リップル社のXRP Q3報告書

XRPの発行企業リップル社は、日本時間26日に、XRP第三四半期(Q3)報告書 を発表した。

当報告の主なデータは以下の通り

  • 一ヶ月に10億ずつ、計30億XRPがエスクローからリリースされおり、そのうちの26億XRPが新しいエスクロー契約へ返却された。(利用されたのは4億XRP、第2四半期は3億XRP)
  • XRPの売上高はXRP世界取引量の0.43%に留まる

*2017年第4四半期にリップル社は、暗号学的に保証された、エスクロー(商取引の際に信頼の置ける第三者を仲介させて取引の安全を担保する、第三者預託)アカウントに550億XRPをロックアップ。これにより、リップル社は全体流通量の13%のみにアクセスできる仕組みを取っている。

XRP売り行き良好;企業に人気

まず、この報告書によれば、ボラティリティと取引高が増加する中、リップル社は180億円弱のXRPを売上に納めた模様だ。

2018年の比較表(日本円換算)
  2018年Q3 2018年Q2
企業向け直接販売 110億円 19億円
プログラム売却 73億円 63億円
総売却額 183億円 82億円
XRP総取引量 380億 453億
総取引量に対するプログラム売却量 0.17% 0.125%
総取引量に対する売却量 0.43% 0.162%

今回の報告書で、リップル社による『プログラム売却』の増加はもちろん、特に注目すべき点は、リップル社の子会社であるXRP II,LLCによる企業向けの売上が前四半期比594%増になったことが報告されているが、この数字の伸び率には注目だ。

この好調な売上に至ったのは、先日リップル社主催のSwellカンファレンスにて正式に発表されたxRapid(XRP使用)を複数のクライアント金融企業:MercuryFX、Culliax、Catalyst Corporate Federal Credit Unionなどが導入したことや、xRapidを採用する仮想通貨取引所3社と『プリファードパートナー』を締結したことも一つの要因と考えられる。

なお、「産業において、急速な成長を見せており、例えば、CoilがXRPを使った決済システムを実用化するために、200以上のウェブサイトとウェブマネタイズ商品を試行している」のようなビジネスは今後もXRPに対する需要が高まると言えるだろう。

増加する売却量と減少する取引量と

上図のように、『総取引量に対する売却量』がQ2比、100%以上増やしたものの、『XRP総取引量』はQ2に比べて、16%も減少したため、その売却量の比率に影響が出ている模様。

これに関して、同報告の「マーケット・コメンタリー」ではこのように記述した。

Q3にて、全体市場の総時価総額は12%減少し、XRPはQ3の末では一度急騰を記録したが、全体的相関性から免れなかった。

このように、通貨の取引量が価格へ大きな影響をもたらすとされているため、相対的に、相場が低迷を続けてきたことが、取引量が減少した要因と考えられる。