地元に帰ってからも痛みの日々は続きました。
翌年普通科の高校に入り直しますが、とにかく痛くて勉強にも集中できない、学校生活も楽しめない、という有様。
部活は一年経たずに辞め、2年後半ぐらいから不登校気味になりだし、3年で卒業日数に足りなくなり、結局中退しました。
あまりにも苦痛が激しかったせいか、このころの記憶は断片的にしかなく、中退に至った経緯もあまり覚えていません。
ただ通学自体がもうきつかったので留年する気にならなかったのかもしれません。
その後大学入学の際は高卒認定試験で資格をとりました。
◆
高校を中退してから大学入学までの約4年間は痛みの原因究明にいそしみました。
この間バイトなどもせず(できず)、はたからみたら完全なプー太郎だったと思いますが、自分は毎日痛みと闘って病気を突き止めようと忙しくしていたのでそういう意識はありませんでした。
幸い経済的に恵まれていたのと親が甘かったので許された感じです。
とてもレアケースだと思います。普通はこうはいかないでしょう。
もし家から放り出されていたら命を絶っていたと思います。
その点両親には心から感謝しています。
◆
この期間中の行動としては、まず、整形外科を6院くらい周り、東京まで行きました。
しかし原因はわからず。
今でこそ認知度が高まりつつある筋筋膜性症候群・トリガーポイントですが、当時10年ほど前はまだ黎明期だったと思います。
医療不信になり、ひたすら絶望して毎日苦痛を終わらせたいとそればかり考えていました。
うつにならなかったのが不思議なくらいですが、どうやら体質というものがあるらしく、私は約15年ガン末期と同等といわれる激痛に苛まれ続けましたが、うつにはなりませんでした。
これは個人差があると思います。
慢性疼痛を含む慢性疾患は精神疾患のリスクを上げるというデータも確かあったはずなので、慢性疼痛の二次障害として苦しんでおられる方も沢山いると思います。
そして、現代医学の整形分野はまだ痛みを神経、骨の傷害由来と考えるのがスタンダードで筋領域に手をつけていない(検査で調べにくい) ので、筋筋膜性疼痛症候群のような病態は、一般的な頭痛、首のこり、ヘルニア、などと誤診されがちで根本治療がなされません。
その上激痛への周囲の理解が得られないので患者は孤立しがちになり、精神的に追いつめられます。
私が実際に言われたことを例にとると……
◯神経質だから、気にしすぎるから痛くなる
◯運動すれば治る
◯生活習慣が悪いせい
◯気の持ちようだよ、病は気から
◯親に甘やかされて怠けている
このような表現をされ、痛みは精神的なものとされました。
なぜなら見識のない医者も、知人も、肉親も、病態を正確に理解していないからです。
筋組織、筋膜内に実際にトリガーポイントと呼ばれる筋硬結ができ、神経を変容させ、激痛を生み出していることを理解しないからです。
このような無知な人々の言葉に、私も傷つけられてきました。
特に現代医学と医者に裏切られたショックは大きく、以後医師を信じられなくなりました。
私をみた6人くらいの医師の中で的確な診断と治療を行える医師は誰一人としていませんでした。
最終的に原因を突き止めたのは自分であり、治癒に導いたのは鍼灸師でした。
そして確認のために東京までいって見識のある整形外科医に診断を貰いました。(順番逆ですね笑)
◆
この事実は、頭に留め置いてほしいです。
現代医学は完璧ではありません。むしろ治せない、突き止められない病気の方が多い。ガン治療の副作用の大きさと再発率の高さがそれを象徴しています。
もちろん医学すべてを否定するわけではありません。
しかし現段階では診断不能な病気もあるし、治療不能な病気もある。
それを知っておく必要があります。
実際私のケースは診断不能、治療不能(トリガーポイントの位置が延髄に近くトリガーポイントブロック注射不可。鍼治療で治しました) でした。
だから自分の体のことは、医師に任せきりではなく自分で調べて判断するのが大事かと思います。
権威主義的に医師を盲信してしまうと痛い目にあいます。
◆
今回は医療不信になった経緯、現代医療の位置づけなどについて書いてみました。
少し脱線したかもしれませんが、慢性疼痛や難病、認知度の低い病気などになってしまった方に私のケースを知ってほしくて書きました。
なお、散々病院医師批判をしましたが、原因不明の痛みに対する西洋医学的なアプローチは最初必須だと思います。
私は、脳神経外科、内科、整形外科などでMRI、CT、血液検査など各種検査をした上で自己調査、診断、治療を行っています。
原因不明の痛みがある方はまず病院に行き、現代医学でできる検査を全て受けて下さい。
それでもなお原因不明の場合に筋膜性の疼痛疾患を疑って下さい。
自己判断で検査をしないと大変なことになる可能性があります。
まずは医療機関を受診して下さい!
(既にそうしている方が大半かと思いますが念のため)
◆
さて、次回は本筋に戻り、どのようにして痛みの原因発見に至ったかを書きたいと思います。
今回はこの辺りで失礼します〜