カイレフォンの友人第二章 8 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

市民広場


「今日は特に賑やかですね。
自由市場は厳格な出店許可が必要ですが、市民広場では物を売ろうが、働き手を募集しようが誰にも咎められませんからね。」

「…自由市場より広場の方が自由…。」

「そうですね、まだ地震の影響が大きく、出店許可証を持たない者が生活の為に広場で露店をされてる方が多いようですね。」

「…奴隷の人も店を開けるのね…。」

「お坊っちゃんにお嬢ちゃん。
取れたての果物はいかが?
市場より三割、四割安いよ。」

「…美味しそうなオレンジ…。
私の村のオレンジとは色も形も違う…。
初めて見た…。」

「申し訳ございません。
本日は余分な買い物をする持ち合わせがありません。
しかし…。
おばさん、少しだけオレンジ二つ取り置きしておいてくれ。」

「…ソレント、何をするの?」

「お嬢様、ここでは奴隷が芸を披露しても咎められません。
少し小銭を稼がせていただきます。
暫しお待ちを。」

「あらま、何て綺麗な歌声だい。
こっちがお金払いたいくらいだよ。」

「いいぞー坊や~!」

「これ少ないけど取っといて~。」

「今度いつ来るんだ?」


「…凄い…。町の人が次々にお金を…。」

「オレンジ二つには十分過ぎましたね。
今日は上出来でしたよ。
さぁ、オーケストラに向かいましょう!」

オーケストラ(無料劇場)


「やはり復旧が遅れている…。
政治や商業の施設より後回しか…。」

「…仕方ないわソレント…。
公演が観れないのは残念だけど、建物を間近で見れて良かったわ…。
もう行きましょう?」

「いいえ、お嬢様。オーケストラが休館しているからこそ来たのです。
復旧工事もやっていない今日だからこそ、アルラウネお嬢様に見せたかったのです。」

「…まさか忍び込む気…?
…私、あの劇場から嫌な予感がする…。」

「誰もいない劇場でお嬢様にだけ、歌と踊りを披露したいのです。」

「…意外と強引…でも嫌じゃない…。」

劇場内舞台上

「広い…、これが全部無料なんて…。
…お義父さんはどんな劇を書いてるの?
ソレントはどんな役?」

「お義父様は本当は科学的な発見を盛り込んだ学術劇をやりたいそうなのですが、中々良い学者が居なくて、最近は神話劇ばかりです。」

「…学者のマケドニウスに頼めばいいのに…。」

「外国の留学生が我が国に情報を落とすはずありませんよ…。
それよりも客席から私を観てて下さい。」