NEM(XEM)は世界最高の安全性とスケーラビリティを持ち、最終的には世界で最も広く使われるスマートコントラクトのプラットフォームとなるように設計されています。
この発言は現在イーサリアムがスマートコントラクトの分野で支配的である状況を考えれば、実現不可能なように思えます。しかし、最近NEMの開発チームがNEM Catapult (Mijin V.2)ブロックチェーンについて行った発表は、成功に向けた好条件をすべて備えているかもしれません。
NEMがCatapultのリリースについて初めて発表をしたのは2015年に遡り、それから2年半の間コミュニティを不安にさせてきました。そうした時間もついに終わりを迎え、メディアでの発表によれば、ベータ版のリリースは特定のコミュニティメンバー、提携企業、そして参加を希望した顧客だけが利用可能だと述べられています。今回のリリースには3つの段階が目標として設定されています。
2.Catapultのコアエンジンの評価のリリース
3.オープンソースおよび商業ライセンスでのCatapultのデュアルライセンス
しかし、NEMは最近正体不明のハッカーによって5億ドル相当のXEMが奪われるというCoincheck版DAO事件の被害を受け、苦しめられてきました。NEM Catapultが必要になるのは、そうした盗難を防ぐためでもあります。
Coincheckは記録を参照して、盗まれたXEMを取り戻して、正当な所有者のウォレットへ返金すると主張しました。しかし、彼らが盗まれた資産にアクセスするためにはプライベートキーを取り戻す必要があります。このような事情から、今年の初めから3月末までにXEMの価格は35%以上下落しました。
では、NEMは具体的にどのようにしてイーサリアムに打ち勝って、ナンバーワンのスマートコントラクトブロックチェーンの地位を獲得しようとしているのでしょうか?
NEM vs イーサリアム
NEMがイーサリアムに対して持つアドバンテージを検討する前に、イーサリアムとNEMが直面している問題について理解をしておくことが非常に重要です。その後に私たちは具体的にどのようにしてMinjin v.2がその問題を解決するのかを説明します。
イーサリアムは現代における革新的な技術進歩の1つです。その通貨は市場総額の点で、ビットコインに次ぐ第2位となっています。イーサリアムブロックチェーンはその発足以来、価格は大きく上昇し、急速に普及も進んできました。そのシンプルさと使いやすさのおかげで、これまで数百種類のトークンがイーサリアムのスマートコントラクトを活用して発行されてきました。
イーサリアムはAndroid OSと似た仕組みになっています。そのため、開発者はモバイルアプリを開発することのできる無料で使いやすいプラットフォームを手にすることができます。
しかし、それら2つのプラットフォームは同じ問題、つまりセキュリティの問題に直面しています。また、イーサリアムは比較的トランザクションの処理が遅く、1秒あたり約15件しか扱うことができません。さらにイーサリアムはスケーラビリティの問題も抱えています。
NEMはトランザクションの処理速度とスケーラビリティの点でイーサリアムを上回っていますが、セキュリティの問題にはイーサリアムと同様に悩まされており、それゆえにCatapultが必要になるのです。
完成してテストが終了すれば、CatapultはNEMブロックチェーンのコアになるという点は非常に重要です。その際に、Catapultはどのようにイーサリアムを上回り、分散型アプリケーション(dApps)を開発するための信頼性のあるスマートコントラクトブロックチェーンとなることができるのでしょうか?
NEM Catapultの3つの機能が勢力図を塗り替えることになります。
NEM Catapultには、ブロックチェーン上でのスマートコントラクトの使用方法を変えることになる、3つの独自の機能があります。
アグリゲートトランザクション(複合トランザクション)
エスクロー機能を開発することによって、Catapultでは複数のユーザーあての複数のトランザクションを自動的に結合することが可能になります。それによってどちらかの当事者による資金や商品の盗難を防ぐことができます。
例えば、通貨をピアツーピアでトレードする際に、両者が必要な額を内蔵されたエスクローに入金します。するとその額が両者間で交換されるので、片方の当事者が支払われた資金を持ち逃げすることを防ぐことができます。
そのようなシステムでは、もしトランザクションが実行されれば両者はそれぞれの通貨を受け取ることになります。もし失敗すれば、それぞれの通貨は両者に返金されます。このような仕組みは業界初のものです。
もし、そうしたトランザクションが、取引所が買い手と売り手の橋渡しをすることで行われるのであれば、取引所もそのエスクローから手数料を受け取ることになります。これはCatapultのホワイトペーパーで「トラストレスな分散型スワップ」と呼ばれている機能です。
マルチレベルマルチシグネイチャアカウント(複数レベルのマルチシグアカウント)
この機能はセキュリティプロトコルとアカウント回復機能を改善してくれます。実行されるそれぞれのトランザクション(ハードウェアウォレット内のものを除く)がFraud artificial intelligence (FAI)を通過します。
それによって、それぞれのXEMのトランザクションが、その完了前に検証されることになります。さらに、この仕組みによって、トランザクションを認証する前に銀行カード(デビットとクレジット)をチェックすることで、暗号通貨市場における詐欺を防ぐことができます。
現在、十数年前の発行時に暗号通貨を購入した人々のほとんどが、自分の資産にアクセスできないと不満を言っています。内蔵されたマルチシグアカウント回復機能は、そうした状況を変えるために作られました。
パスワードを忘れて自分のウォレットにアクセスできなくなった場合に、そのシステムを使うことで、ユーザーは信頼した人からの承認を得ることで資産にアクセスすることが可能になります。自分の以外の信頼できる人、家族や友人から署名をもらうことで、それを使って自分の資産にアクセスすることができます。
このシステムは企業が発送プロセスを確認する作業にも応用が可能です。発送のプロセスのあらゆる段階が一定間隔でブロックチェーン上に記録されます。
レイヤードアーキテクチャ
NEM Catapultのシステムは4つのレイヤーで個別に機能します。このレイヤードアーキテクチャの仕組みによって、他の層が障害を起こしたことで、別の層の動作に支障をきたすということはなくなります。
これは独自の機能で、バグの際にはレイヤーに素早く改良を加えることが可能になる一方で、その間も他の層はスムーズに機能し続けます。ブロックチェーンがそのようなネットワークを構築したのも、今回が初となります。
NEM Catapultのベータ版テストが完了すれば、世界中のユーザーがそれを利用可能になり、イーサリアムよりもはるかに優れたネットワークを提供することができます。
あなたのコインをホールドし続けてください。NEMが1ドルに到達して、イーサリアムから世界で最もポピュラーなスマートコントラクトプラットフォームの座を奪うのは時間の問題だからです。