中国に来ちゃった会社員 ブライツです。
 
今回は、読書感想文です。
塩田武士著 盤上のアルファです。

以前に、グリコ森永事件を題材にした「罪の声」を読みました。
どちらの作品も、主人公の一人が新聞記者です。
だいぶ毛色は違いますが。
 
盤上のアルファは、盤上というだけあって将棋の話になります。
アルファは、物語の中にも出てきますが、オオカミの群れのボスを指す言葉だそうです。
将棋で勝ち上がれみたいな話ですね。
 
物語は、新聞記者の秋津の目線で語られています。
新聞記者として秋津は、花形の社会部で県警を担当しています。
自分では、仕事ができると言っていますが、協調性は皆無で、自分以外は全員無能と思っている。
ブライツにこんな同僚いたら、できるだけかかわりたくないタイプですね。
まあ嫌な奴です。
仕事にはプライド持っていますが、そんな感じなので社会部からは外されてしまいます。
異動になった先は、文化部で将棋の担当です。
左遷され、全く興味のない将棋の担当で、ますますやる気を失っていきます。
 
そんな日々を過ごしている中で、勤めている新聞社が主催する女流棋士のタイトル戦が行われます。
タイトル戦の段取りの描写は、著者が新聞記者出身のためかかなり細かいです。
秋津は、全くやる気ありませんが、とりあえず主催社としてこなしていきます。
ここで将棋とは全く関係のない事件が起こるのですが、それは読んで確かめていただければと。
ここまでが第一章なのですが、物語としてはこのあととそこまで深くかかわってきません。
ブライツには、ちょっと不思議感じでした。
 
この後、もう一人の主人公、真田が登場してきます。
写真にある本の表紙の坊主頭でタンクトップにジーパンの男性です。
真田は、なかなか壮絶な幼少期を過ごし、あることから将棋を支えに生きてきましたが、プロ棋士になることができず、
日々なんとか生きている状態でした。
 
秋津と真田は、とある小料理屋で出会い、ケンカになります。
ひょんなことから真田は、もう一度プロを目指すことになります。
年齢的には、将棋のプロを目指す奨励会には入れませんので、編入試験を受けます。
この編入試験ですが、実在する制度です。
プロを目指す3段リーグへの編入試験となります。
これが厳しい。
条件は、WIKIなどにまとめがあるのでそれを見ていただければと思うが、実際に合格した者は、1名のみ。
この方ちゃんとプロになられていました。 しかも、株式優待でおなじみの桐谷さんの門下生でした。
おっと、話がそれました。
 
この編入試験に、自分のすべてをかけて挑む真田。
その真田をいやいやながら応援していく秋津。
中盤以降は、このような感じで話は進んでいきます。
真田は、この編入試験に合格できるのか。
 
真田がなぜ将棋を指すようになったのか。
少年の時に、親に見放され、毎日ヤクザが借金の取り立てに来ていた。
その時のヤクザが、将棋の真剣師だった。
真剣師は、賭け将棋などをする人の事。昭和の途中までは実在していたらしい。
そのヤクザと短い期間だけだが、将棋を指した。
真田は、将棋に魅了されてしまう。
その後、奨励会まで入ってしまうのだからとんでもないと思う。
 
果たして結末は、って感じです。
 
読んだ後は、続編読みたいなあと思える1冊です。
調べてみたら続編出てました。
また、読んでみたいと思います。
 
そうそう、序盤に秋津が、タイトル戦の段取りの話しましたが、会場は兵庫県の有名なお城が見えるところです。
で、秋津は、そこでその街をこれでもかとディスります。
いやーかなり言います。
間違ってないけどさあそこまで言わなくても。
昔、筆者は何かあったのでしょうか。
兵庫の東の人は、西の事好きではないのは理解しておりますが、そこまでとは。
 
なんだかんだ言って、秋津がやな奴なのは序盤だけですので、安心して読んでいただければと思います。
 
それでは。