盛岡食いしん爺日記
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またまた久し振りが続く。
近頃、自分の行動範囲が狭くなっているのだろうか？
予定を書いた手帳を見た。
月曜日は仕事とリハビリ。
火曜は午後1時から５時までバドミントン。
水は午後から温泉。
木は、午前中会議に出て午後バドミントン。
夕方から夜まで会議と懇親会。
金は、リハビリと温泉。
土は、一日パソコンに向かった。
日は、午前中は仕事して午後から街中の紅葉を見て回った。
なるほど、本の制作も構想から進まないはず。
本来の仕事をサボっていた。
忙しい数年間を頑張ってきたあるクリエイターが話していた。
仕事に追われ、気がつくと酷い肩凝り。
こんな状態では新しい発想も出てこない。
今年は仕事を極力減らし、あちこちに出かけることにしたらしい。
その人に比べて忙しさの質も量も違うが、なるほどと思った。
「しばらくサボりもいいか」と自己肯定。
午後３時近くになってパソコンを閉じた。
同じ姿勢を続けていると痛めた方が低い声の悲鳴を上げる。
出かけることにしてある方を誘った。
２週間前ぐらい前だろうか、
この河原を熊が川上に追われ住宅地の方に消えた。
あまり危機感を感じない熊出没注意のコーン。
Frank Sinatra - Strangers In The Night
盛岡の街の中心を流れる中津川。
この川に架かる擬宝珠のある上ノ橋辺りへ。
「ひょっとして敲太楼(こうたろう)山荘ですか？」
「久し振りに行こうと思って」
と言うと、
「ランチもいいけど、お茶タイムもいいですね」
二人の足が少し早く動き出した。
足腰が厳しい方には残念なことに難しい階段。
ドアを開けると、
マスターの陽気な声と気持ちのいい笑顔に元気をもらった。
２階からの眺め。
眼下に中津川、上ノ橋。
熊の出没のせいか散歩やランニングをする人が少ない。
岩手山が見え望遠で撮影。
山頂は白いベール。
風は冷たく、午後でも澄み渡る空気。
一緒の方は「敲太楼山荘オリジナルカッサータ」。
イタリアシチリア地方の伝統的なお菓子で凍らせたチーズケーキ。
ナッツやドライフルーツがアクセント。
ビジュアル最高だ！
メニューには、
「玉子が苦手な方やちょっと優雅なティータイムをお求めの方に」
と書いてある。
確かに優雅で美味しそう。
この植物の名前を一緒の方が話していたが、
かなり変わった名前にもかかわらず覚えていない。
近頃、特に固有名詞を忘れてしまう。
今日のランチが早かったので少し食べたい。
フレンチトーストにした。
この味の表現が難しい。
私はあまり食べたことがないフレンチトーストは、
牛乳や砂糖など混ぜた卵液にパンを浸しバターで焼く。
フランスで硬くなったパンを柔らかく美味しく食べるために生まれたらしい。
たいていの人が知るとおり、ふわふわの食感。
そこに蜂蜜が添えられ、たっぷりかけた。
「ふわふわ」に「しっとり」が加わる。
パンとは別の食べ物になっているが美味しい。
「敲太楼山荘をAIが解説してますよ」
と向かいの方が言った。
要約すると、敲太楼山荘は、盛岡の景観のよい場所にあるカフェ。
ハッシュドビーフやスフレオムレツ、
フレンチトーストなどのランチやスイーツが人気。
美味しい料理と心地よい雰囲気そしてマスターの人柄が魅力。
自家製プリン、カッサータなどオリジナルメニューも楽しめる。
そのとおり！
畑を借りて有機栽培で野菜を育てているマスター。
彼の笑顔も自然で話も聞いていて楽しい。
メニューのデザートに「マスターやスタッフの笑顔」
と加えてもいいかもと思った。
敲太楼山荘のスープも美味しいのだ。
その日はカボチャのポタージュスープ。
マスターが大切に育んだカボチャの旨味が濃い。
向かいの人も「美味しそう！」。
壁に飾ってあったこれは何だろう。
マスターの前に店を任されていた「ふう」さん。
盛岡が第二の故郷という人。
先週、彼女が里帰りしたそうだ。
彼女の仕切りで一晩だけ昭和な店になり、
とても賑わったそうだ。
久し振りでゆっくりマスターとも話し、
初めてのスタッフさんとも挨拶できた。
ゆっくりして階段を下りた。
肩が軽くなっていた。
一緒の方と別れの挨拶は「熊にご用心」。
