ここのところ、ずっとパッとしない。

心が痛いよね。連日。この耳に入ってくることが。

考えてみれば、私は日本に住むアメリカ人で、それはきっとアイデンティティーの部分で、大多数の人と違うんだろうな。

そうやって考えたら、なんともやるせなくて。

だから、テロ以来、ずっとなんだかなあ。。。。。。っていう気持ちだった。



ジムに行ったら、いつも私の後ろで踊っている年配の女性が声をかけてきた。

今日もよろしくお願いしますね~と。

何も、このダンスクラス、私が教えているわけじゃない。

あくまで私も生徒の一人なのだが、私のダンスが好きだという。

いつもいつも、私に声をかけてくる。

最初の頃こそ、何を言っているんですか!?と言っていたが、最近はは~い!と言うことにした。

数曲踊り終えたら、その方が私にこう言う。

パン、あなたにあげるわ!

へっ?パンですか?

もちろん、心の中では、今このタイミングでパン!?と思っている私。踊っている最中ですけど?笑

その方が、続けてこう言う。

いつもあなたのダンス、見ているだけだから、今日は私があなたにパンをあげるのっ!

そういって、曲と曲の合間のわずかな時間に、私のバックにそっとパンを入れてくれた。

そうやって私のバックに入ったアンパンは、居心地悪そうに、私の水のボトルとタオルの間に押し込められた。



ダンスして、泳いで、身支度して車に乗る。

ふと、アンパンのことを思い出して、袋から出す。


一口食べたら、なんだかほっとした。

口の中と、すさんでいた心が一気に甘くなった。

ありがとう。おばさん。私にアンパンをくれて。


名前も知らないけど、いつも私に声かけてくれてありがとう。

アンパンのこと、忘れないよ。

世の中が甘くなればいいのにね。このアンパンみたいに。。。




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