三姉妹探偵団〈2〉 (講談社文庫)/赤川 次郎
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 前作『三姉妹探偵団』がかなり面白かったので、第2作目も読んでしまいました

 前作ではトラブルメーカーっぷりを発揮していた長女・綾子の株が、本作品を読んで上がりました(笑)


 今回は、泣き虫で、弱虫で、天然で、おっとり型の綾子が文化祭の幹事を任され、殺人事件に巻き込まれるというストーリー

 殺害現場を目撃されたと誤解した犯人が、綾子の命をも狙います

 しかし、自分が狙われる理由に全く気づかない綾子は危機感もなくのほほんと暢気で、二人の妹たちをハラハラさせ通しです

 見かねた次女・夕里子が国友刑事と一致協力し、事件を解決します


 え?

 それでどうして綾子の株が上がるのかって?

 確かに、説明がこれだけじゃ、やっぱり綾子はトラブルメーカーじゃん、て思いますよね

 でも綾子の素晴らしいところは、そういうことではないんです

 目の前の状況に惑わされず人を信じ抜く心

 どんな人であっても目上を立てる謙譲の心

 動物の命も人の命も平等に大切にする心

 その強い気持ちが作中人物たちの心を打つだけでなく、読者の心を強く打ちます

 状況的にはかなり間抜けな感じだったりもするんですが、綾子の一生懸命さを読んでいると思わずほろりとさせられます

 そういう純粋な気持ち、失いかけてるなぁとちょっと反省しました