ルミナスです。
昨日の資産除去債務の続きです。
以前にも一度お話しましたが、
資産除去債務の会計処理の背景には、
店舗を退去するときの現状回復費用や
法律で撤去が強制される有害物質の除去費用などは
有形固定資産を使った結果として発生するものだから、
利用に応じて認識しようという考え方があります。
将来、支払うことになることが明らかなのだから、
わかった時点で情報を出していこう。
そうやって早目に情報を出すことが
投資家にとっても良いだろう、という視点に立ち、
将来発生する支出を分割して計上しているのです。
具体例や解説は、以前にブログに記載しましたので
ご参照くださいませ。
資産除去債務の影響
資産除去債務(続編)
資産除去債務 具体例で確認
初年度には多額の費用(損失)を計上しなければなりませんし、
いちど採用したら、毎期の費用も増加する。
除去債務の対象となる資産(店舗など)が少なければ、
影響も少ないですが、対象資産が多い場合には、
すべてについて費用が増加する。
このように業績に与える影響が大きいのですが、
実は対象資産の選び方や費用の見積もり方法が
会計基準内で詳細に定められていない状況。
従って、他社の動向を観察し、
「"見積不可能"のため、除去債務は計上しません。」
という結論を見出そうとする会社が出てくるのも事実。
業種業態や会社の姿勢によってかなりの差が出ます。
こういった議論は、影響が大きい新会計基準適用の際には
必ずといっていいほど出てくる議論ですので、
(SPC連結の時もそうでしたね。)
利用目的に応じ、除去債務がなかった場合の
財務数値も参照しながら、
業績を判断していくことも必要でしょう。
ルミナスコンサルティング IFRSサービス