読了。
図書館で本書の題名を見て、「これは、『和菓子のアン』の続編では?!」と手に取った。
「東京百貨店」地下食品売り場にある、「みつ屋」という和菓子店でアルバイトをしている梅本杏子が主人公の短編が収録されている。短編自体はそれぞれで完結されているが、物語自体は進んでおり、「その後」が大変気になる。
アンと愛情 (著)坂木司
「あまいうまい」では、友達と3人で行った金沢旅行が描かれている。
あくまでも小説なので、実際にそのお店があるとは限らないし、モデルとなる店もあるとは限らない。しかし、物語を読むと、金沢に行きたくなってしまう!(太字部分は本書からの引用)
まずは、金沢駅の中の「おいしい地魚がお手頃価格で食べられると評判の、回転寿司屋さん」に杏子一行は向かう。
「ノドグロがあまりにおいしかったので、次は地元の魚介を使ったお得な三点盛りを頼んだ。ガスエビ、紅ズワイ、寒ブリ。これがまた、おいしかった。エビは甘く、紅ズワイは「旨味!」、そして寒ブリに至っては脂肪と旨味のミラクル合体」とのこと。
そして、使っているお醤油がおいしかったようだ。
杏子一行は別の日に海鮮丼を食べるのだが、そこのお店で使っていたのが「うまくち醤油」。この金沢の「うまくち醤油」は、九州のものより甘くないらしい。ほう・・・。
検索すると、この醤油のモデルらしき醤油があった!ふむ・・・。
この旅に行くにあたり、地元出身の方から勧められたのは「館内が大正ロマンに満ちあふれた、老舗のホテル」、「市内で唯一温泉が湧いている」というホテル。
しかし、杏子たちは気後れしてしまい、別のホテルに宿泊。もったいない・・・。
こちらのホテルも検索するとモデルでは?というところがあった。
そして、杏子たち一行が「21世紀美術館」を鑑賞後にお茶をしようと「塗り物のお店が上の階で和カフェをやっているらしい」と行ってみる。「甘味どころっぽい落ち着いた雰囲気」だったそう。
そこで、杏子がたのんだのは、「抹茶・和菓子セット」。
和菓子を提供している店名が記されており、これはおいしいに違いないとふんだのだ。
「繊細なそぼろで彩られた上生菓子」で、「春の山」という菓名。
「ふんわりとした若草色のお菓子」で、「最初に感じたのは、ひやりとした口当たり。(中略)口をもぐりと動かした瞬間、すべてが液体に変わる」、「ものすごく肌理の細かいそぼろと餡は、少しの刺激でどしゃっと崩れて口の中で御前汁粉になった」と書かれている。ええええ、食べたーい!
杏子はこのお菓子のお店を探しあてる。ひっそりとした店構えで、注文のみ受け付けるというところであった・・・こちらはモデルがあったとしても探すのは難しそう。何となく、著者の全くの創作っぽい感じもある。うむむ。
いずれにせよ、この物語を読んで、すっかり金沢に行きたくなってしまった。
金沢21世紀美術館もまだ行ったことがないし、金沢に移転した国立工芸館も気になる!
「かたくなな」では、技術提携で来日している中国の若者に日本的なものを食べさせたいとのお客のリクエストに、杏子は「切り山椒」というお菓子を紹介するが、この「切り山椒」は通年で取り扱っているお店が浅草にはあるが、「東京百貨店」にはないので、「お米の醤油せんべい」を買って、「粉山椒を買って、食べる前にふりかける」こことを勧める。さらに、山椒を振りかける前に、せんべいに薄くマヨネーズを塗るとよりおいしいとアドバイスする。
おお、これはやってみたい!
本書は、「和菓子のアン」の続編で第3弾、第2弾は「アンと青春」だそうだ。
こちらも図書館でチェックしたい。(第4弾は「アンと幸福」?そしてその次は「アンと夢の家」?)
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土曜日にデパートに行き、地下食品売り場「銘菓百選」に立ち寄って、「みたらし団子」の他にもう1種類求めたのがこれ。
包んでもらった紙袋が良い感じ!
京菓子司満月の「阿闍梨餅」
本日到着のワゴンにあり、次々と手に取られていく様子を見て、近寄ると、おおっ!
有名な「阿闍梨餅」、ここで出会えるとは!
「満月」のWebサイトには「丹波大納言の粒餡を、さまざまな素材を練り合わせた満月秘伝の餅生地で包み、焼き上げた半生菓子です。しっとりとした皮と自家製餡の絶妙なる調和・・・。独特の食感をお楽しみ頂ける逸品です」とあった。
確かに、独特の食感。大変興味深い・・・。