「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 THIRD SEASON」第9話感想 | 感想亭備忘録

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チームの完成と、そのままではいられないだろうことを予期させられる状況の変化を描いた回。チームの見事な働きを橘(椎名桔平)に褒められた白石(新垣結衣)の抑えきれない笑顔が印象的でした。

 

そして橘が息子に語りかける言葉は思い病に冒された子供を持つ親の心情をよく表していたと思います。ただ、子供の移植拒否の理由が少し弱いというかこじつけっぽいというか、子供っぽいというか。あ、子供だからいいのか。むしろ親の決断が遅すぎたきらいがありますね。

 

そして最終回へと続く大事故の発生。緊張感あふれる、トリアージの必要な現場は久しぶりな気がします。初回以来でしょうか。頼りの藍沢(山下智久)を欠いたチームがこの事態をどう切り抜けるんでしょうか。

 

ここからは気になった点を書いていきます。

 

まず、第一になぜ灰谷のヘッドセット(ヘリ)に対するPTSDの発症のシーンをワンカットも撮らなかったんでしょうか。最初は倒叙的に見せることで何らかの効果を狙っているのかとも思いましたが、結局時間がないから削った、以外の意味は見いだせませんでした。時間、なかったでしょうか。

 

次にパラリンピック代表の車椅子バスケットボール選手のエピソード。以前のシーズンでも暗示的に患者の状況が医師たちの状況に符合して考えさせられるシーンはありましたが、今回のはあからさまにすぎると思います。「エースの矜持を捨てチームワークに徹してしまった優しすぎる男」これはそのまま藍沢を指し示しすぎです。ここまでわかりやすくやってしまうと、車椅子バスケの選手たちが藍沢のエピソードを説明するためだけのモブに見えてしまいます。血の通った患者とその友人たちとして描かれていないという印象を受けてしまいました。

 

そして再三言っていますが緋山(戸田恵梨香)と料理人の恋愛エピソード。個人的にコード・ブルーに恋愛はいらないと思っています。ですが金輪際恋愛を出すな、というわけではありません。キャラクターをふくらませるのに効果的に作用しているのならいいのです。第2シーズンの冴島がまさにそれでした。が、緋山と料理人についてはむしろ物語の邪魔になっているように思います。

たとえば前回の感染症の話では、病室のシーンでの主題は緋山と白石の対立と和解であったはずです。間に料理人とのやり取りが入ったおかげで焦点がぼやけて何がいいたいのかわからなくなっていました。

今回も同じです。周産期医療センターと救命の間で悩む緋山に、料理人との別れだの名取の告白だのよくわからない絡め方をするので焦点がぼやけるのです。そしてこの意味のない恋愛シーンを外せば充分灰谷のPTSDを描写する時間はあったはずです。

 

そもそもキャラクターに持たせるエピソードの量に偏りがありすぎるのです。緋山は周産期医療センターと救命、料理人との恋愛、名取との師弟関係、白石との同志的友情とてんこ盛りです。

ついで藍沢は脳外と救命、ピアノ少女とそれに関連するライバル、新海(安藤政信)との関係(トロント大行き)、フェローの指導における主導的役割と、各エピソードでの治療、処置について常に中心的役割を果たす、とこれもてんこ盛りです。

それに比べて白石は、チームリーダとして救命をまとめ成長させる、というのがメインなはずがそこは藍沢にとられて特に見せ場はなく、各回の治療や処置も藍沢のサブ的役割、緋山との関係は比較的描かれていますが、料理人と分担している状態で、画面にはよく映るんですが彼女の活躍も葛藤や悩みもその解決もあまり描かれません。

藤川(浅利陽介)・冴島(比嘉愛未)コンビは前半にエピソードが集中していて後半あまり出てきません。これは浅利陽介さんのスケジュールの都合もあったのかもしれませんが、全体的にバランスが悪すぎます。

藍沢が主役、緋山がヒロイン的な描き方もありなのですが、特に緋山のエピソードは一つ一つがバラバラで繋がっていないので散漫な上に余計な印象を受けてしまいます。

 

と、これだけ文句を言っていますが、それでもそこそこは楽しんでいます。今期のドラマの中では一番真剣に見ていることは確かです。期待値が高すぎたともいえますが、コード・ブルーという名前を出してきた以上、それに応える義務がスタッフにはあると思います。最終回、感動できる、そして納得できる終わり方を見せてほしいと思います。

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