「正義のセ」第2回感想 | 感想亭備忘録

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やはりどうにも全てが想定内すぎるこのドラマ。

検事局の同僚のキャラクターも、事件自体も全部想定内。驚くところがどこにもないのです。

とは言え想定内なだけに大きな破綻があるわけでもなく、そこそこな面白さでそれなりに見られます。ただ見ていてテンションが全く上がらないんです。

今回の物語にしても被疑者の人物としての掘り下げが浅いように思います。日常的に暴力を受け続けても別れない妻の心情が「子供のために両親が揃っていたほうがいい」なんて単純なものだけであるはずがないし、家庭内に常に暴力が存在し、その恐怖に怯え続けていた娘が一人暮らししたぐらいで母親の気持ちがわかってしまうのも簡単すぎます。

吉高由里子さん主演でカジュアルでPOPに行きたいのはわかるんですが、そのへんのドロッとした所を一見カジュアルでPOPなまま掘り下げてくれればもっと興味深いものが出来たように思います。

 

しかし起訴状を書いて事件解決!ってすごい割り切り方ですね。起訴さえしてしまえば後は検察の勝ちは99.9%決まっているので裁判などという茶番は描かないよ!というリアルと言えばあまりにリアルな割り切りは意識してやっているのでしょうか。可愛らしいお仕事ドラマの皮を被って、実は司法制度の歪みを描いている…なんてことはないんでしょうけども。

 

あと気になったのは思いっきり取ってつけたような豆腐屋跡継ぎ問題。あれは何だったんでしょう。親子のディスコミュニケーション?相手を思うあまりの誤解?今回の事件とシンクロさせたつもりなんでしょうが全く一致するところがなく完全に浮いていました。豆腐屋にどういう役回りをさせようとしているんでしょう。

 

それともうひとつ。細かい話になりますが、「主人公たちが急いで出かけようとするところに、書類を抱えた脇役が通りかかってぶつかられて書類を撒き散らす。」という急いでいる慌ただしさを描写する映像的慣用句とでもいいたくなるようなシーン。あれはやめたほうがいいと思います。既視感を倍増させるだけです。ただでさえどこかで見たような事件をどこかで見たようなキャラクターが解決していく既視感だらけのドラマなので、細かい演出までお決まりの手法を使われると、余計にオリジナリティーが霞みます。

 

そんな中で、検察事務官の相原(安田顕)だけが異彩を放っています。安田顕さん好演ですね。地味ですけど独特の魅力があると思います。彼がどんな人物なのかということが一番の興味と言ってもいいぐらいです。

キャラクターの基本造形は「ベテラン事務官で新人検察官(主人公)を頼りなく苦々しく思いながら、一緒に仕事をする内に主人公の長所に気づいて一番の味方になっていく」という非常にありがちなものですが、安田剣さんの台詞回し、態度、佇まいで非常にオリジナリティーのあるキャラクターになっています。

 

とにかく手堅く堅実なこのドラマに臨むことは、意表を突くことです。そう来るとは思わなかった、という驚きが必要です。驚きを用意できればこれだけ定番を踏んで来たことが前振りとなって効果は倍増するはずです。是非脚本家には冒険してもらいたいですね。

 

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