こんばんは。
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感想
トランプ大統領2.0誕生や大統領選挙の話題で、にわかにアメリカキリスト教に興味を持ちました。特に著作者森本あんりさんの語り口は柔らかくて分かりやすく、この方の本なら一般ピーポーの私でも読めるかも…と思いました。
結論から言いますと、一回こっきり読んだ所でほとんど理解できなかった、というのが正直な所
。これは何度も読んでみなければなりませんね。
そもそもこれまでも、アメリカにおけるキリスト教に時折、妙な“違和感”みたいなものを感じてきたものでした。例えば、東京ドームみたいな、まるでコンサート会場かと思う様な場所で、これまたコンサートかと思う様な異様な熱気のキリスト教集会。(私は今までこれはミサだと思っていたのですが、本書を読んでどうやらそれは違う様でした)
まるで名物司会者の様など派手な姿の牧師(これも誤解だった様で、“伝道者”が適切)。
マドンナの様な「あけっぴろげで、先鋭的」な文化が誕生し続けているかと思えば、片や日曜教会や事ある毎に「God bless you!」とあいさつし合う敬虔さ…
特にアメリカと言えば、ニューヨークやLA、ハリウッドなどの大都会摩天楼のイメージしかない海外勢の私には、どうにもこうした違和感が解消できずにいたものでした
。そこが超大国アメリカの宗教面から見る本書に興味を覚えたのかもしれません。
とは言え、一回読んで理解できるものでも、咀嚼できるものでもなかったので、興味をもった部分をピックアップしてみました。
ムーディーという伝道者は説く、「神は自助努力をしない人は助けることなく、怠惰な者には祝福を与えない」これは=信仰は現世利益をもたらす。
トランプ大統領がある一部の支持者から熱烈な支持を受ける、その理由の一端がこれかと、妙な納得をしてしまう。
しかし、キリスト教には「ご利益概念は存在しない」(上馬教会「世界一ゆるい聖書教科書」から)から考えると、アメリカキリスト教の独自性が際立つ。
遠藤周作のとある作品の書評で、「神は善い時も悪い時も常に傍にいる。それが神なのだ、と遠藤は到達する」なるほど、映画「沈黙-サイレント」がキリスト教を扱っていながら、話題も、賞レースにもさほど乗らなかったのも、この点の大きな違いかと思えた。
ビリー・サンデー、メジャーリーガーから伝道者へと転身した、異色の人物。メジャーリーグ初期の頃はとばくや暴力などイメージの悪かったスポーツを、プロスポーツとして成功させるためには、庶民社会に受け入れられるクリーンなイメージが絶対不可欠だった。そこで出てきたビリーは、野球界においてもキリスト教世界においても熱狂的に迎えられる。
大谷翔平が日本のみならず、アメリカにおいても、実力はもちろん、その人徳的な部分にまでことさら取り上げられるまたはアピールされるのも、こうした背景があってのことかと、妙に納得する。
なんだかメモのようになってしまいましたが、ともかく現代アメリカの姿を知るという意味では、なるほど
と思うことしきりでした。
何より、「政教分離」とは、アメリカにおいては「信仰の自由を守るためにあるもの」という概念には「なんてこったっ
」
まさに旧世界から海を渡って、新天地へと繰り出してきた人々の国なのでした。