- 件獣(くだんじゅう)―人工憑霊蠱猫 (講談社文庫)/化野 燐
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人工憑霊蠱猫シリーズ第4弾です
今までの作品の感想はこちら↓↓
前作までの3冊で妖怪大図鑑「本草霊恠図譜」を巡る戦いは一応の終止符を打ったと思っていたのですが、この本、かなり重要アイテムらしく、本作ではまた「本草霊恠図譜」を巡る新たな戦いの火蓋が切って落とされます
今度の敵は、大生部龍彦
千文字一族が主導権を握る有鬼派の中でも幹部クラスの構成員です
(有鬼派についての説明は『渾沌王』 のブログ記事を見てみてください☆)
彼の最終目的は、鬼神(簡単に言うと妖怪)を封印から開放し、現生人類を淘汰し、鬼神を操ることの出来る能力を備えた人間の社会を作ること
そのために彼が目論んでいるのは、件獣という鬼神の召喚です
その鬼神を召喚するためには「本草霊恠図譜」が必要なのです
そこで所有者である小夜子たちから強奪します
「本草霊恠図譜」を守ることを目的とする小夜子たちは、本を取り返すべく、大生部に戦いを挑むのです
それが物語のあらすじです
さて、表題にも使われている「件獣」という鬼神ですが、その能力は「予言」だと伝えられています
未来のことが分かれば、そのための対処を予め講じることが出来ます
つまり全てを自分の思い通りに出来るということです
そんな能力を手に入れられれば向かうところ敵なしです
しかし実際の件獣の能力は、過去に遡る力、言い換えればタイムトリップの力です
その力を行使して過去を変革すれば、今現在を変えることができます
ひいては未来をも変えることができるということです
未来だけでなく現在も変えることができれば、都合の悪い状況はなくなりますし、よしんば都合が悪くても、何度でもやり直すことが出来る
これは最強の能力です
その能力を手に入れるのは誰か?
何のために使うのか?
目が離せません
それにしても、この作品、かなり衝撃の展開…
ネタばれになるのでここでは書くのを控えますが、本当にびっくり!
セオリーから外れまくりでしょう?これ?
続編が刊行されていることを考えてもこのままでは済まさないとは思いますが、まさかの展開に驚愕です
益々目が離せなくなりました
理由を知りたい方はどうぞご一読を(笑)