本日、雨の中、五島美術館に行ってきた。
日曜日で終わってしまう「近代の日本画展」を鑑賞。
今年は、横山大観生誕150周年ということで、本展覧会にも多くの大観作品が展示されていた。
ポスターの富士山の絵も大観作品である。
東京国立近代美術館で「生々流転」を見たせいか、次の3つの無彩色の絵が気になった。
「浦澳 山海二十代の内」(昭和15年・1940年)は、入江に靄が出ているような幻想的な風景。
「竹外一枝」(昭和21年・1946年)、これは大観の心象風景を描いているのだろうか。
「水温む」(昭和29年・1954年)、渓谷の様子。川から跳ねた魚が描かれている。
それから、小林古径の「柳桜」(大正4年・1915年)も良かった!
色の感じや、何となくほのぼのとしている風景が何とも・・・癒やされた。
この絵を鑑賞するのに都合の良い場所に椅子があり、座って、暫しぼ~っと眺めていた。
本展覧会のチラシの裏。「柳桜」は左下。
大観の「浦澳 山海二十代の内」は右上である。
この他、今回展示されていた「詩箋」には、クラッときた。
「詩箋」とは、その文字のとおり、詩を書くための用紙で、模様が描かれている。
ふと、鳩居堂の「シルク刷り便箋」・・・いや、そんなにクリアな絵柄ではない。
「木版刷り便箋」のイメージか。それをもっと精密でデリケートにした感じ。
とにかく、美しい。(欲しい)
私がグッときたのは、
「文美齋百華詩箋譜」(清時代・宣統3年・1911年)である。
お花の模様が美しかった。
これは、天津にある「文美齋」という文具屋さんが販売していたらしい。
インターネットで画像検索すると、中国のサイトが沢山ヒットした。
小さなメモ用紙大の「清秘閣箋」(中華民国・20世紀)も展示されており、こちらは北京の瑠璃廠にも現在でもある「清秘閣」という文具屋さんが販売していたもの。
ちなみに、この「清秘閣」は、今でもあるらしい。
もしかすると、訪れた事があるかも?