1月にエジプトに旅行に行った際の出来事です。
私は家族とともに羽田ーパリ、パリーカイロと乗り継いでエジプトに行きました。
羽田からパリへの飛行機、
私は数年ぶりに飛行機に乗れてとてもうれしくて楽しんでいました。
機内食も美味しく、機内もとてもゆったりとして
最近の飛行機はやっぱり違うなぁと感心したり、ウキウキしたりしていました。
フライト時間は約13時間とのことでした。
しかし途中、3,4時間を過ぎた頃に突然乗務員の方からアナウンスがありました。
「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?
機内に具合の悪いお客様がいらっしゃいます。」
2,3回のアナウンスの後に静かになり、そのまま機内は暗くなり就寝時間となりました。
しかし、それから1時間近く経った後に再び暗闇の中、
乗務員さんからのアナウンスが響きました。
今度は先ほどよりも切迫した声の感じです。
「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?
機内に具合の悪いお客様がいらっしゃいます。
このままですと緊急着陸をせざるを得なくなるかもしれません。」
なんと具合の悪い方はさらに良くない状態に陥っているようでした。
乗務員さんの何度にも渡るアナウンスで状況の緊迫度が感じられます。
しかし、機内にはどうやらお医者さまや医療従事者の方はいない様子で、
名乗り出る人もいないようでした。
アナウンスは続きます。
「どなたかお医者さまはいらっしゃいませんか?
緊急処置をできる方はいらっしゃいませんか?」
普段から私は許可もなく見知らぬ方をヒーリングすることはありません。
しかし私はこの時になってようやく自分がやるべきことを理解しました。
誰も名乗り出て医療的な処置をすることができない状況で
このドラマのようなシチュエーションで
私ができることはただエネルギー的に処置をすること、
それも緊急処置をしてとりあえずの状態を保てるようにしなければならない、と思いました。
私は何の手がかりもない、ただ同じ飛行機に乗っているということしかわからない、
その具合の悪い方を透視でエネルギーを視ることにしました。
するとすぐにその人のエネルギーが感じられ、とても状態が良くない、
このままだとかなり危ない、ということがありありとわかりました。
とにかく私はその方のエネルギー体に聞いてみました。
ヒーリングをさせていただいても良いですか?
するとその方のエネルギー体ははっきりとyesと答えました。
そこで私は自分のできうることを夢中でしました。
時間がどのくらい経ったのかもわかりませんでしたが、
とにかく私は結果がどうあれ、
自分がやれることをすべてやってみようと思い、ヒーリングをしました。
具合の悪い方のエネルギー体が安静で緊迫した状態から脱したのを視て
私はヒーリングを終了しました。
すべてのことをし終えて、私は眠りにつきました。
その後にアナウンスはなく、
飛行機は何事もなかったかのように飛び続けていました。
結局、飛行機は緊急着陸をすることもなくパリの空港に到着しました。
飛行機を降りる時に家族が
「具合の悪い方は大丈夫だったのですか?」と聞いたところ、
「大丈夫です。」とだけ乗務員さんは答えてくれたそうです。
私はこのような経験は初めてでしたが、
とても得難い経験をさせてもらえた、と思いました。
私には具体的な手がかりもなく、
途中の状態も結果も現実的に確認することはできませんでしたが、
とても貴重な経験でした。
私がしたことがどのようにその方に影響したのか、も証明することはできず、
何もわからずじまいではありますが、
何よりもその具合の悪い方が私のヒーリングを受け取ってくださったことに
感謝をしました。
そして私には自分がこのようなシチュエーションでできることがある、
自分がしたことによるかどうかはわからないけれども
少なくとも具合の悪かった方は長時間のフライトに持ちこたえることができた、ということをありがたく思いました。
私はこのことで自分のハイヤーセルフが私に問うていた、と感じました。
それは
あなたはどうする?
この状況であなたは自分が何をできると思っている?
あなたは自分の持てる能力を不意の状況でどのように使える?と
聞かれていると思いました。
エネルギーはとても不思議なもの、目に見えず、証明することもできず、
ただそこにあるのに物理次元ではないに等しく捉えられます。
私は自分がどこまでできたのか、
その方にどこまで役に立つことをできたのかは証明できませんが、
それでも私にははっきりとその方の状態が視えたことで
自分がすべきことがわかったため自分の中で納得ができました。
そうして今までにはない状況で自分がしたことを
とてもありがたく感じながら飛行機を降りました。
私達のハイヤーセルフは時々、思ってもみないことで私達を試すことがあります。
試されている、と気づくのはずっと後のことだったりもします。
旅行の初めにビックリする出来事ではありましたが、
新たな経験を思わぬ形でできたことを素直にありがたく思いました。
