ヒートアイランド (文春文庫)/垣根 涼介
¥710
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 文春文庫の「いい男の35冊」にラインナップされている作品です

 ミステリですが、ノワール要素満載、というかノワール小説です(笑)

 登場するのは、

  渋谷でファイトパーティを主催するストリートギャング・雅(みやび)

  ファイトパーティが開催される店をテリトリーに治める麻川組系暴力団・光栄商事

  非合法の裏金などを専門に狙う強盗団

  強盗団にカジノの売上をさらわれた松谷組

 の4者

 事の発端は、強盗団が盗んだ金を、ひょんなことから雅のメンバーが手に入れてしまうことから始まります

 雅の頭(ヘッド)であるアキとカオルは、持ち主に金を返そうと持ち主を探します

 しかし、雅がその金を入手した経緯を考えると警察には届けられません

 一方、金を強奪されたと思い、金の行方を追う強盗団

 そして、強盗団を追う松谷組

 松谷組から協力要請があったことをいいことに、先んじて金を手に入れネコババしようとする光栄商事

 4者入り乱れての争奪戦です

 そこで雅のアキは、戦いの収束に向け、ある計画を立案、実行します

 最後には誰が笑うのか

 息詰まる攻防が繰り広げられます

 さて、この作品には魅力的な男性が登場しますが、話の性質上、社会正義からは外れた人たちです

 タフで、賢くて、必要とあらば残酷なことも平気で出来る男たち

 私の中での「いい男」の基準からは外れていますが、生き残りを賭け自らの持ちうる全ての能力をかけて戦いに挑む男たちの姿はカッコいいと思います