40代・女性
雑種のその犬が我が家に来たのは、
まだ私が中学生の頃のことです。
名前はチ・キータ。
父親が好きな映画から付けた名前でした。
通称チキは、賢いクリーム色の犬でした。
3人兄弟でしたので、散歩には困りませんでした。
チキは人懐っこく、いろんな人にお腹を見せては
愛想を振り撒いていました。
当時、淡い恋心を抱いていた先輩がいました。
その先輩がチキを見かけると、
いつも声をかけてくれるのが嬉しくて、
先輩の帰る時間にわざと散歩をしていました。
そんなチキに友達が出来ます。
野良犬エドです。
エドも元は飼われていたのか、
人懐っこい黒いシュッとした顔の犬でした。
チキの散歩中に家までついてくるので、
しばらく家で飼うことになったのです。
チキとエドを飼うには、マンションは狭かったので
当時母親が借りていた平屋(公文教室をしていました)の庭に
2匹の小屋を置いて、
毎日そこに通い2匹の散歩をするようになりました。
エドが来た頃には、憧れの先輩も卒業していて
、寂しかったのを覚えています。
エドはすぐにいなくなりました。
器用に首輪を外し、
縁の下を通って夜中に脱走していたのです。
チキはまた独りになりました。
なので、チキをマンションに移して、
家族と過ごすことにしました。
まだ若かったのですが、
私は高校生になったある日、
チキの具合が悪くなりました。
病院に行ったところ、
腹部に腫瘍ができて、
出血していました。
一命をとり止めたものの、
そこから日に日に状態は悪化してゆき、
最終的に玄関のたたきで、
悲鳴をあげながら
痛みに耐えていました。
動物病院の先生にきてもらい、
安楽死を選択しました。