東京国立博物館、トーハクに鳥獣戯画を見に行った。
本来なら、昨年の夏に催される予定だった鳥獣戯画展、ついに開催である。
2015年の鳥獣戯画展では3~4時間待ち、と言う話も聞いていたのだが、今回は日時指定チケットを導入、そして、NHK日曜美術館「生中継!“鳥獣戯画展”スペシャル内覧会」を見て、出演者の方々が、本物だと墨の濃淡、筆遣いなどよく分かるというようなことをしきりに言っていらしたので、ムクムクと「見てみたい!4時間待たなくても良いし!」と思い、参戦(?)を決意。
私は14時~15時入館チケットで、10分前くらいに到着。
すでに長い行列が出来ている。14時を10分くらい過ぎてから並んだほうが良いかなと思い、本館を鑑賞。
「猿猴図」 狩野山雪 (紙本墨画 江戸時代・17世紀)
トーハクは、特別な展覧会でなければ写真撮影ができるのが嬉しい。
解説パネルをメモする必要がない。
「牧渓画をもとに多くの画家が手長猿を描きましたが、こんなに愛くるしい画があったでしょうか」とあった。
本当に可愛い!
「写生帖(乙帖)」 円山応挙 (紙本着色 江戸時代・18世紀)
私の撮影テクニックでは上手く写せていないが、大変綺麗な写生である。
時間があるときに、じぃ~と見ていたい。
と、本館の2階をざっと見て、平成館に向かう。
並んでいる人は・・・相変わらずだが、割りとスムーズに進んでいるので並ぶ。
今回は、音声ガイドリストを借りた。これは何かと良かった!
まず、「鳥獣戯画模本(住吉家旧蔵本) 巻第一、第二、第三、第四」(安土桃山時代 慶長3年(1598) 東京・梅澤記念館所蔵」の展示。
これはかなり並ばないと近くでは見ることができず、係の方が「あとで見ることもできます」と案内されていたので、「巻第一」だけを見て、先に進むことにした。
この後、直ぐに「鳥獣戯画 甲巻」(平安時代 12世紀 京都・高山寺所蔵)の展示室なのだ!
今回話題の「動く歩道」。
この動く歩道への乗り場のスロープが、なんだか東京ディズニーランドの「ピーターパン空の旅」のような雰囲気なのである(個人の感想です)。
実際に、近くに並んでいた若い女性たちが「ディズニーランドみたい!」と言っていた。
「(そう思ったのは)私だけじゃなかったんだ」と思った。
壁の高いところには、鳥獣戯画のシーンが映し出されていて、天井も高いし、なんだかアトラクションの中にいるようだ。わくわく。
この「動く歩道」、大変良かった!
今回の展示は、模本も含め全てこの動く歩道で鑑賞するシステムにすれば良かったのに!と思うくらい良かった。
そして、感染予防の点からも、このシステムは良いと思った。
その後、断簡となった鳥獣戯画、様々な模本を見学し、改めて、住吉家旧蔵本の模本を鑑賞した。
模本は、模写された時代によって、現在では失われている部分が描かれていたり、大変興味深い。解説も大変分かりやすかった。
最後、「明恵上人と高山寺」の会場では、重要文化財である「明恵上人坐像」(鎌倉時代 13世紀 京都・高山寺所蔵)に惹かれた。
こちらは、日曜美術館の番組中でもしっかり紹介されていたが、やっぱり実物は、なんだか非常に・・・・なんと言ったよいか分からないが、ずっと拝見していたい気持ちになった。
最後の展示物「子犬」(鎌倉時代 13世紀 京都・高山寺所蔵)、とても可愛い。
会場を去る私を見送ってくれるような、そんな子犬だった。こちらも重要文化財。
ショップで購入したのは、図録と懐紙である。
「攻めた」表紙ではないか・・・。
この図録がずっしり、とても分厚い。
「渡辺省亭展」図録と「笠松紫浪展」図録を重ねた厚さより、厚い。
計ったところ、3㎝くらい。
探してみると・・・・
「鈴木其一」展と同じくらいか・・・・。
この図録、鳥獣戯画全4巻がほぼ原寸大で掲載されているとのこと。
復習するにはとても良い・・・・が、やっぱり実物は違う。
本展覧会の会期は5月30日まで。
もう一度、訪れることはできるだろうか。