マダム・イン・ニューヨークという映画を観ました。
インド人主婦がヒンドゥー語しか話せない自分を恥じて、
一大決心をしてニューヨークで英語を学ぶ!というストーリーです。
物語としては割とありきたりなのかなと思い、さほど期待せずに観たのですが
これがなかなかの良い映画でした!
歌って踊って、涙や笑いもありの、楽しくてそして深いボリウッド映画です。
英語が話せないことで家族の中で見下されてしまい、
自分でもコンプレックスを持っている。。。
料理上手で小さなビジネスをしている普通の主婦が、
姪の結婚式に出席するため1人でニューヨークに行ってその間英語を習うことで変化し、
自分のことを卑下することなく受け入れていくというお話でした。
女性監督の長編第1作作品だそうで、自分の母親をモデルとして描いたそうです。
主演のインド人女優さんは15年も女優業をしていなかったのに
この脚本に惚れ込み、復帰を決めたんだとか。。。
英語が話せるかどうかは別として、コンプレックスというのは誰にでもあるものです。
それをどのように捉えるのか、人のことをどう見るのか、
そして自分をどう見るのか、自分を本当の意味で愛することはどういうことなのか。。。
などとても深い内容になっていました。
特に女性として家族の世話に追われて本当の自分の価値を見出せないというところが、
時代は変わってもいまだに女性の抱える問題としてあることにも気づきます。
私自身も母親のことを、
専業主婦で小さな布花教室を公民館などで趣味として教えていただけで、
特に自立をすることもない女性とずいぶんと見下してもいたんだな、と改めて思いました。
案外、人に向けている視線や評価は自分では気づかなくて、無意識だったりするものです。
この映画を観て多くの人が自分の母親に謝ることをした。。。と
メイキングの中で主演女優さんが言っていましたが、なるほどそうだろうな、と感じました。
この映画でもっとも主題となっているのは、対等さだと思いました。
人と人との関係性の中でこの対等さというのは、
得てして知らない間に失われていたり、
自分を卑下するあまり対等ではなくなっていたりするものです。
どんな関係性においても、相手が男性だろうと女性だろうと、
有識者だろうと目上の偉い人だろうと、
自分と考えを異にする人だろうと、利害関係があろうとなかろうと、
本当に対等であり続けるということはとても大事なことだと思いました。
だって対等であるからこそ、私たちは自分をきちんと愛することができ、
ありのままの自分自身でいることを認め、受け入れることができるからです。
インドのとても美しいサリーを着こなした美しい主演女優さんと
英語学校のいろんな国の個性的な生徒たちのやりとりや、
家族の中で引け目を感じつつもみんなのために主婦業を頑張るヒロインが
ひととき恋愛気分を味わったりと、とても観ていて楽しい映画でした。
最後にヒロインが英語のスピーチをする場面がとても心に響きました!
私はこのシーンを2回観て2回とも泣いてしまいました!
国や時代は違っても、家族を愛し家庭という小さな宇宙を愛する気持ちと
自分が自分自身を認め、自分を優先させることの難しさや葛藤があること。。。
でも自分が自分を助けることこそが、
結局まわりを愛し、助けることにもなるのだという大事なことに
とても心を打たれる映画でした♪
