「とにかく、悪魔・妖精絡みの犯罪は星明のお姉さんに相談して、なるべく人間界では穏便なお裁きでるようにしてみるわ。
でもね、悪魔との契約の話になると…。」
「お、お願いします…。らい夢は人間界の華やかな部分にだけ憧れてるから、『あの方』の間違った情報に踊らされるんの!
わ、私から言えることは…。
『金貸そうか?まぁ宛にするな、酷すぎる借金』としか言えない。」
「おい、段田?何だその言葉?お前が言う『あの方』が教えた『いい加減な錬金術』と関係あるのか?その為に陽菜達から『涙の染み込んだタオル』を盗んだのか?」
「すごい…。もうそこまで調べてたんだね…。『協力者』の私からはらい夢とあの方の契約の詳細は言えないの。
でも、契約違反を提議するには、まだ『涙』だけでは不十分なの!
最初は私が持ってた目薬を使って実験ごっこのつもりだったのに…。何が『乙女の宝石』よ!」
「ダリオちゃん、もう一人で抱えこまなくていいからね。
私と貴女は魔界からの付き合いじゃない!」
「アンディ…。」
「その呼び名もいいけど、人間界じゃ安藤真利子よ。
私も莉緒ちゃんでいいかな?」
「うん…ありがとう…。」
「とにかく、小夜ちゃんも莉緒ちゃんも人間界じゃ小学生なんだから遠慮なく大人を頼りなさい!
いいわね!」
「ねぇ、涙と貴金属の秘密を暴くより、『そういう契約を持ちかけそうな悪魔さん』を洗った方が早くない?」
「さすが、元探偵の真利子さん!」
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ファミレスの席を立ち、電話を終えた奈々子さんが戻ってくると…。
「大丈夫よ、星明が心当たりのある部下をリストアップしてくれるって。
ついでに金やプラチナが消えた件をお姉さんに伝えてって言ったら、既に北御門さんから聞いてたってさ。」
『流石、北御門さん仕事が早い(o≧∇≦)o』
「ホント、年の功よね~」
「35にもなって気が利かないとヤバいけどね~」
私と奈々子さんを中心に、その場に居ない人を話題にしたアクの強いガールズトークが展開しようとした時、それを聞いてた莉緒ちゃんが…。
「そうだ!35歳で思い出しました。
らい夢ももうすぐ35歳になるんです。
でも、彼は誕生日を迎えることを凄く怖がってました!」
「どういうこと?契約の呪いとか?」
「もっと前からです。奈々子さん、ここで唯一の人間の貴女にお聞きします。『35を過ぎた一部男性は妖精になる』てどういう事ですか?」