読了。
火山のふもとで (著)松家仁之
主人公・坂西が村井設計事務所に就職したのが1982年、そこから物語は始まる。
北青山にある村井設計事務所は、夏期に北浅間の古い別荘地、通称青栗村にある「夏の家」で業務を行う。
そこで、「国立現代図書館」のコンペに向けての準備が行われていく。
今から40年ほど前の設計事務所には、パソコンもなく、みな鉛筆で設計図を描いている。
所長である建築家・村井俊輔の仕事の進め方や建築に対する考え方、メンバーで一つの設計を作り上げていく様子、坂西の恋愛の行方も気になるところだったが、私が惹かれたのは、食事である。
「夏の家」には専属コックがいるわけではなく、所員が調理を担当する。
ある日の夕食は、こんな感じである。(太字部分は本書からの引用である)
「ビシソワーズとローストビーフ、畑からもいできたばかりのなすやトマト、ピメントにズッキーニやオクラなど夏野菜の蒸し焼きが並んでいた。色とりどりの野菜にはくるみのオイルとくし切りのレモン、バゲットにはオリーブオイルとバルサミコが用意され、大きなペッパーミルとソルトミルがみんなの手を渡ってゆく」
設計をするような人は、お料理も丁寧にするようで・・・
「雪子(坂西の3年先輩の所員)の料理は丁寧だ。もやしのひげ根もエビの背わたも、はじめからそこになかったのようにきれいに取り除いてしまう。目玉焼きをふたつつくれば、ふたつの黄身はフライパンのなかをきれいに二等分する。トスしたサラダにはまんべんなくオイルがゆきわたり、・・・」
「トスしたサラダ」とは?頭には、ふと「アタックNo.1」が浮かんだが、調べてみると、「トスする」とは「和える」ことのようだ。ほう・・・。
物語に描かれている美味しい食べ物、素敵な建築、すっきりと片付いていると思われる建物内部の様子・・・ああ、良いなあ・・・と思わず、年末の掃除も進んだ。
これは、オススメである!
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素敵なカフェに行ってきた。
「toe coffee」
カフェ・ラテと、リンゴののったブラウニー
美味しかった!のはもちろん、雰囲気も良くって、やっぱりカフェというところは良いなあとしみじみと思った。
最後になったが、年内は姉の祭祀舞教室「千の会」のコマーシャルをしようと思う。
先日、聞いたところ、ありがたいことに祭祀舞に興味を持つ人たちが集まってくださっているようだ。