『大地の歌』のLP第1号は、オットー・クレンペラー指揮/ヴィーン交響楽団による1951年の録音ですが、クレンペラーの『大地の歌』については、また、項を改めて書きたいと思います。

ですので、今日はLPとしては2番目のもの、しかしこの曲を広めたという点では圧倒的な働きをしたと考えられるヴァルター/ヴィーン・フィルの1952年録音のLPの初期の姿をご紹介します。



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英DECCA LXT2721-2, 1952年10月


これがイギリス・DECCAのオリジナルでバラの2枚組みです。

『大地の歌』だけで3面を使っていて第4面にはフェリアーが歌った『リュッケルト歌曲集』からの3曲が収録されています。


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このような形での2枚組みです。

60年代までは特にイギリス盤の組み物にはこのような形が多かったようです。


アメリカでは下のような形で出ました。


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米LONDON LL625-6, 1953年1月


日本ではイギリス盤と同じデザインで箱に入れられて発売されたようです。


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キングレコード LONDON LLA-10106-7,


1960年にはDECCAでは1枚にして再発売しました。


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英DECCA LXT 5576


この録音によってマーラーを知った、あるいは、マーラーに取りつかれたという人が世界中で一気に増えたのでした。


ちなみに現在ではこれは下のような形で、オリジナルのジャケットデザインで出ています。

マーラー:交響曲《大地の歌》/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ワルター(ブルーノ)
¥1,600
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マーラー:交響曲「大地の歌」/ワルター(ブルーノ)
¥2,800
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あまりにも有名な話だと思いますが、『大地の歌』の最初のレコードは1936年5月24日のブルーノ・ヴァルター指揮/ヴィーン・フィルの演奏を録音したSPです。


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米Columbia M 300(7枚セット 14面)1937年6月発売


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一部分を拡大してみました。



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レーベル面の拡大です。

上の部分にマーラーの顔がついていますね。


今日では何種類ものCDに復刻されていますから容易に聴くことができますが、このSPのアルバムを手にすると、ここから『大地の歌』のレコードの歴史が始まったのだなあという感慨がわいてきます。

マーラー: 交響曲「大地の歌」 ほか/ケルスティン・トルボルク
¥2,888
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マーラー:大地の歌/交響曲第5番「アダジェット」/他(ワルター)(1936-1938)/マーラー
¥1,250
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ところで、このヴァルターの録音以前の『大地の歌』の録音が断片的にではありますが残されていて、たいへんに興味深いものです。

第2曲(41~111小節)と第4曲(1~103小節)の断片だけですが、下に挙げた、BISのストックホルム・フィルハーモニーの75周年セットに収録されています。

何と、歌っているのがK・トルボルク(!)。さらに、指揮がヴァーツラフ・ターリッヒ(!!)。

1934年11月7日の演奏です。


もう少しまとまった形で残されなかったことがひじょうに残念です。



Stockholm Philharmonic 75th Anniversary/Kerstin Thorborg
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 今日の記事のタイトルをご覧になると

「かわいいマーラーのCD? ・・・・・・いったいどういうものなのだ」

 と思われるかもしれませんが、次に挙げるCDをご覧になれば言いたいことは一目瞭然だと思います。 

ごきげんクラシック~マーラー/オムニバス(クラシック)
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 1995年に出た『ごきげんクラシック』というシリーズの一枚で、ハイティンクと小澤征爾さん(一日も早いご快癒をお祈りしています)の録音から編集されています。


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曲目はこのようになっています。


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ケース裏、曲目の右側の写真です。
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帯です。


 ちなみにこのシリーズのモーツァルトやショパンもかわいいです。


ごきげんクラシック~おちゃめなモーツァルト/オムニバス(クラシック)
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ごきげんクラシック~いたずらショパン/オムニバス(クラシック)
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ここまではひたすらかわいいのですが、何故かヴァーグナーはこれです。

ごきげんクラシック~きばつなワーグナー/オムニバス(クラシック)
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となると、ベートーヴェンはどうなんだ…と気になるところですが、

これです。

ごきげんクラシック~やんちゃなベートーヴェン/オムニバス(クラシック)
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これらを並べてみました。


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やはり、マーラーが一番かわいいです。


半円にデザインされたそれぞれの作曲家の名前もMAHLERが一番「きまっている」のではないでしょうか。


ちなみに他の作曲家もそれぞれ考えられた(?)写真であると思います。

ごきげんクラシック~バッハ/オムニバス(クラシック)
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ごきげんクラシック~むじゃきなシューベルト/オムニバス(クラシック)
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ごきげんクラシック~のんびりブラームス/オムニバス(クラシック)
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ごきげんクラシック~ゆめみるチャイコフスキー/オムニバス(クラシック)
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なぜブラームスがシマウマで、チャイコフスキーがペンギンなのかがよくわかりません。

と言い出すと、バッハもベートーヴェンもわからない・・・と言えばわかりませんが……。