アトリエでは、仕上がりや仮縫いをお待ちくださるお客様のために、日々作業を重ねています。
仕上がりまで、もう少しお待ちください*
画像はPinterestよりお借りしました
今日、作業中に聞いた数学者・岡 潔(おか きよし)さんの言葉にハッとさせられ、3ヶ月くらい前に体験したある出来事を思い出しました。
週末のお昼過ぎ、空いている電車の中でのことです。
私のちょうど前の席に座っていた若い女性は、スポーツのホッケーで使うようなスティックを持った、大学生くらいの年齢の方でした。
お顔立ちがとても綺麗なのに、気分が悪いのか表情が辛そうだな……と感じていた矢先、誰も座っていない座席に、彼女は激しく嘔吐してしまったのです。
私も含め、周りの人は「見ているけれど、見ていないふり」をして、何事もなかったかのような空気が流れていました。
女性は手で口元を押さえていましたが、ハンカチは持っていない様子です。
私は慌ててカバンの中を探すと、小さいサイズと大判のガーゼハンカチが入っていました。
すぐにハンカチを渡そうと考えましたが、そこで私は計算をしてしまったのです。
どちらのハンカチも、姉がプレゼントしてくれたものでした。
小さい方は、猫の柄が気に入って、同じものを2枚買ってくれたもの。
大判のギンガムチェックの方は、お気に入りの雑貨屋さんに一緒に行ったとき、お揃いで買ってくれたものです。
当然、この場では大判のガーゼの方が断然役に立つはずです。でも、このハンカチには大切な思い出も思い入れもある。
だとしたら、2枚同じものを持っている猫の方なら、渡しても後悔しないかな……などと、色々なことを考えてしまいました。
そんなことを考えているうちにハンカチを渡しそびれ、次の駅に到着しました。
すると、私の隣に座っていた男性が「次で降りた方がいい」とすすめ、女性はこっくりとうなずいてホームへ出ました。
私も乗り換えのために降りた際、なんとか小さい方のハンカチを渡すことができ、その女性は小さく会釈をして受け取ってくれました。
その後、持っていたペットボトルの水を渡した男性、駅員さんを呼んで女性の存在を知らせてくれた男性との連携プレーで、ひとまずなんとかなりそうだと、遠くから見送りました。
しかし、そのあとの数日間、私の気持ちはモヤモヤし続けていました。
「なぜあの時、大判のハンカチを渡せなかったんだろう。フカフカの大きなハンカチで口元を押さえて、手を拭くことができたら、もっと安心できたはずなのに……」と、自分を責める気持ちでいっぱいだったのです。
その数日間は誰にも話せないほど自分の中でもショックで、「誰かに話しても、聞いた人を良い気分にさせない話だから、やめておこう」と感じていました。
やり場のない気持ちをAIに打ち明けたときに「その場で計算をしてしまうのは当然のことです。決して自分を責めないでください。ハンカチを渡した勇気を認めてください」「その気持ちを和らげるために、この話をお姉さんに話してみてはどうでしょう」と言われました。
でも、自分の中で未解決の出来事を姉に話すのも気が引けて、「なんで私はあの日、あの出来事に遭遇したのだろう」とずっと考えていました。
そして、ようやくたどり着いた答えです。
「人に対して何かをするとき、自分の力を出し切れなかったことは、こんなにも深い後悔につながる」
「何かを行うときに差し引きをするのは、後悔の元になる」
「これからは仕事でもそれ以外でも、後悔するようなことは絶対にしない、したくない」そう心に誓ったのです。
もしかしたら人生の終わりに気づくような内容を、あの美少女を通じて神様が教えてくれたのかも知れない。そんなふうに感じた途端、後悔の気持ちもモヤモヤした気分もサッと流れ、あの日の出来事に感謝が湧きました。
そんな中で今日の作業中に出会った、岡潔(おか きよし)さんの言葉。
あとで振り返って後悔するかどうかは、成功したか失敗したかという結果ではなく、その時、どれだけ損得を忘れて打ち込めたかによって決まる。
後悔というのは、結果が悪かったことそのものよりも、あの時本気で向き合わなかったという思いから生まれやすい。
まさに、あの時に私が味わった経験そのものだと振り返り、自分自身で忘れないためにも、今日の記事に書き残しました。
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気温が少し下がった今日でしたが、湿度はまだまだ高めです。引き続き熱中症などには気をつけてお過ごしください*
今日もブログを読んで下さり、ありがとうございます。
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