根津美術館に行ってきた。
久しぶりだなあと思って、自分のブログを検索してみると…なんと2021年11月「鈴木其一・夏秋渓流図屏風展」を最後に訪れていなかったのだ。
企画展「古美術かぞえうた」。
古美術作品の名前には数字を伴うものがあり、その数字に注目した展覧会である。
気になった作品をメモ。(個人蔵の作品以外は根津美術館所蔵)
「七夕図」 酒井抱一筆 1幅 絹本着色 日本・江戸時代(19世紀)小林中氏寄贈
上部に5色の糸、下部に角盥が描かれており、角盥には梶の葉が浮かんでいる。
これは手芸、芸能の上達を願う7月7日の夜に行う乞巧奠(きっこうでん)を表しているそうだ。
「商山四晧図」 啓宗筆 1幅 紙本墨画淡彩
日本・室町時代(16世紀) 小林中氏寄贈
秦末に乱を避けて商山に隠居した4人の賢者を描いた主題の絵画は多く制作されている。私はこの主題の作品が好きなのだ。
「四睡図」 1幅 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代(17世紀) 個人蔵
寒山、拾得、そしてその師である豊干禅師、虎が眠っている様子を描いたもの。こちらも多く制作されている主題。
本作品に描かれている虎が大変満足そうに眠っている様子で、それにとても惹きつけられた。
解説パネルによると、豊干禅師は虎の背に乗り移動するなど奇行の多い僧だったようだ。なるほど、寒山、拾得が師事するのも頷けたりする…。
「一葉観音図」 啓釈筆 1幅 紙本墨画 日本・室町時代(15世紀)小林中氏寄贈
「一葉観音」は三十三観音の一つで、一片の蓮弁に乗る観音菩薩だそう。
その一葉観音が蓮弁の上で大海を漂っているところが絵が描かれているようだ。
この観音様の表情が何とも柔らかく、惹きつけられた。解説パネルにも「観音の表情は童女のように愛らしい」とあった。
企画展「古美術かぞえうた」の催されている1階展示室を後に、2階の展示室へ。
展示室5「江戸→東京 ─駆け抜ける工芸」
柴田是真の作品が多く展示され、見ごたえがあった。
驚いたのが、
「黒楽写瓢象嵌文茶碗」 小川破笠作 1口 乾漆漆塗 日本・江戸時代(18世紀)
小川破笠は、蒔絵に陶板、堆朱などを併用した作品で知られているが、漆で異素材を表現することにも長けていたらしい。
そしてこの作品は、どうみても焼きものにしか見えないが乾漆製で、持ってみると軽いそうだ。黒楽茶碗のような表面に、模様の描かれた瓢箪が3つ象嵌されている。
展示室6「季夏の茶の湯」
茶室を取り入れた、こちらの展示室は大好きである。
「竹翡翠蒔絵手付煙草盆」 小川破笠作 1基 木胎漆塗 日本・江戸時代(18世紀)
「色絵竹節形火入」 景徳鎮窯 1口 中国・明時代(17世紀)
この煙草盆の下部には引き出しが付いており、その引き出しの中に小さなチリトリと羽帚が入っていて何とも可愛い。
描かれたカワセミがいたずらっぽい表情をしているのも良いと思った。
鑑賞後にお庭を散策。
4月末頃にはカキツバタで美しい池だが、このような夏の風景である。
ん?カメ?
いや、これは亀の置物である。
庭園内の「NEZUCAFÉ」は大人気で長蛇の列、それなら…と表参道の一保堂茶舗のポップアップカフェ「ひやかしIPPODO TEA」へ。
本日から始まった曜日・数量限定の「ひやかスナック」。
これは、コレド室町の「海木(かいぼく)」の「だしいなり」と日本茶のセットである。
「海木のだしいなり」は初めて。
日本茶は温かい玉露をチョイス。カップも可愛い。
ボリュームのあるいなり寿司である。
揚げにたっぷりと出汁が…!美味しい。出汁も美味しいが揚げ自体も味わいがある。
中の飯ももっちりしていて独特。
日本橋に行ったらコレド室町に行って、お土産にしてもいいし、こちらは食事処もあるそうなので食べても良いなあ…。
アイスクリーム「どろた坊 抹茶」
カスタードアイス、ピスタチオ、メレンゲ、抹茶ソース。
何と言っても可愛い。しかも文句なく美味しい。
底のメレンゲが良い仕事している。
これを参考に。アイスクリームに濃茶をかけて食べてみようと思った。