読了。

シングルマザーの里里のもとに、ある女性の家計簿が送られてくる。

その家計簿をつけていたのは、里里の祖母であった。

 

彼女の家計簿 (著)原田ひ香

 

この物語の主要登場人物は3人。

まずは、シングルマザー里里。

そして、家計簿をつけていた里里の祖母である加寿。

加寿の家計簿を里里に郵送した、女性の自立を援助する団体の代表者である晴美である。

 

里里は、夢中になって祖母・加寿のつけた家計簿を読み進む。

家計簿には購入した物品の金額だけではなく、簡単な日記も書かれていたのである。

第二次世界大戦前後の厳しい日常が垣間見えるとともに、

戦争で人手不足になり、家庭の主婦だった加寿が代用教員として教壇に立つことになり、職業人として成長していく様子も分かる。

 

これはあくまでも小説ではあるが、記録ってとても重要なものであるとつくづく思った。

 

原田ひ香氏というと、「美味しいもの」、「貯蓄講座的内容」の印象を持っており、本書のタイトルが「彼女の家計簿」なので、貯蓄講座的な内容もあるのかなと読み進めていったが、そういうタイプの内容ではなかった。

 

こんな雰囲気の作品も原田ひ香氏は、書かれるのだなあ、もっと他の作品も読みたいと思う。

 

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デパートの「銘菓百選」コーナーで。

 

亀屋良長  「貴船川」

 

 

「貴船川」という文字を見ただけで、涼やかな川風を感じるのであった。

パッケージを開けてびっくり。

 

 

おお、鮎が泳いでいるではないか。

水面に青もみじが浮かんでいる。

 

 

小豆は川石だ。

 

 

金玉羹と餅羊羹の2層仕立て。美味しかった。