ラスベガスの旅・2
前日、持ち帰ったサラダを食べて、出発。今回の旅の目的地、スフィア(Sphere)です。ラスベガスの町に突然出現した球体。一体何でしょうか。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンを所有するマディソン・スクエア・ガーデン・カンパニー(MSG社)と、ラスベガスのベネチアン・リゾートを運営するラスベガス・サンズの共同プロジェクトとして計画され、その後、サンズのラスベガス撤退にともない、カジノ事業を買収したアポロ・グローバル・マネジメントとVICIプロパティーズが新パートナーとなっているアリーナ。設計は世界トップのスポーツ施設設計会社である Populous が担当。2019年より建設工事に着手し、2021年開業を予定していましたが、コロナ禍で工事が一時中断し、2023年に完成。当初建設予算は12億ドルとされていましたが、完成までに23億ドル(約3000億円)という、2万人クラスのアリーナとしては破格の費用が投じられました。外骨格には三角形の集合体で建築物をつくる、三角トラス構造を採用。数百のトラスを用いて均衡を保ち、支柱を使わずに球体型を実現しています。外壁を8インチ間隔で約120万個のLEDパックを配置し、2億5600万の色表現を可能にしています。外壁全体を覆う映像を表示し、屋外ディスプレイとして、外にもエンタメを提供し、広告としても使用可能です。高さ112メートル、幅157メートル。内部は壁面全体に超高解像度LEDディスプレイスクリーンを設置し、その面積はIMAXの40倍と言われています。音やパフォーマンスに合わせて映像を変化させ、深い没入感を提供します。多層・扇形による座席配置で17, 600席を設置。スタンディング席2400と合わせて2万人を収容可能。音楽ライブや舞台、映画、アートのほか、スポーツ観戦、e スポーツ大会、バーチャル宇宙旅行など、様々な領域での活用が期待されています。LEDの背後に、独オーディオメーカー・HOLOPLOTのスピーカーを16.7万個設置。同社が特許を取得している音波制御の「3Dオーディオ・ビーム・フォーミング技術」を用い、音波の伝播を制御して、座席とスピーカーが離れていても高品質な音声を届けます。座席には、人の耳では聞こえにくい超低周波音を振動として体感できる、インフラサウンド・ハプティックシート(超低周波触覚席)を導入。サウンドシステムと連携し、超低周波の音声信号を用いて音に合わせて座席を振動させ、また、風や霧、香り、温度の変化などの大気を感じられるようなテクノロジーも実装。視覚や聴覚だけでなく、触覚や嗅覚なども含めた、五感による体験を可能にしています。2023年9月29日、ロックバンドU2がこけら落とし公演を行いました。今夜は、バック・ストリート・ボーイズのコンサート。夜のコンサートとは別に、昼間の時間、「地球からのハガキ」(Postcard from Earth)という映像ショーが行われており、まず、それを観に出かけました。↓平面図。入口でセキュリティチェック。持ち込めるカバンのサイズが厳しく制限されており、基本的にリュックはサイズにかかわらず持ち込みは不可。ハンドバッグやポシェット、たすき掛けの小さめのバッグなどはOKとされていますが、大きさは15cm×15cm×5cmのサイズまで、てぶらで来いと言っているのと同じです。中の様子。客席に入りました。私たちの席は、ほぼ真ん中↓。映像ショーは、アメリカの映画監督、ダーレン・アロノフスキー氏の作品。宇宙船で航行中、目覚めた宇宙飛行士に、地球の記憶を伝達する、という内容で、始めは小さいスクリーンで展開。昔、シネラマという大型映画があり、3台のカメラで撮った映像を3台の映写機から歪曲した横長のスクリーンに投映するもの。最初は小さな画面で始まってその後「みなさん、これがシネラマです」という言葉と同時に、画面が一挙に大きく広がり、ジェットコースターの最前部に置かれたカメラによって、スリルの疑似体験をする、という演出。 それと同じ手法、と思ったら、少し違って、地球が現れ、それがぐんぐん近づいてくるに連れて、映像が拡大される、というものでした。ここで左右、上下の全天周映像となります。視野全体が映像に。動物たちや植物の生態と様々な国の情景を描写。ナショナルジオグラフィック的な記録映像。10台の8kカメラを使用して360度のパノラマ撮影をしたそうです。ものすごく解像度の高い映像で、この手のものは、端が歪んだりするものですが、そういうことはなく、180度以上の視野を映像が占めます。投映式だと、明るいシーンは白くなってしまいますが、LEDなので、鮮明。シートには振動装置が内蔵されており、画面に合わせて振動が発生します。また、風が吹く場面もありました。今回はなかったですが、香りを出すことも出来るそうです。音響もきれい。エンドクレジット。↓客席を見上げる。コンサートが夜ありますが、ステージに舞台装置や楽器の配置がないことから、このような上映が出来るようです。↓今夜のステージ。外へ出ました。次の作品は「オズの魔法使い」。どんな作品になるのでしょうか。