2014.2.25 | メンズファッション大革命
とくに革屋さんからよく聞く話なんですけど、
「景気がよくなると、色物が増える」と。

1月のメンズから始まったコレクションサーキットを見ていると、
パッと見の印象ではありますけど、
多くのブランドが秋冬コレクションにも関わらず、
まぁなんとも彩り豊かな洋服たちをランウェイに並べています。

じっさい、革屋さん的にも今度の秋冬に向けて動いているのは、
鉄板の黒ではなく色物であったり、
あるいは素材的にも無難なスムースレザーより、
どちらかと言えば玄人寄りの、
ヌバックやスエードみたいな裏毛素材だったりするみたいです。

そしてその好景気感は、色や素材ばかりか、
まるで80年代を思わせるようなオーバーサイズの
シルエットにも表れています。

明らかにじっさいの肩幅より大きなドロップショルダーは、
バブリーな80年代のそれとは似て非なるものですが、
それでも「あえて大きいのを着ている」ということには変わりなく。

本来のじぶんより大きなサイズ感を「あえて着る」ということはつまり、
「ふつうに身体に合ったサイズのはもう持ってるから、次は違うのが欲しいわ」
ということで、要するに気持ちの面でも財布の面でも、余裕があるということ。

(厳密に言えばサイズが大きい=生地をたくさん使うわけで、
その意味でも贅沢であることには違いありません。)

つまり話をまとめると、
「派手な色×珍しい素材×変な形」が組み合わさった14秋冬シーズンの傾向は、
近年まれに見るほどファッションに勢いが感じられる、
景気の復調を予感させるようなシーズンであると、こうなります。

また別の見方をすれば、SPAブランドが全盛のいま、
ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドが進むべき方向性を、
各デザイナーがいままでになく、
明確に打ち出したシーズンであるとも言えるかもしれません。

マスか、コアか。

ラグジュアリーか、ファストか。

マイノリティか、マジョリティか。

まことにあらゆる二極化が進む世の中ではありますが、
本当に、そのどっちかしかないのかなー、と。

その中間にこそおもしろいもの、
キラリと輝く原石のようなものが眠ってるんじゃないかなーと、
そんなことを感じつつ、
横目でコレクションをチェックしています。

今日もShinya yamaguchiのブログをご覧いただき、
ありがとうございます。

ぼくはますますその中間を狙いたいなーと、思っています。


シンヤヤマグチ