読了。

本書は、中島京子氏の初の書き下ろし作品とのこと。

これが、初の書き下ろしとは恐れ入った。

「余裕がある」ような書きっぷりというか・・・、安心して読めるというか。

 

FUTON  (著)中島京子

 

 

本書は3つの物語が絡み合って構成されている。

 

アメリカの大学の日本文学研究者であるテイブ・マッコーリーと、教え子であり恋人でもある日系の女子学生であるエミ・クラカワとの物語。

 

東京の鶉町という下町に住むエミの曾祖父のウメキチ(95歳)とそのヘルパーであり画家であるイズミとの物語。ウメキチが語る戦争中の話も興味深い。実際にあったことか、それとも・・・。

 

デイブの書く「蒲団の打ち直し」という創作。田山花袋の「蒲団」の主人公・竹中先生の妻の視点で描いており、明治の女性って・・それにしても、登場人物の男性が何とも・・・という物語。

 

私は、田山花袋の「蒲団」の大体のあらすじは知っているものの、読んだことは恐らく・・・ないと思う。が、「本家」を読んで、「蒲団の打ち直し」と比較しても面白いかもしれないと思っている。

 

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近所のバス停近くに咲いていたガクアジサイ。

 

 

どんどん季節が進んでいくような。