勝手に論愚選2020.11.30 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選2020.11.
30

【朝日俳壇2020.11.29】
[高山 れおな 選]

我がために太陽回る日向ぼこ (神戸市 森木 道典)
(評)天上天下唯我独尊の恍惚(こうこつ)。

餡パンに明治は生きて文化の日 (所沢市 岡部 泉)
(評)「生きて」が良い。

為政者の言葉は魔術すがれ虫 (大和市 荒井 修)
(評)基本的には批判意識で作られた句だろうが、権力が持つ蠱惑(こわく)する力へも思いをいたさせるようだ。下五に首相の名が、物名歌(ぶつめいか)式に詠み込まれている。

[稲畑 汀子 選]
秋惜む風の言葉の森深く (香川県綾川町 福家 市子)
(評)森の中は、時折風が渡り、作者はそれを風の言葉と思う。この詩心は自然と共鳴して奥が深い。

三色の風を紡ぎて秋桜 (今治市 横田 青天子)
(評)コスモスと風の情景を詩的にとらえた。

[長谷川 櫂 選]
凩やマチスのやうな木葉(このは)の舞 (川越市 岡部 申之)
(評)マチスの「ダンス」。輪になって踊る木の葉よ。

[大串 章 選]
熱燗やバブルを語る地下酒場 (越谷市 新井 高四郎)
枯落葉焚いて余命を温むる (奈良市 田村 英一)