9/26/24

 

以前聞いた話です。

 

ある人が、家族代々伝わるレシピを使って、ステーキをフライパンで焼く方法を学んでいました。そのレシピでは、毎回ステーキを焼く前に、端を切り落としてからフライパンに入れて焼きます。ある日、ふと彼はなぜステーキの端を切り落とすのだろう、と疑問に思いました。それで彼はお母さんに尋ねました。「どうしてステーキの端を切り落としてから焼くの?」

 

お母さんは、「さぁ、わからないわ。でもあなたのおばあちゃんがそう教えてくれたのよ。」

 

それで、ますます気になった彼はおばあちゃんのところに電話して、どうしてステーキの端を切り落とすのか聞いてみました。

するとおばあちゃんは笑って言いました。「あぁ、それは昔使っていたフライパンが小さすぎてステーキ全体が入らなかったからよ!」

 

なーんだ、ですよね。

 

でも、私たちは自分たちの中に、知れば「なーんだ」と思ってしまう常識や習慣になっている考え方、行動様式がたくさんあります。文化の一部だし、地域や育った世代にもよります。これ、間違いありません。ただ、意識していないだけ。というか、意識できない。意識できないぐらい浸透している行動様式や考え方がたくさんあります。

 

一方、背景を知ってなーんだ、と思って行動を変えるということをしなくても、もっと手っ取り早い方法もあります。

 

「え?こういう考え方もある?え?こういう時にこういう行動する?」なんて感じてしまうことなど、多分誰にでもありますよね。海外に旅したり、住んだりすると、毎日がその体験の拡大バージョンの連続と言っても過言ではありません。カルチャーショックです。どきどきします。とにかく自分の軸が揺さぶられるから。そのたびに内心、「ヒェー!」と叫びながら、でも、概ね面白がっています。結構楽しんでいます。趣味かも。

 

いろいろな国の人たちが住んでいるアメリカで医療をしていますが、医療現場でも「え?そうなの?」と思うことがあります。輸血が必要な状況下で「信仰のため、輸血はできない」とか、脱水傾向なのに「今断食の期間なのでこれから数週間は日中、太陽が出ている間は水も飲めない」とか。

 

いずれにせよ、いろいろな場面でのカルチャーショックは自分の軸や本音を知るために、とても役立つと思っています。

 

自分の知らなかった考え方や行動に触れ、「これ、いやだな」とか「これ、居心地悪いな」と感じるとき、すぐに真向から拒否するのではなく、本音の自分と照らし合わせてみて、もしかすると「いや、待てよ」と、新しい、というか本音の自分が殻を破って表面化される、つまり考え方や行動がもっと居心地良い自分に変わる機会になるかもしれません。おすすめです。