと。わたしが好きな映画のひとつに「ぼくのエリ」があるんだけど、その映画に出てきた集合住宅の光景を思い出した。
ローマンとセルゲイがしばらく一緒に住むフラットの内装は可愛かったな
③ストーリー
なんといってもお話が切ない。(この先ネタバレするから火の鳥でも挟んでおこう)
最初に行動を起こしたのはローマンだった。セルゲイはそれに引きずられるように恋に落ちていく。
しかし、セルゲイの同僚のひとりが何かを感じ取り、ローマンを密告する。
すると、ローマンはあっさりセルゲイと距離を取り、あげく子どもを作って結婚までしてしまう。
ローマンを忘れようとするセルゲイだが、ローマンはモスクワに部屋を借りるから一緒に住もう、と持ちかけたりする。
自分がイケメンだからって何しても許されると思うなよ!!!て思いながらみてましたw
セルゲイはローマンを忘れようと努力するし、彼の誘惑に抗おうとするが、そこは惚れた弱み。
ついてっちゃうんだよねー結局。
ローマン狡い男だな、て思った。同性愛者ではないかと疑われているから、自分のことが好きなことが明らかな、よりによってセルゲイの友人であるルイーザを結婚相手に選ぶところも狡い。
妻に自分の指向がばれ、KGBにも目を付けられたから、アフガニスタンに行って死んでしまうところもずるい。
でも、そうしなければ生きられなかったんだろうなぁ、と思うと辛くて、とても良いドラマでした。実話に基づくストーリーだそう。
誰かを好きになり、共に生きていくことに、相手が男か女か、てたいした問題ではないと思うんだけどなぁ。
愛に性が必ずしも必要とは思わないし、必ずしも性に愛が伴うわけでもない。
ただ、誰かを大切に思う気持ち、というのはとても大事だと思っている。
セルゲイは、大切に思うひとを見つけ、これからも心の中で大事に守っていくのだな、と思った。
洋の東西、時代を問わず「あなた、誰かいい人はいないの?」て嫌なセリフよね。
「愛することとはどういうことか?」長編初挑戦の監督が、ソ連占領下で禁じられた「同性愛」という難題に向き合った理由とは。|インタビュー|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)