公認会計士が行う監査の意義について | 女性起業家 ルミナスのブログ

女性起業家 ルミナスのブログ

公認会計士であり、組織の仕組みづくりのお手伝いをする会社を経営しているルミナスが      

日々感じたことを書いています。

ルミナスです。


今回は、公認会計士の仕事である監査について
私の考えを
少しお話したいと思います。


監査という仕事が同質化され、

誰がやっても同じ結果になるように

仕組み化されている、と聞くようになって
久しく経ちます。


要はマニュアル通りにできるなら

誰がやっても良いということです。


「結論は決まっているんだから、

質なんて問われないんだ。

とにかく時間をかけずに終わらせる。

そうした人が評価される」


公認会計士になって間もないころ、

ある人がこう呟くのを聞いた時、

愕然としたものです。

依頼する企業側の立場からは、

「どの監査法人に頼んでも同じ」ならば、

当然に、安ければ安い程良い、

との判断基準になります。

監査を受託する監査法人や公認会計士事務所

としては、下がった監査報酬のもとでも利益が出るように、

出来るだけ安くあげなければならなくなります。


加えて機械的作業に対する報酬は

時間単位(時給ベース)で決まることが多く、

業務を依頼される会計士の立場から見ると、

要領が悪い人ほど、得をするという矛盾もあります。

(最近は残業もつかないのかもしれませんが…。)


自ずと、監査をしなくても食べていける人は、

監査は遠慮しますということになるでしょう。


特に現在のように供給が需要を上回る状況では、

指導する人がいないままに経験の浅い会計士試験合格者が

安価で雇われるという事態も起きていると聞きます。

これでは質など確保できるわけがありません。

当事者である公認会計士の中にも、

監査は機械的作業だと言う人たちが
けっこうな割合でいます。

(私が関与している法人には、
そんなことを言う人はいないのですが…)


ですが、本当にそうなのでしょうか?

何か事件があるたびに、監査法人の責任が

問題とされるけれども、


監査が機能しない根本原因の一つに、
この「同質化」があるような気がしてなりません。


(最も大きな問題は、

クライアント企業からお金をもらう
という構造上の問題にあると思いますが。)


専門家とは、手続きを決まった通りに行う人

という意味ではないでしょう。


専門家自身も、監査や自分たちの存在意義を

改めて問い直すべきではないでしょうか。