また2回も消えたのよ…。
まぁ、ええワ。
・
糠床で糠漬けを作っております。
朝顔とともに
小さな楽しみのひとつでございます。
若い頃、
伯母から百年以上 続いた糠床をもらい受け、
その豊かな芳香と適度な塩分と…
なんせ、その糠床で漬けたお漬物は
とにかく美味しかったのです。
召し上がっていただいた方々には大変好評で、
(家族・義理の家族だった方々)
私はそれはそれは大切にしておりました。
が、なんと…
或る日或る時、お姑さんに
ぜ〜んぶ、カパッと捨てられてしまいましてね…
「糠なんか履いて捨てるほどあるわ!」
と言われたのです。
皆が糠漬けを喜ぶから妬ましかったのでしょうね。
後で お姑さんは家族からめちゃ叱られていましたが、
泥だらけになった糠床を前に 私は静かに泣きましたよぉ…。
まだ若かったしねぇ…。昭和やねぇ…。
・以来、余りのショックから糠を触る気にもならず、
長い間、お漬物は『買うもの』としておりました。
伯母も亡くなりましたしね。
・
3年くらい前から
あの、伯母のお漬物がまた食べたくて、
糠床育成に励み始めました。
でも、全然ダメ。
ダメダメのダメ。
芳香どころか色さえ違う…。
内在菌が全く違うんやと思います。
そんな私の糠床さんですが、
『古漬け』ならまだマシ…なので、
主に古漬けを楽しんでいました。
・
ところが、先日、
従姉からコブシ大の糠床を分けてもらえたんです!
やったね!!
私に糠床を分けてくれた伯母の娘ですからね。
百年超えからまた40年、
従姉の手によって進化してる糠床です。
糠床年齢、優に150年は超えてると思います。
希少な糠床やから
めちゃめちゃ嬉しかった
コブシ大の常在菌達よ、がんばれ!!
って感じですよ。
そんで、いきなり格段に美味しくなったし!
(浅漬け!!)
・
もの心ついた頃から、
家の糠床のお世話は私の担当でした。
母は手が糠味噌臭くなるのがイヤだったのでしょうね。
私は好きだったから苦にはならなかったんですよ。
今も苦にならない。
(けど、小さい子の手が糠味噌臭いってどうだろう?)
・
例の、あの捨てられた糠床は代々、
戦火を超えて
女性達が守ってきた糠床ですからね。
いったい幾人の女性が
どれだけ手間暇をかけていたでしょう…
と思えば、
そんな簡単に完成するものではありませんし、
そんな簡単に捨てていいものでもございませんワ。
(いや、まず、他人の持ちものを勝手に捨てるって…)
・
生きてるうちに、あの芳醇な糠床には到達できないかもしれないけど、
生きてる間は其処を目指してガンバろうと思っております。
・
ちなみに…
今、『あんな幼稚な理由』で
私が大切にしているものを勝手に捨てる輩がおりましたら…
ただでは済みませんぞや…